NY州における子どもの感染症と新型コロナウィルス関連情報(5月12日)

公開日 : 2020年05月12日
最終更新 :

5月12日付の在ニューヨーク日本国総領事館のお知らせが届きました。NY市の新型コロナウィルス感染症による入院者数は減少しているようですが、「川崎病やtoxic shock-like syndromeに似た症状で新型コロナウイルスとの関連が疑われる症例約100件を調査している。この症状により州内で3名(5歳と7歳の男児、18歳の少女)が亡くなった。州内の全ての病院に対し、同様の症状が出た子供を優先的にウイルス検査の対象とするよう勧告する。(引用」」という記述があります。NY州の川崎病に似た症例の内訳及び医師にかかる基準も掲載されていますのでご参照ください。

NYC Nightview.png

以下、5月12日付の在ニューヨーク日本国総領事館のお知らせを引用掲載します。

***

【州政府等による措置等のポイント】

(注)各州政府の措置等についても,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎クオモ知事のメッセージ(5月12日)

- 昨5月11日の総入院者数は7063人と4日連続で8000人を下回り(29日連続減少)、一日の入院者数(直近3日間平均)も401人と2日連続500人を下回った。また、同日の死者数は195人と2日連続200人を下回った。

- 川崎病やtoxic shock-like syndromeに似た症状で新型コロナウイルスとの関連が疑われる症例約100件を調査している。この症状により州内で3名(5歳と7歳の男児、18歳の少女)が亡くなった。州内の全ての病院に対し、同様の症状が出た子供を優先的にウイルス検査の対象とするよう勧告する。

- 経済社会活動の再開については、感情や政治ではなく、データ、事実、疾病予防管理センター(CDC)の再開基準に従い、再開を急いだ他国(中国、韓国、ドイツ)や他州の失敗から学ぶべき。また、各地域が主導し、住民が参加することが重要であるので、データと事実を州民に提供し透明性を確保すべき。

- 各地域の司令室は、ウイルス検査率(+追跡の実施)、抗体検査数、入院率+空き病床数、感染率(実効再生産数)を管理するとともに、企業の安全予防措置の遵守も監視するサーキットブレーカーとしての役割を果たす。そのうえで、各地域の基準達成状況は下のサイトで確認できる。これが透明性を確保するということである。

*各地域の達成状況:forward.ny.gov/regional-monitoring-dashboard

*各地域の指令室のメンバー:

https://www.governor.ny.gov/sites/governor.ny.gov/files/atoms/files/Regional_Control_Room_Members_05_11_20.pdf

- 全米の各州は、経済社会活動の再開を進めているが、連邦政府からの支援を必要としている。このため、本5月12日、ホーガン全米知事協会会長(メリーランド州知事(共))と私(クオモ全米知事協会副会長(NY州知事(民))は、連邦政府から全米各州への支援を求める共同声明を発表する。

- 次回の連邦政府の支援策は、州と地方政府、労働者世帯、州の検査・追跡等に助成すべきである。

- NY州は連邦政府から610億ドルが必要としている。この支援がなければ州内の学校、地方政府、病院の予算を20%ずつ削減する必要が出てくる。

- 既に発表しているが、企業が今次パンデミック前と同じ数の従業員を雇用しなければ、連邦政府の補助金を受けることができないという「The Americans First Law」を改めて提案したい。この法案につき、NY選出の連邦下院議員(注)と議論し彼らの理解を得た。彼らはこの法案を連邦議会に提案する。

(注)The Americans First Lawの内容に賛同し、連邦下院で共同提案する予定のNY州選出の連邦下院議員(全員民主党)は次のとおりです。

*トーマス・スウォージ(3区)

*グレゴリー・ミークス(5区)

*グレース・メン(6区)

*二ディア・ベラスケス(7区)

*ハキーム・ジェフリーズ下院民主党議員総会議長(8区)

*イベット・クラーク(9区) 

*キャロライン・マローニ下院監視・政府改革委員会委員長(12区)

