【英ウェールズ】ウェルシュプールのクリスマス限定SL「サンタ・スペシャルズ」

公開日 : 2021年12月21日
最終更新 :
筆者 : June

Sut Mae!(シュマイ!こんにちは!)

イギリスは今日(12月21日)が「ショーテスト・デー(Shortest Day)」、冬至でした。日本は明日22日ですが、皆さんはカボチャを食べたり、ゆず湯に入ったりするのでしょうか?!

我が家は湯船に浸かるくらいしかできませんが......身体を温めて、無病息災を願いながら、寒い冬を乗りきりたいと思います。

さて、クリスマスまであと数日。

昨日、地元の人気観光SL列車「ウェルシュプール&スランフェア鉄道(Welshpool&Llanfair Railway)」がこの時期限定運行しているサンタ・トレインの最終便を見てきました。

新型コロナによるロックダウンで2年続けてキャンセルだったこともあり、2021年のサンタ・トレインは10日間満員御礼!

チケットのウェブ予約も12月初めには完売になったと聞いていたので、今年最後のサンタ・トレインを見送ろうと急に思い立ったのです。

そこで今回はウェルシュプール名物のクリスマス限定SL列車「サンタ・スペシャルズ(Santa Specials)」を紹介します。

冬にウェールズを訪れる機会があれば、ぜひ見に来てほしいローカル感満載の蒸気機関車です。

■ サンタ・トレインの出発駅ウェールズ「スランフェア(Llanfair)」

ウェルシュプール&スランフェア鉄道は名前の通り、通常、ウェルシュプール~スランフェア間(約14km)を片道およそ50分かけてゆっくり走行するローカルの蒸気機関車ですが、このサンタ・スペシャルズと名付けられた特別SL列車は毎年、スランフェア(Llanfair Caerenion:地元ではランバー・カレニオンと発音)から隣の村カフロニズ(Cyfronydd)までの1区間(約5km)だけを往復運行します。

小さな子供が多いのでカフロニズでのサンタ・タイムも含めた往復約1時間ほどのショートトリップが人気のようです。

さて、そんなサンタ・トレインの出発駅スランフェアは現在、写真のように入口と出口が分けられています。

こちらが入口です。(出口は駅舎側)

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冬は雨天も多いため、仮設の屋根が設置され、ソーシャルディスタンスを確保しやすいよう屋外の待機スペースも用意。手消毒やマスク着用の案内も徹底されてました。

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出発まで時間があったので、駅舎内へ。

カフェはテイクアウトのみで屋内のテーブル席は使用できませんでした。

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そのため、外に雨天でもOKのテント席を設置。フードトラックもありました。

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こちらは駅舎内のチケット・オフィスと売店。

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売店の奥には鉄道や蒸気機関車に関する本がズラリ。鉄道ファンには堪らない場所です。

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もちろん、子供向けの本もありました。

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2021年デザインのクリスマスカード。これらの販売収益は鉄道保存にも役立てられます。

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そして、いよいよサンタ・トレインの出発時間。

人気のチケットを手に入れることができた乗客は改札で飲み物(大人はモルドワイン)と軽食が入った紙袋を受取り、SL列車の指定車両へ乗り込みます。

以前はチケットがなくてもホームに入ることができましたが、現在は感染予防対策のため、改札内への入場も制限。

関係者以外は駅の外から見送りです。

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そのため、サンタ・トレインに肝心のサンタクロースが乗車していなかったことにこの時は全く気付きませんでした。

■ サンタ・トレインの折返し駅スノー・ポール「カフロニズ(Cyfronydd)」

SL列車を見送ったあと、折り返し地点となるカフロニズ駅へ。

実は私、このカフロニズ村在住で、自宅から駅までは徒歩2分。つまり最寄り駅なのです。

ただ、観光用のSLは料金もツーリスト価格、スピードもゆっくりのため、日常的に利用することはありません。このサンタ・トレインが運行していた10日間も毎日、汽笛の音は聞いていましたが、駅には行きませんでした。

だから、サンタクロースやエルフたちが駅でSLの到着を待っていたのにはビックリ!

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理由を尋ねるとやはり、新型コロナの感染予防対策。

例年は車両内をサンタやエルフが移動し、走行中にプレゼントを配ったり、子供たちと歌やおしゃべりを楽しむのですが、今年は他の参加者と接触を防ぐバブル方式を実施。各車両の中央にはロープが張られ、乗客も行き来できないようになっていました。

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そこで、今年はこのノース・ポール(北極)駅でサンタとエルフがSLの到着を待ち、特設のプラットホームから、各車両の入口をまわって、プレゼントを届けることに......。

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よく見たら、カフロニズではなく、ノース・ポールに駅のサインも変わってました。私はこの期間、北極在住だったようです。

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サンタからプレゼントをもらった子供たちは大喜び&大興奮。そんな子供たちとサンタを撮影しようと大人たちも大奮闘でした。

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もちろん、サンタの助手エルフも大事な仕事を任されていました。

まずは子供たちの年齢や性別に合わせて用意されたプレゼントを間違えることなく、サンタに渡すこと。

それと、子供たちが持っているサンタ・スペシャルズ専用のパスポートにノース・ポールの雪だるまスタンプを押すことです。

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出発地はウェールズなのでドラゴンのスタンプが押されていました。

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こうして、およそ30分のサンタ・タイムはあっという間に終了。

サンタやエルフたちと一緒に今年最後のサンタ・トレインをプラットホームから手を振って見送りました。

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最後に......今回、特派員ブログの記事で紹介することをサンタクロースとエルフに快諾いただき、撮影にも協力してもらいました。そして、それならとエルフの帽子を渡され、エルフ見習いとして、写真撮影兼照明係を任命。とても良い経験をさせていただきました。

ウェルシュプール&スランフェア鉄道を含む、ウェールズの保存鉄道の多くはボランティアの協力によって運営されています。

ボランティア活動に興味のある方もぜひ、ウェブサイトや現地で気軽にお尋ねください。

それでは皆様、素敵なクリスマスを! Merry Christmas! Nadolig Llawen!

■ Welshpool&Llanfair Light Railway

・ 住所: The Station, Llanfair Caerenion SY21 0SF

・ サンタ・スペシャルズ(2021年)乗車料金: 19.50ポンド(大人・子供同料金/1歳未満は無料)

筆者

イギリス特派員

June

60カ国以上の渡航歴あり。2016年、結婚を機に英ウェールズへ移住。

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