【ウェールズの田舎暮らし】 にぎやかな鳥たちとフリーレンジ卵の無人販売所

公開日 : 2021年05月14日
最終更新 :
筆者 : June

Sut Mae!(シュマイ!こんにちは!)

曇りがちなウェールズもここ数日はぽかぽか陽気が続き、庭のりんご花も満開になりました。

そして、わが家の元気な鳥たちも庭でにぎやかに過ごしてます。

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▲ 満開のりんごの花とわが家のニワトリたち(ナンキン:茶色 / チャボ:白黒)

義父が大の鳥好きでわが家には数種類のニワトリ以外にもアヒルやカナリア、インコ、クジャク、キジ......と大小さまざまの鳥がいます。

もちろん、それぞれ庭に専用の鳥小屋があり、その中で飼育してるのですが、ニワトリとアヒルは基本的に「フリーレンジ(Free-Range)」と呼ばれる放し飼いなので日中は庭を自由に歩きまわってます。

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▲ 庭でのんびり散歩するニワトリ(チキン)たち

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▲ 日向ぼっこを楽しむアヒルたち

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▲ カナリアとインコの飼育小屋には野鳥用のバードフィーダー(餌台)をいくつも設置。小屋の前を散歩しているのは小さなニワトリのバンタム

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▲ 大きなクジャク小屋には高さが異なるふたつのパーチ(止まり台)も設置。クジャクたちのお気に入りスポット

ウェールズには野生のキジも多く生息し、狩猟時期(秋から冬)はキジ狩りを楽しむ人も少なくありません。

わが家のウッドランドや庭でもよく見かけますが、ペット用に繁殖された義父のキジとはまた色彩が異なります。

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▲ 色鮮やかな雄キジと地味な雌キジ

さて、わが家では可能な限り自然に近い環境で鳥たちを飼育しているので、ニワトリやアヒルたちは秋から冬にかけて休産に入り、春になって産卵シーズンを迎えます。また、キジとクジャクも春から夏が繁殖期なので、いまの時期に卵を産み始めます。

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▲ キジ小屋内部の様子。雌キジと2021年最初の卵(5月2日撮影)

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▲ 卵の大きさ比べ。左からゴルフボール、バンタム、キジ、チキン、アヒル、クジャクの順

そして、毎年この時期になると義父がインキュベーター(孵卵器)を数台使い、鳥たちの繁殖を試みます。

卵が孵化するまでの日数はインキュベーター内の温度や湿度、個体差によって異なりますが平均して、ニワトリで21日、キジで23日、アヒルやクジャクで28日と大型になるほど長くなります。

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▲ 誕生したばかりのチキンのヒヨコたち(4月3日撮影)

ヒヨコたちの羽毛が生え揃い、体温調整ができるようになるまでは電熱ヒーターなどを使い、室内で大事にヌクヌクと育てます。

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▲ 餌を食べ始めるようになったヒヨコたち(4月6日撮影)

気候や品種にもよりますが、2~3週間ほどでかわいいヒヨコは小さなニワトリ(大雛)へと成長し、外の鳥小屋で生活できるようになります。

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▲ バンタムほどのサイズに成長したチキンの大雛(5月7日撮影)

キツネや鷹、鷲などに襲われないようある程度の大きさになるまでは囲いの中で飼育しますが、夏にはほかのニワトリたちと一緒に庭を歩きまわることができそうです。

現在、家の中には先週生まれたバンタムのヒヨコたちがいますが、インキュベーター内にも来週誕生予定のアヒルの卵と産み落とされたばかりのキジとクジャクの卵が入っています。

ニワトリやアヒルと違い、キジとクジャクのヒナは人懐こいまま成長するので育て甲斐があり、愛着もわきます。

今年も上手く孵化してくれることを願うばかりです。

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▲ 孵化したばかりのクジャクのヒナ(2020年7月28日撮影)

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▲ 頭頂部に冠羽が生えてクジャクらしくなってきたヒナ(2020年8月30日撮影)

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▲ 成長したオスの子クジャク(左)。父クジャク(右)とともにディスプレイを披露(2021年5月現在)

さて、たくさんの鳥たちと暮らしているわが家ですが、友人からはよく「ニワトリやアヒルは食用?」と尋ねられます。

義父にとってはどれもかわいいペットたちなのでわが家では卵だけを食用としてありがたくいただき、どの鳥たちにも人生を全うしてもらっています(キジとクジャクの卵は貴重なため、すべて繁殖用に使用)。

そのため増え続けるニワトリとアヒルたちは家族で消費しきれないほど、たくさんの卵を産んでくれるので、義父は数年前から無人販売所を設置し始めました。

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▲ 家のゲート前に設置した義父製作の無人販売所

「フリーレンジ・エッグ(Free-range egg)」と呼ばれる放し飼いで育てられたニワトリやアヒルの卵はとても人気があり、スーパーでも販売されてますが、ウェールズにはこうした無人販売所も多く、地元の人だけでなく、通りすがりのツーリストもよく利用されてます。

また、販売所には卵のほかに旬の野菜や果物、花、自家製のお菓子やジャムなどが並ぶことも......わが家も昨年はりんごやジャガイモが豊作だったので、袋詰めで販売しました。

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▲ 道路脇に設置した「フリーレンジ卵」の無人販売所の看板

無人販売所は日本でも田舎に行くとよく見かける光景ですが、ウェールズやその土地ならではのものがお値打ちに売られていることもあるのでのぞいてみるだけでも楽しめると思います。

旅先で気になる無人販売所を見つけたら、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。

筆者

イギリス特派員

June

60カ国以上の渡航歴あり。2016年、結婚を機に英ウェールズへ移住。

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