*アドリアーノ・エスパイヤット(13区)

*ホセ・セラーノ(15区)

*エリオット・エンゲル下院外交委員会委員長(16区)

*ポール・トンコ(20区)

◎(NY州)川崎病に似た症例の内訳及び医師にかかる基準

・本日発表された100件の症例の内訳は次のとおりです。

- 1歳未満:5%

- 1歳から4歳:18%

- 5歳から9歳:29%

- 10歳から14歳:28%

- 15歳から19歳:16%

- 20、21歳:4%

・州は、子供を守るため、以下の症状がある場合、早めの医師の診断を受けることを推奨しています。なお、コロナウイルスの通常の症状である呼吸器症状が出ないとされています。

- 5日間以上長引く高熱

- 母乳を飲まない・水分を取らない

- ひどい腹痛・下痢・嘔吐

- 顔色が悪いなど、肌の色の変化

- 息切れ・過呼吸

- 動悸・胸痛

- 乏尿・頻尿

- 倦怠感・過敏症等

◎(NY市)デブラシオ市長のメッセージ(5月12日)

- 検査体制拡大のため、新たな検査センター12か所(注)を立ち上げる。これで現在1万4000件/日の検査数に、1万700件/日が追加され、5月中に2万件/日の目標を達成する見込みである。

- 川崎病に似た症状の小児性多臓器系炎症性疾患(Pediatric Multi-System Inflammatory Syndrome)の発症は市内で52名(そのほか、10名の結果待ち)となった。発症者のうち25名はウイルス検査で陽性を示し、陰性だった患者のうち22名は抗体を持っていた。主な症状は継続的な熱、発疹、腹痛、嘔吐であり、このような症状が出た場合には直ちに医師に連絡をして欲しい。医師が見つからない場合は311まで連絡をして欲しい。また、予防のためには、手を良く洗いコロナウイルスに触れないようにしてほしい。

- 再開について、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が本日発した、時期尚早な経済社会活動の再開による感染再拡大への懸念に同調する。今の入院者数等を鑑みるとNY市は5月に再開できない。6月になって状況を再度検証することになる。

(注)今後開設予定の検査センターは次のとおりです。

- 5月18日の週(2箇所)

マンハッタン:Washington Heights

ブルックリン:Midwood

- 5月25日の週(10箇所)

クイーンズ:Woodside

マンハッタン:East Harlem

ブルックリン:Sunset Park, Bay Ridge, Canarsie

ブロンクス:Fordham Manor, Melrose

スタテン島:Prince's Bay, Concord, Port Richmond

◎(NJ州)マーフィー知事のメッセージ(5月12日)

《現状・データ》

- 昨日1日の新規入院者数は250人であり、新規入院者数はピーク(869人(4月10日))から71%減、4月27日(446人)から44%減。昨日1日の新規感染者数は1572人であり、ピーク(4064人(4月4日))から61%減、4月27日(3111人)から49%減であり、その他の入院者数、ICU患者数、人工呼吸器の使用数、1日の死者数も確実に減少傾向にある。しかし、10万人あたりの新規感染者数、患者の入院者数及び1日の死者数を見るとNJ州は近隣や他の大きい州(NY,CT,PA,CA,TX州)に比べ高く、全米の中でも新型コロナウイルスのダメージを最も受けている州の一つであることを忘れてはならない。したがって、手洗いの徹底、ソーシャル・ディスタンシング等を続けてほしい。

《検査・接触者追跡》

- 今月末までに、1日の検査数を20000件とすることを目標としたい。3月末は6000件、4月末時点で12000件を達成しており、5月末は20000件、6月末は25000件を目指す。感染リスクの高い者(高齢者など)、医療従事者等の必要不可欠な業種で働く者、感染の疑いまたは感染者と長く接触した者を優先的に検査できるような体制をとる。州保健局は、右カテゴリーに含まれるものの、プライマリー・ケア(かかりつけ医)へのアクセスがない者が、医師の処方箋がなくとも検査を受けられるようにする規則を策定する予定。

