東部6州、バージン諸島とプエルトリコの新型コロナウィルス関連情報(6月2日)

公開日 : 2020年06月03日
最終更新 :

6月2日の、NY州のクオモ州知事のメッセージによると、ニューヨークでは、新型コロナウイルスの感染の拡大は収まってきているようですが、ミネソタ州ミネアポリスでのジョージ・フロイドさんの死亡事故によって引き起こされた怒りに基づく抗議活動と犯罪行為・略奪等がNY州各地で発生しているとのことです。抗議活動が行われている地域にお住まいの方、近くを訪問されている方はくれぐれもご注意ください。

以下、ポイントを引用掲載しますので、ご参照ください。

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州政府等による措置等のポイント】

(注)各州政府の措置等についても,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎(NY州)クオモ知事のメッセージ(6月2日)

・今,私たちは社会の危機に直面している。これまで私は新型コロナウイルスの問題に対して,州民に事実に基づいた情報を提供し,再開計画を提示し,そのための支援をお願いしてきた。その結果,この問題について私たちは前進してきた。しかし,今,ジョージ・フロイド氏の死によって,複数の問題が混ぜ合わさって私たちの目の前に立ちはだかり,それらによって国が分断されている。

・この危機を乗り越えるためには,2つの問題を分けて考える必要がある。第一に新型コロナウイルスに関する問題である。昨6月1日の総入院者数は3121人と5日連続4000人を下回り(50日連続減少),一日の入院者数(直近3日間平均)も154人と7日連続200人を下回った。また,同日の死者数は58人と8日連続100人を下回った。さらに,経済社会活動の再開について,ウエスタンNYが本6月2日から,キャピタルリージョンが明日6月3日から再開の第2段階へと移行するし,NY市も6月8日(月)に再開の第1段階へと移行する見通しである。このように,新型コロナウイルスの問題に関してはうまく対処してきた。

・第二の問題は,ジョージ・フロイド氏の死によって引き起こされた怒りに基づく抗議活動と犯罪行為・略奪に関する問題である。抗議活動と犯罪行為は分けて考えなくてはいけない。抗議活動に参加する人は怒って良い。彼らの抗議活動は平和裏に実施されているし,今まで解決されなかった問題の解決を求めているだけである。ジョージ・フロイド氏の死に向き合うためには,独立機関が調査を実施し,過去の懲戒記録を公表するべきであるし,さらには,教育を施し,子供の貧困をなくすべきである。これらの問題に連邦議会は対応すべきである。

・一方,犯罪行為・略奪は抗議活動とは全く違う。便乗主義者(Opportunist)が,抗議活動を利用して搾取しており,結果として,NY市が略奪されている。ブロンクス,ブルックリン,マンハッタンの店舗が破壊された。警察官はコミュニティと資産を守らなければならない。しかし,昨夜,NY市の警察官はその役割を十分に果たさなかった。

・もう一度繰り返すが,抗議活動と犯罪行為は区分したうえで,犯罪行為については直ちに止めなくてはならない。特にNY市の被害が大きいので,週は州警察と13000人の州兵を待機させておりすぐに派遣できる。

・オルバニー市,バッファロー市,シラキュース市,ロチェスター市,NY市といった都市が外出禁止令を発出している。外出禁止令の目的は,警察官が略奪を止める手助けすることであって,抗議活動者を抑圧・威圧することではない。しかし,残念ながら,NY市は昨夜外出禁止令を発出したものの,略奪を止めることはできなかった。

・不幸なことに,今,様々な事柄が混在してしまっている。新型コロナウイルスが一つの事柄であり,ジョージ・フロイド氏の死に端を発した怒りも一つの事柄である。また,抗議活動も一つの事柄であり,それとは全く違う事柄として犯罪行為・略奪がある。今の時期は選挙もあり政治的な思惑もあるが,抗議活動と略奪を混ぜてはいけない。全く違う事柄である。ジョージ・フロイド氏の死については,多くの白人も怒っているし私も怒りを感じている。

