チューリヒ芸術大学で油画を専攻「福島沙由美さん」

公開日 : 2014年12月05日
最終更新 :
筆者 : mizuki
Sayumi_Fukushima.jpg

スイスで活躍されている日本人にお話を聞くシリーズ「スイスに暮らす日本人」。

第3回目の今回は、チューリヒ芸術大学の現役学生「福島沙由美さん」です♪

東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、現在チューリヒ芸術大学のMaster of Fine Artに在籍し油画を専攻されている福島さん。スイスにいらしたきっかけを伺いました。

福島さん:東京藝術大学修士2年の時、WinterthurでArtist in residenceを3ヶ月したのがきっかけです。環境を変えて制作するというのは、今までに無いインスピレーションが涌き、絵の新たな方向性を確立させることができます。私は、もう少しスイスで絵を描きたいという気持ちになりました。一度日本に戻り、藝大の修士課程を修了させてから、再びスイスに戻り、チューリヒ芸術大学のMaster of Fine Artを受験しました。今はチューリヒ芸術大学の学生なのですが、来年の夏に修了予定なので、論文や修了制作を手がけています。

福島さんのアトリエ

DSC00683.jpg
DSC00699.jpg
DSC00703.jpg

スイスでの生活について伺いました。

福島さん:スイス生活は物価が高く、保険も高いので、初めてスイスに来た時はとてもショックを受けました。最近では自炊したり節約をしています。それ以外の面では、とても過ごしやすい環境です。チューリヒに住んでいるのですが、交通機関も整っているのでストレスは感じません。その上チューリヒ湖や山に囲まれているので、自然と調和のとれている素敵な都市です。

福島さんの学ぶチューリヒ芸術大学にて

DSC00698.jpg

福島さんの作品「eine lichte Stelle in der Erinnerung」

work.jpg

作品のテーマについてお聞きしました。

福島さん:絵のテーマは「視点」や「記憶」です。

この「eine lichte Stelle in der Erinnerung」は直訳すると「記憶の中の明るい場所」という意味なのですが、「私は記憶の中の大切なある一部」と捉えています。この絵は逆さに見る事もできます。球体の中の風景虚像だったものが、ポジションを変えると風景そのものへと広がっていきます。例えば、同じ風景を観たり、同じ経験を何人かの人と共有したとしても、その人の立場や何を中心に観ているかによって、記憶の構造が変わってきます。記憶というのは絶えず変化していき流動的なものなので、私は球体の中に風景を閉じ込めています。その球体はきれいな円ではなくあえて歪みがあるものです。なぜなら、この球体が実際に現実にあるのなら、角度を変えたり観る視点を変えると歪みのせいで、映っている虚像もその都度変化するからです。つまり記憶というものは一定ではないという事を表しています。この絵の中の風景はチューリッヒです。スイスに来て初めてベビーシッターを経験しました。そして子供を通して、記憶の始まりに興味を持ち始めました。最近はよく子供を描いています。

チューリヒのおすすめスポットは?

福島さん:

チューリヒ美術館。古典美術から現代美術まで幅広いコレクションあり、楽しめます。

CafeやBarを楽しめたり、アーティストグッズも販売しています。

第26回上野の森美術館大賞展大賞、トーキョーワンダーウォール公募2008大賞を受賞。

これまでに数々の個展を開催され、ここスイスでも精力的に活動されている福島さん。

日本、スイスに根強いファンがいらっしゃいます。

今後のご活躍に注目です!

【福島沙由美さんイベントのお知らせ】

チューリヒ芸術大学の在学生による室内楽中心のコンサートにて、生演奏で福島さんが受けたインスピレーションを即興で描くライブペインティングが行われます。

♥日時:2014年12月5日(金)

♥場所:チューリッヒ芸術大学内「konzert saal 2」にて

♥時間:19時30分〜

♥チケット:無料

福島さんが架け橋となって作られた東京藝術大学とチューリヒ芸術大学による国際交流ブログ

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。