- 州保健局は、州内の全介護施設の入居者及びスタッフに対し5月26日までにウイルス検査を受けることを求める行政命令を発出する。

- 接触者追跡に関し、NJ州はDimagiと契約し、DimagiのCommCareのプラットフォームを用いて接触者追跡等のデータを集約する。データ集約の中央化及び効率化を図るため、州保健局及び郡等の地元の保健局職員が同プラットフォームを用い、情報を集約することを求める行政命令を発出する予定。また州保健局は接触者追跡のため、ラッガーズ大学とMOUを結ぶなど、州政府は様々な機関と連携し接触者追跡の取組を強化していく。

- 接触者追跡の取組には、現在すでに800-900人のスタッフがいるが、少なくともさらに1000人の人出が必要である。関心があれば、州政府サイト(https://covid19.nj.gov/forms/tracer)を参照してほしい。

《州の経済活動再開》

- NY州とは違い、NJ州は小さく人口密度が高いので、地域ごとに再開の段階を区別することは考えていない。今は、州全体で統一したステップを取っていくことを考えている。

◎(PA州)レヴィンPA州保健省長官のメッセージ(5月12日)

- 長期療養施設(介護施設やパーソナルケアホーム等)での感染者が全体の多くを占めていることから,関係機関と協力してそのような施設の入所者とスタッフを対象として大規模な検査を実施することとした。検査は民間の研究所と州の研究所の両方で実施し,民兵も移動式の検査施設を運営する。

- また,長期療養施設入所者が感染のために病院に入院した場合,施設に戻る前に検査を受けることとした。また,長期療養施設においても,病院が使用しているのと同じ報告システムを使って感染者数・死者数を州に報告することとし,今月中にも集計した情報を公表したい。

・これらについての詳細は以下のサイトをご覧ください。

◎(WV州)ジャスティス知事のメッセージ(5月12日)

- 5月21日(木)から、大型店舗の再開を予定していることに関連し、昨日は大型店舗に屋内のモールは含まれないと述べたが、現在、屋内モールの関係者等含め、再開のガイドラインを検討中であり、最終的に専門家等が安全を確保できると判断できれば、屋内のモールの再開も予定する。

- 昨12日、6月8日から、接触の少ない屋外のスポーツ(野球など。接触の多いバスケなどは含まれない。)の再開を検討していることを発表したが、NYで子供が犠牲になっているケースが見られ、注視している。リトルリーグなどが再開できることを望むが、専門家等と状況を見つつ判断する。

- 3月23日にWV州では最初の感染者が確認され、新規感染者数について、3月24日及び3月25日は4人であり、直近の5月11日は6人、本12日は5人となっており、感染初期の状態に戻りつつあるといえ、良い傾向。WV州の改善している状況を見て、コロナのパンデミック前の状態(normal)に戻しても良いのではと考える人もいる。しかし、WV州には生活習慣病の患者や高齢者といった感染リスクの高い人が多く、一旦、ウイルスが蔓延すると医療崩壊が起き、多くの州民の命が奪われ、収拾のつかないことになる。したがって、まだ油断せずに、自宅待機、ソーシャル・ディスタンシング、手洗いの徹底等を続けてほしい。

◎(DE州)カーニー知事のメッセージ(5月12日)

・感染者数は6,741人と引き続き増加傾向にはあるが、現在の入院者数は276人、新規入院者は減少している。重症化する人が減少していることは良い傾向である。総検査数に占める陽性者率も最大数は30%以上あったのがここ数日は12%まで下がっている。PPE(個人防護具)も医療用ガウン以外の在庫は十分ある。

・デラウェア州は公衆衛生と経済のバランスを取りながら、安全な形で経済再開していく。新しい段階へ移行するために、検査を強化する。月8万件の検査実施を計画。特に介護施設の全入居者及びスタッフが検査を受けられるようにする。今後、経済再開に伴い人の移動も増えて行くことになる。検査・追跡・隔離の体制を確立が急務。接触者追跡のための要員を今後200人新たに雇用する。一部の州兵にも訓練を行い追跡要員となってもらう。

