【今月のお題：ねばねばした食べ物】といえば？アメリカの料理では、あ・れ！(レシピもどうぞ☆）

公開日 : 2015年12月30日

最終更新 : 2015年12月30日

筆者 : 舞林鳥　恵

　日本語で「『ねばねばした食べ物』は？」と訊かれたら、直ぐに思いつくのは「納豆」とか「とろろ芋」とかでしょうか。英語圏で暮らす人々に納豆を食べてもらって「一言で食感を言い表してください。」と訊いてみたら、答えとして「スティッキー(sticky)」「ストレイニー(strainy)」「スライミー(slimy)」のうちのどれかが返ってくるに違いありません。ただ、牡蠣を食す習慣のあるアメリカ東部の人々が、生牡蠣を「スライミー」と表現したり、子どもたちが「わたあめはスティッキー」と言い表すことを考えると、私達日本人が思いつく納豆のねばりやとろろのとろっとした感触を言い表す言葉とは微妙にニュアンスが違うように思います。アメリカの料理に、ねばねばした材料が使われることは少ないので、アメリカで「お宅では、ねばねばした食材を使いますか。」と訊いてみると、ほとんどの主婦からは「全然使わない」という返事が返ってくるかもしれません。また、アメリカ国内では、もしかすると納豆もとろろも、日本やごく一部のアジアの国々、また、愛好家の人々以外の家庭では、あまり使われることがないかもしれません。

　そんな中、「オクラ(okra)」だけは、アメリカの南部の料理ではよく使われる「ねばねばした食材」の代表選手。特にルイジアナのクレオール料理の「ガンボ(Gumbo)」にはよく使われますし、オクラを揚げた「フライド・オクラ」も絶品です。サッサフラス(sassafras albidum)の葉を粉にしたフィレ・パウダー(file powder)を使わない場合、ガンボのとろみは「オクラ」で出すのです。

　定番のクレオール風のガンボは、魚介類か鶏肉でスープをとり、玉ねぎとセロリとベルペッパー(ピーマン)の3種類の野菜をベースにして肉、ソーセージ、エビなどを使って煮込み、フィレパウダーかオクラでとろみを出しますが、最近我が家では、トーファーキー(Tofurky)のソーセージを煮込んだ「ベジタリアン・ガンボ(スープ)」が大活躍しています。トーファーキー社のイタリアンソーセージを使うので、ルイジアナのクレオールに所縁のあるフランスからちょっと離れてイタリア(笑)へ南下してしまいますが、それでも、本格的なガンボにかなり近いお味が楽しめますので、ベジタリアンの方には、おすすめです！

【ベジタリアン・ガンボ(スープ)】

●オリーブオイル　?カップ

●玉ねぎ　みじん切り1カップ

●セロリ　みじん切り3本

●ベルペッパー　角切り1カップ

●人参　角切り　2カップ

●パースニップ　角切り　1カップ

●オクラ　輪切り　2カップ

●トマト(大)　角切り　3個

●トーファーキー・ソーセージ　輪切り　4本

●市販の野菜のだし汁　4カップ

●カイエンペッパー　大さじ1/2(お好みで加減してください。)

●クーミン　大さじ1

●パプリカ　大さじ1

●オレガノ　大さじ1

●塩とブラックペッパー　少々

1. オリーブオイルで玉ねぎのみじん切りを飴色になるまで炒め、ベルペッパーとセロリを加え弱火で5分炒める。

2．残りの野菜を加え中火でかき混ぜながら炒め、輪切りにしたトーファーキー・ソーセージを加え、弱火で加熱(トーファターキーのソーセージが焦げ付かないよう注意してくださいね。)。

3．出し汁を加え、スパイス、塩、コショーを加え、約40分間煮込む。

　気分によって、グリーンビーンズを入れることもあります。トマトの湯むきはお湯をかけるだけで簡単にできますが、湯むきはしないでカットしたまま入れてしまってもOKです。ご飯といっしょに頂いたり、ごはんを入れてリゾット風にしてしまっても美味です。お時間がありましたら、ぜひお試しくださいね。ちなみに、オクラは最寄りのスーパーでお買い求めになることが出来ると思いますが、メリーランド州では、エリコット市のHマート(H Mart)ですと、確実に手に入りますよ。