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ウェールズの古城や自然をキープするウェールズ政府関係機関「カドゥー」

カテゴリー:文化・芸術・美術 / 旅行・ツアー・ホテル / 自然・風景 / 見所・観光・定番スポット 投稿日:2020年5月 3日

Suet Mae! (シュマイ! こんにちは!)
前回はイギリス最大の自然保護団体「ナショナル・トラスト」をご紹介しましたが、ウェールズにも同様の活動を行っている別の機関「カドゥー」があります。
民間で運営されているナショナル・トラストに対し、このカドゥーはウェールズ政府内の古城・遺跡管轄部門で管理・運営を行い、ウェールズの観光と文化を支えています。
今回はウェールズを旅する際、訪れる機会も多い、ウェールズの古城や景観地を守る政府関係機関「カドゥー」をご紹介します。

ウェールズの古城や自然環境をキープする「カドゥー」
ウェールズ語名の「カドゥー」(Cadw)は、英語の「キープ」(Keep)で、"保存"を意味し、ウェールズの歴史的建造物や遺跡、自然景観を保存するため、1984年に設立されたウェールズ政府関係機関です。
カドゥーでは現在、世界遺産の4つの古城を含め、ウェールズ各地にある130の国有財産と景観地を管理・運営し、有料または一部無料で一般公開しています。
ウェールズ各地の観光案内所や大型スーパーでは、カドゥーが作成した観光用の地図が無料で配布されています。
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▲ 無料で配布されているカドゥーの観光用地図(英語サイド)

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▲ 上記と同じ観光用地図(ウェールズ語サイド)

地図はウェールズ北部と南部で分かれていますが、広げると大きく、カドゥーが保有する古城や遺跡の位置が示されているほか、各施設の写真も掲載されていて、とてもわかりやすく、ウェールズを観光する際にたいへん役に立ちます。
また、片面が英語表記、もう片面がウェールズ語表記となっているので両言語を見比べることができます。

カドゥーが保有する世界遺産の4つの城塞
ウェールズには600以上の古城や城塞(城址も含む)が現存し、城の密度は「世界一」(*ウェールズ政府公式ウェブサイトによる)といわれています。
これらはイングランドや侵略者との戦いに明け暮れた歴史の名残といえますが、今ではウェールズの重要な観光資源であり、カドゥーは状態のいい古城や城塞の多くを管理し、一般に公開しています。
13世紀後半、イングランド王エドワード1世がグウィネス(北ウェールズ)に築いた10の城塞のうち、現在、4つが世界遺産に登録されていて、いずれもカドゥーが保有し、人気の観光施設となっています。
1. 歴代の皇太子に与えられる称号「プリンス・オブ・ウェールズ」の戴冠式が行われるウェールズ最大の堅城、カナーヴォン城(Caernarfon Castle)
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▲ ウェールズ最大かつ最強のカナーヴォン城 / 写真中央は1969年にチャールズ皇太子の戴冠式が行われた場所

2. 2019年に姫路城と姉妹城提携をした難攻不落な堅城、コンウィ城(Conwy Castle)
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▲ コンウィの町並みとコンウィ川が一望できるコンウィ城

3. アングルシー島にある美しい未完の城、ボーマリス城(Beaumaris Castle)
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▲ エドワード1世が最後に築城し、資金不足のため、未完のままとなったボーマリス城

4. 度重なる戦いの舞台となった崖上に建つ堅固な要塞、ハーレック城(Harlech Castle)
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▲ ウェールズ語で「美しい岩」の名を持つハーレック城

ガイドブックに載っていないローカルな魅力が満載な古城や城址
カドゥーが保有する古城や城址のほとんどは日本のガイドブックには紹介されていないマイナーなものですが、ローカルな魅力や興味深い歴史を持つものも多く、その一部は無料で一般公開されています。
私が住むウェルシュプールの隣町モントゴメリーにあるモントゴメリー城(Montgomery Castle)もそのひとつで地元の人々の憩いの場になっています。
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▲ 町の高台に建つモントゴメリー城から、美しいウェールズの景色を眺望する人たち

城の周囲は石垣と天然の岩を利用した深い堀になっていて、入口には橋が架けられています。
モントゴメリーがイングランド領だった11世紀に、イングランドのシュルーズベリー伯によって建てられたモントゴメリー城はウェールズとの攻防戦を繰り広げるイングランド軍にとって、重要な城塞でした。
13世紀にはイングランド国王ヘンリー3世のために石垣の城として再建され、1267年、ヘンリー3世とウェールズ公の会談条約が執り行われた歴史上でも重要な場所です。

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▲ 廃墟と化した城内で自由に散策を楽しむ地元の子供

17世紀、当時の城主ハーバート男爵によって取り壊され、長年、モントゴメリー城は廃墟のまま放置されていましたが、現在はカドゥーの活動によって整備され、ウェールズの貴重な史跡として無料で一般に公開されています。

ウェールズ観光に便利な会員プログラム
カドゥーにもナショナル・トラストと同様のメンバーシップ制度があります。
会員になるとメンバーカードと駐車ステッカーが届き、有料施設や有料駐車場を無料で見学または利用できるほか、売店やほかの観光施設での割引特典が受けられます。
また、年に数回、カドゥーが主催するイベントの案内や活動報告などが掲載されている冊子が届けられます。
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▲ 2019年冬の会報誌 / 南ウェールズのコッホ城が特集記事で掲載

【2020年】 年会費(個人) : 大人(65歳以上)通常£32 →£16 、(21〜64歳)通常£48 →24 / 中人(18〜20歳)& 学生 通常£26 →£13 / 小人(5〜17歳)通常£20 →£10
* 2020年5月3日現在、コロナ禍における施設の公開停止に伴い、新規会員の年会費が公式ウェブサイトでは通常の半額に設定されています。

上記、個人の年会員のほかにジョイント(ペア)会員、ファミリー会員、終身会員などの設定もあります(割引率は設定により異なります)。
また、滞在期間や観光スケジュールに合わせて使える便利な3-DAY PASS、7-DAY PASSも販売されています。
詳細は公式ウェブサイトでご確認ください。
カドゥーの活動は会員費のほか、一般の入場料や物販による収益などが施設の維持や保護に充てられるため、会員でなくても訪問することで支援となります。
今後もウェールズの歴史的建造物や自然景観を守っていくため、多くの人にこの活動を知っていただき、訪ねていただきたいとカドゥーの公式ウェブサイトでは常に情報を発信しています。

Cadw公式ウェブサイト(英語&ウェールズ語)
URL:  href="https://cadw.gov.wales">https://cadw.gov.wales



旅に出ることができない今は、"いつか行ける日のために"行きたい場所のポジティブな情報を集めて、"Stay Home"の時間を楽しんでいただければと思います。

皆さまもどうぞ体調にはお気をつけてお過ごしください。


All text and photos by Junko Cannon

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キャノン 純子 さん

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キャノン 純子 さん

大手旅行会社の添乗員として、20年以上、国内・海外を問わず、お客様の旅のサポートに従事。欧州を中心に約60ヵ国の渡航経験あり。2016年6月、結婚を機にウェールズへ移住。その後、地元カレッジで調理師資格を取得し、現在は地元のレストランでシェフとして働きながら、今までの経験を活かし、ウェールズを中心とした現地コーディネーターとして活動中。観光情報や文化、生活など幅広い分野でウェールズの魅力をお届けします。
現地サポートや各種問い合わせはこちらまでご連絡ください。 DISQUS ID @disqus_rNn32G170T

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