・既に5月8日に小売店や美容室などの一部再開を許可している。5月15日からはファーマーズ・マーケットが再開される。6月1日を経済再開計画の第一段階の目標としているが、ビーチ、宿泊施設、州外からの訪問者受入れを許可できるかどうか、未だ議論を行なっている。

・いずれにせよ、経済再開したとしても、引き続きソーシャルディスタンシング及び手洗い・マスクなどの適切な衛生措置をお願いしたい。

◎(DE州)コロナウイルス陽性者の追跡員の募集について

・デラウェア州では、コロナウイルス封じ込めのための月8万件を目標とした州検査計画に関連し、検査で陽性と判明した人の接触者追跡調査を行うための要員を募集すると発表しました。募集方法は近日中にde.gov/coronavirus で発表するとしています。

詳細は下記のウェブサイトでご確認いただけます。

◎(DE州)自営業、独立請負業者、ギグワーカー等の失業保険申請開始について

・デラウェア州労働局は、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)で一時的に給付対象者に加わった、自営業、独立請負業者、ギグワーカー等の失業保険の申請方法を明らかにしました。詳細は以下のウェブサイトでご確認いただけます。

◎ビジネス関連情報

・各州等のビジネス関連情報は以下をご覧ください。

【感染者数等に関する情報】

  5月12日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)

○ニューヨーク州:

 感染者数     

 338,485名(337,055名),死者数  21,845名(21,640名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

  ニューヨーク市:

 感染者数     

 186,123名(185,357名),死者数  14,299名(14,200名)

   NY市の内訳

    クイーンズ区:         57,391名( 57,180名)

    ブルックリン区:        50,331名( 50,072名)

    ブロンクス区:         41,441名( 41,296名)

    マンハッタン区:        24,191名( 24,062名)

    スタテン島区:         12,769名( 12,747名)

 ナッソー郡:

 38,434名( 38,337名),死者数   2,453名(2,425名)

 サフォーク郡:

 37,062名( 36,911名),死者数   1,704名(1,689名)

 ウエストチェスター郡:

 31,472名( 31,384名),死者数   1,360名(1,349名)

ロックランド郡:

12,504名( 12,484名),死者数     427名(  421名)

○ニュージャージー州:

 感染者数140,743名(139,945名),死者数 9,508名(9,310名)

○ペンシルベニア州:

 感染者数 57,991名( 57,154名),死者数 3,806名(3,731名)

○デラウェア州:

 感染者数  6,737名(  6,565名),死者数  235名(  225名)

○ウエストバージニア州:

 感染者数 1,371名(  1,366名),死者数  57名(   54名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:

 感染者数13,488名(13,312名),死者数 1,046名(1,034名)

○プエルトリコ:

 感染者数  2,299名(  2,256名),死者数 114名( 113名)

○バージン諸島:

 感染者数 69名( 69名),死者数    6名(   5名)

【医療関係情報】

◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。

・新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。

・ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)。

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

【領事窓口業務日及び受付時間,検温,マスク等の着用について】

◎在ニューヨーク日本国総領事館では,現在,領事窓口の業務日を月・水・金(除,休館日)の週3日とし,受付時間を10時30分-13時に短縮しています(査証(ビザ)の申請受付については12時-13時)。なお,電話でのお問い合わせは月曜-金曜まで受け付けております。また,ご来館の際にはマスク着用をお願いするとともに,ご来館時に当館ビル1階受付にて検温(摂氏37.5度以上の場合は入館をお断りしています。)を実施しております。

詳細は以下リンク先をご参照ください。

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。

 御不明な点がありましたら当館まで御連絡をいただけますようお願いします。(電話:212-371-8222)

▪   ▪   ▪

【在ニューヨーク日本国総領事館】

・住所: 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

・TEL: 212-371-8222

・FAX: 212-319-6357

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

【地球の歩き方】では、2013年から、ワシントンDC周辺はじめアメリカ各地の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けしています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。