チューリヒ芸術大学で油画を専攻「福島沙由美さん」
スイスで活躍されている日本人にお話を聞くシリーズ「スイスに暮らす日本人」。
第3回目の今回は、チューリヒ芸術大学の現役学生「福島沙由美さん」です♪
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、現在チューリヒ芸術大学のMaster of Fine Artに在籍し油画を専攻されている福島さん。スイスにいらしたきっかけを伺いました。
福島さん:東京藝術大学修士2年の時、WinterthurでArtist in residenceを3ヶ月したのがきっかけです。環境を変えて制作するというのは、今までに無いインスピレーションが涌き、絵の新たな方向性を確立させることができます。私は、もう少しスイスで絵を描きたいという気持ちになりました。一度日本に戻り、藝大の修士課程を修了させてから、再びスイスに戻り、チューリヒ芸術大学のMaster of Fine Artを受験しました。今はチューリヒ芸術大学の学生なのですが、来年の夏に修了予定なので、論文や修了制作を手がけています。
福島さんのアトリエ
スイスでの生活について伺いました。
福島さん:スイス生活は物価が高く、保険も高いので、初めてスイスに来た時はとてもショックを受けました。最近では自炊したり節約をしています。それ以外の面では、とても過ごしやすい環境です。チューリヒに住んでいるのですが、交通機関も整っているのでストレスは感じません。その上チューリヒ湖や山に囲まれているので、自然と調和のとれている素敵な都市です。
福島さんの学ぶチューリヒ芸術大学にて
福島さんの作品「eine lichte Stelle in der Erinnerung」
作品のテーマについてお聞きしました。
福島さん:絵のテーマは「視点」や「記憶」です。
この「eine lichte Stelle in der Erinnerung」は直訳すると「記憶の中の明るい場所」という意味なのですが、「私は記憶の中の大切なある一部」と捉えています。この絵は逆さに見る事もできます。球体の中の風景虚像だったものが、ポジションを変えると風景そのものへと広がっていきます。例えば、同じ風景を観たり、同じ経験を何人かの人と共有したとしても、その人の立場や何を中心に観ているかによって、記憶の構造が変わってきます。記憶というのは絶えず変化していき流動的なものなので、私は球体の中に風景を閉じ込めています。その球体はきれいな円ではなくあえて歪みがあるものです。なぜなら、この球体が実際に現実にあるのなら、角度を変えたり観る視点を変えると歪みのせいで、映っている虚像もその都度変化するからです。つまり記憶というものは一定ではないという事を表しています。この絵の中の風景はチューリッヒです。スイスに来て初めてベビーシッターを経験しました。そして子供を通して、記憶の始まりに興味を持ち始めました。最近はよく子供を描いています。
チューリヒのおすすめスポットは?
福島さん:
チューリヒ美術館。古典美術から現代美術まで幅広いコレクションあり、楽しめます。
CafeやBarを楽しめたり、アーティストグッズも販売しています。
第26回上野の森美術館大賞展大賞、トーキョーワンダーウォール公募2008大賞を受賞。
これまでに数々の個展を開催され、ここスイスでも精力的に活動されている福島さん。
日本、スイスに根強いファンがいらっしゃいます。
今後のご活躍に注目です!
【福島沙由美さんイベントのお知らせ】
チューリヒ芸術大学の在学生による室内楽中心のコンサートにて、生演奏で福島さんが受けたインスピレーションを即興で描くライブペインティングが行われます。
♥日時:2014年12月5日(金)
♥場所:チューリッヒ芸術大学内「konzert saal 2」にて
♥時間:19時30分〜
♥チケット:無料
福島さんが架け橋となって作られた東京藝術大学とチューリヒ芸術大学による国際交流ブログ
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