しめやかな仏事に出会える満月の日
今年7回目の満月の日は7月15日です。この日はカオ・パンサーと呼ばれる仏事の執り行われる日で、ここビエンチャンの名刹シームアン寺院も朝早くから参詣者であふれます。この日に限らず、ラオスの旅に満月が重なる日があったら、宿の近くのお寺に行ってみてください。ビエンチャンなら庶民に一番人気のあるなシームアン寺院がおすすめです。きっとしめやかな祈りのシーンを観ることができます。
7月15日に参詣者が持参するカン(お鉢)の中にはこの日から雨季修業に入る僧侶たちに捧げる供物が盛られています。缶詰やお菓子などの食料をはじめ、石鹸や歯磨き粉や懐中電灯まで、ありとあらゆる生活用品が詰まっています。
お寺の門前では前日に用意しておけなかった忙しい人のために、プラスチックのバケツに詰め込んだ托鉢セットが売られています。
カオ・パンサーとは僧侶たちが修行に入ることを意味します。毎年雨季7月の満月の日に始まる「雨安居(うあんご)」の修業は3か月に及びます。その間、僧侶たちはほかの寺に泊まりに行ったり、ほかの村に出かけることができません。
古来、生き物たちが勢いよく生長する季節に、生きものを踏みつけたり田畑の作物を傷めないよう、静かに寺の中で修業することが僧侶の勤めの一つです。
カオ・パンサーの日から3ヶ月ほどは結婚式などの華やかな行事は差し控えられます。雨安居の時期に男の子をお寺に住まわせて、短期間の出家をさせる家庭は多いので、剃りたての青白い頭をしたにわか坊主をよくお寺で見かけます。出家は男の子の通過儀礼のひとつで、一生に一度はお寺で修業する習わしです。
ラオスの政治経済は今では西暦で運営されていますが、人口630万人の80パーセントが農業に従事しているラオスでは、さまざまな行事の暦は月の満ち欠けに従った太陰暦(旧暦)に基づいて行います。カレンダーには満月の日は赤丸、新月の日は黒丸、半月の日は赤と黒の半月が付けられていて、これらの日は仏事の日です。特に満月に日にお寺に行くときっと何かの行事を観ることができます。
カオ・パンサー(入り安居)の後の3回目の満月に日に、今度はオーク・パンサー(出安居、であんご)と呼ばれる修業の終わりを祝う仏事が、始まりの日と同じように各地のお寺で執り行われます。
今年の出安居は10月12日です。7月15日のカオ・パンサーより華やかに、そして賑やかに修行の終わりを祝います。
オーク・パンサーの翌日、ビエンチャンでは大がかりなボート祭りがメコン川で開催されます。
(写真はすべて昨年のものです)
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