・今夜,抗議活動に参加する方々には,私たちは現在新型コロナウイルスのパンデミックの真っただ中であり,来週月曜日にはNY市が再開する見通しであることを考えてほしい。怒ってはいけないと言っているわけではない。行動に責任を持ってほしい。このような抗議活動は新型コロナウイルスの感染拡大を助長してしまう。新型コロナウイルスは過ぎた危機ではなく,今,まさに直面してる危機なのである。

・私たちは正しい形で怒りを表し,格差をなくし,コミュニティや資産を守らなければならない。そして,新型コロナウイルスの拡大を止めなくてはいけない。これらは全て異なる事柄ではあるが,同時に立ち向かわなければならない。今まで賢明に対応してきた私たちにはそれができる。

◎(NJ州)マーフィー知事のメッセージ(6月2日)

・感染者1人が何人に感染させるかを示す「実行再生産数」について, 自宅待機令を発出した3月21日時点では,5.31であったのが,5月30日時点では0.88にまで下がった。手洗い,ソーシャル・ディスタンシング及びマスク等を身につけることが非常に効果的であることを示している。しかし,10万人あたりの入院者数は全米1位,1日の死者数は2位と,NJ州は全米トップクラス。経済活動が徐々に再開しても,引き続き,感染拡大防止の取り組みを継続してほしい。

・ジョージ・フロイド氏の死は,不平等と人種差別の痛ましい出来事である。この痛みは皆で共有する。本日は州内各地で21の抗議デモが予定されている。参加する場合は,マスク等を身につけること,また平和的に行うことを守ってほしい。

・カラハン州警察長官より,昨日のアズベリーパークの抗議デモでは12人の逮捕者が出た。アズベリーパーク以外のデモは平和的に行われた旨報告されました。

・パーセケリー州保健局長より,小児多臓器系炎症性症候群 (Multisystem Inflammatory Syndrome in Children (MIS-C))について,32件となり,昨日から1件増えた。7人が入院中,これまでのところ死者はいない旨報告されました。

◎(DE州)カーニー州知事のメッセージ(6月2日)

・ジョージ・フロイド氏の事件についての州民の怒りとフラストレーションを共有する。抗議活動は5月30日の昼は平和的だったが,同日夜から暴力的状況が始まった。同日夜にラジオで状況を聞いていたとき,州内の多くの若者を声を聞き,州知事として心が痛み,かつ過去のことを思い出した。この問題は今に始まった問題ではない。自分が州知事になる前に連邦議員だった時に,ミズーリ州でマイケル・ブラウン射殺事件が起こった。コロナウイルスについても,人種により影響が異なるという現実がある。自分は,父が公立学校の教師であったこともあり,小さい頃から教育こそがこの問題を解決する鍵となるとの父の教えを聞いていた。連邦議員時代や州知事時代も,この問題に取り組んできたが,未だに進展がないことに多

くの州民と同じフラストレーションをおぼえる。昨6月1日,ドーバー市のシーフォードやリホボスビーチ市で行われた抗議活動は比較的平和的なものだったと承知している。民主的手段により進展が得られなければならない。

・6月15日(月)午前8時から経済再開の第二段階をはじめる予定。詳細は後ほど発表するが,第二段階では,今まで消防基準の30%以下としている人数制限を60%まで引き上げる予定である。また,チャイルド・ケアも全ての家庭が利用できるようにする。

・(ラテイ保健局長より)サマーキャンプやサマースクールが開始される。子供のマスクの着用についてのガイドラインを説明したい。2歳以下の子供はマスク着用禁止である。2歳から4歳は可能であればマスク着用を推奨,5歳から12歳はマスク着用を強く推奨,13歳以上はマスク着用が義務である。小さい子供がマスクをつけることで顔や鼻を余計に手で触れるようであれば,無理をしてマスクをする必要はない。また,昼寝や屋外で十分な距離を取ればマスク着用の必要はない。

◎(WV州)ジャスティス知事のメッセージ(6月2日)

-昨日6月1日は,これまでで最も新型コロナウイルス陽性件数の累計率が低く,本日も2.03%と非常に良い数値が報告されている。陽性患者の快復傾向も上昇し,治療中の患者は継続して減少しており,期待していた効果が出ている。

-6月5日及び6日にはハリソン郡,オハイオ郡,マックドウェル郡にて無料の新型コロナウイルス検査が実施される。症状の有無に関わらず検査が可能であり,特にアフリカ系アメリカ人コミュニティにはこの機会を利用して欲しい。

◎ビジネス関連情報

各州等のビジネス関連情報は以下をご覧ください。

【感染者数等に関する情報】

 6月2日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)

○ニューヨーク州:

 感染者数373,040名(371,711名),死者数24,023名(23,959名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

  ニューヨーク市:

 感染者数204,377名(203,764名),死者数15,308名(15,283名)

   NY市の内訳

    クイーンズ区:         62,293名( 62,094名)

    ブルックリン区:        56,242名( 56,053名)

    ブロンクス区:         45,466名( 45,359名)

    マンハッタン区:        26,814名( 26,721名)

    スタテン島区:         13,562名( 13,537名)

 ナッソー郡:

 40,572名( 40,479名),死者数2,622名( 2,619名)

 サフォーク郡:

 39,980名( 39,705名),死者数1,957名( 1,954名)

 ウエストチェスター郡:

 33,633名( 33,552名),死者数1,506名( 1,501名)

 ロックランド郡:

 13,223名( 13,185名),死者数  463名(   458名)

○ニュージャージー州:

 感染者数161,545名(160,918名),死者数 11,770名(11,721名)

○ペンシルベニア州:

 感染者数72,894名( 72,282名),死者数 5,667名(  5,567名)

○デラウェア州:

 感染者数9,685名(  9,605名),死者数   373名(   368名)

○ウエストバージニア州:

 感染者数 2,041名(  2,017名),死者数   77名(    75名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:

 感染者数 15,776名( 15,709名),死者数1,287名(1,288名)

○プエルトリコ:

 感染者数  3,935名(  3,873名),死者数 138名(   136名)

○バージン諸島:

 感染者数    70名(     69名),死者数   6名(     6名)

【NY市主催偏見や憎悪犯罪の報告に関するイベントの延期】

 6月4日(木)に予定されていたNY市主催の偏見や憎悪犯罪の報告に関するイベントは,現在市内で実施されている抗議活動の影響により延期となりました。開催日時が確定した際には改めてご連絡いたします。

【当館所在ビルへの入館に際してのご注意(マスク等の着用)】

 当館が所在するビルでは,入館者に対してビル内公共スペースにおいてマスクの着用を求めております。このため当館にご来館される際にはマスクの着用をお願いします。

【領事窓口業務の一時的変更及び予約制の導入のお知らせ】

◎当館は以下のとおり領事窓口時間を延長するとともに,予約制を導入しています。ご来館予定の方におかれては,事前の予約をお願い申し上げます。

1 領事窓口の業務日

  月曜日,水曜日,金曜日(除,休館日)

2 受付時間

  09:30~13:00

  (ビザ(査証)申請受付:12:00~13:00)

3 予約方法・電話番号

 以下の予約専用電話番号にお電話の上,予約をお願いします。なお,電子メール等による予約は受付けておりません。

 予約専用電話番号: (212)371-8222 内線486

 予約受付時間: 月曜日~金曜日の09:30~16:00(除,休館日)

  注:4週間分の予約を受け付けております。

 現在,予約受付については午前中にお電話が集中し,午後は比較的少ない傾向にあります。また,予約電話で対応中は,お電話をいただいても呼び出し音が鳴り続ける状態となるため,このような場合には時間を改めておかけ直しいただきますようお願いいたします。詳細は以下リンク先をご参照ください。

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。

 ご不明な点ありましたら当館までご連絡をいただきますようお願いします。(電話:212-371-8222)

【医療関係情報】

◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。

・新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-refs.html

・ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)。

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

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【在ニューヨーク日本国総領事館】

・住所: 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

・TEL: 212-371-8222

・FAX: 212-319-6357

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

【地球の歩き方】では、2013年から、ワシントンDC周辺はじめアメリカ各地の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けしています。

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