全長7.5kmのコンロー洞窟探検ツアー

公開日 : 2010年10月12日
最終更新 :
コンロー洞窟ギャラリーハイライト.jpg

雨季が明けるとともにビエンチャンの観光庁インフォメーション・センターを訪れるツーリストが増えてきました。今年はコンロー洞窟の質問が目立ちます。10月に入って私が対応したおよそ50人の来訪者のうち、10人ほどがこの洞窟の行き方や宿の情報を求めてきました。おおむねは欧米人で、日本人でコンロー洞窟の質問をしてきた人はゼロです。

私は昨年、この洞窟に行ってきました。今回はその体験記をお伝えします。

コンロー洞窟への道.jpg

コンロー洞窟(Tham Kong Lor)はラオス中部、カムアン県の切り立った山の中にあります。ビエンチャンから公共のバスを乗り継いで7時間、ツアー・バスでも6時間はかかります。ラオスの秘境のひとつに数えられていますが、日本などの支援で2008年にコンロー村までの舗装道路が完成しました。おかげで、乾季ばかりか雨季も、欧米からのトレッカーが訪問するエコ・ツーリズム・サイトになりました。

コンロー洞窟入り口.jpg

ここが洞窟の入り口です。絶壁の下からヒン・ブン川のきれいな水が流れ出ています。入り口の川幅は50メートルですが、ひさしのように張り出した圧迫感のある岩の裂け目に入るのはちょっとスリリングです。石灰岩の岩山を貫くこの洞窟の全長は7.5km、高さもところによっては100メートルにおよびます。

コンロー洞窟カナダ人ふたご姉妹.jpg

船外機付きの定員3人用ボートがトレッカーを待っていました。同乗者は元気いっぱいの双子のカナダ人姉妹(67歳!)です。

舳先の先導役とうしろの舵取り役の2人のガイドがつきます。船外機のエンジンがスタートし、舟先の水を切る音が洞窟内にこだまして、いよいよアドベンチャー・トリップの始まりです。

コンロー洞窟小舟は進む.jpg

わずか100メートルも進んだところで、ついに外界の光は届かなくなり、頼りは舳先ガイドのヘッド・ライト。光量はごくささやかで、いったい天井はどのくらいの高さなのか、左や右の壁はどんな形をしているのか定かではありません。手にしたフラッシュ・ライトで天井を照らし出すと、光が届かない行く手には星の瞬く夜空が広がっているような錯覚に陥りました。

コンロー洞窟ギャラリー.jpg

10分後、2キロほど進んだあたりで壁が照らし出されました。20メートルほど斜面をよじ登ぼるとラオスの寺院を思い起こさせるカラフルな空間が立ち現れました。

紫や赤や白色灯にライト・アップされた鍾乳洞の巨大彫刻ギャラリーです。自然が創造した複雑な造形に目を見張ります。石灰岩が溶け出して天井から釣り下がった鍾乳石や地上に落ちて積みあがった石筍(せきじゅん)が各所で見られます。

コンロー洞窟の浅瀬.jpg

進むにつれて洞窟を渡るさわやかな風が心地よくなってきました。やがて行く手に騒がしい水音が響き始めました。ガイドさんが舟を降りるよう手招きしています。あたりは30センチほどの浅瀬で、向こうに50センチほどの段差があります。

舟底を擦るように進んできた小舟はこの落差を越えられません。舟より先に小さな滝をまたいで渡り、ガイドが押してきた舟に乗りなおしました。ちょっとした探検隊気分です。

コンロー洞窟出口.jpg

暗闇の中、肌寒さを覚え始めたころ、遠くに光の窓が現れました。新鮮な森のにおいが漂ってきます。洞窟に突入してから1時間、ようやく出口です。

コンロー洞窟折り返しの昼食.jpg

洞窟の上流にはナ・タン(Na Tan)村という小さな集落がありました。ここで持参したお弁当を食べながら小休止。村には何もありません。村人はひっそりと農作物を作り、川魚を獲って暮らしています。いろいろな国からトレッカーがやってくるようになったので、ホームステイをやるようになりました。

コンロー洞窟出口の村の子ども.jpg

大人もこどもも人懐こくて、お弁当を分けてあげたら、写真のモデルになってくれました。

(旅のアドバイス)

★旅のプラン

コンロー洞窟欧米人.jpg

コンロー洞窟探検ツアーは朝コンロー村を出発して、洞窟の出口で昼食をとり、また同じルートを戻る。往復と洞窟内の探検を含めると4時間はみておきましょう。定員3人のツアー代金は20ドル~30ドルです。

ビエンチャンから出発するとコンロー村への片道所要時間はおよそ7時間。その日はナ・ヒン村に宿泊して、次の日にアドベンチャー・トリップに参加するのがいいでしょう。帰りは午後発となり、ビエンチャンには夜着くことになります。

これで問題はありませんが、少しい忙しい。近隣はヒン・ブン山自然保護区(Pho Hin Bun National Protected Area)で、滝あり、石の森(Stone Forest)あり、清流ありのすばらしいトレッキングが楽しめます。できれば2泊3日の日程でプランを組むのが適当です。

コンロー洞窟サラ・ヒンブンコテージ.jpg

◎コンロー洞窟の宿

コンロー洞窟の近くには5軒のゲストハウスがあります。お奨めの宿はサラ・ヒンブン(Sala Hine Boun)エコ・ロッジ。幅50メートルほどのヒン・ブン川に面したデラックス・ロッジ2棟(River View Residence 5室、23ドル~28ドル)とスタンダード・ロッジ3棟(Studio Residence7室、15ドル~18ドル)それにレストラン棟からなっています。

木造のロッジが基調で、決してデラックスな宿とは言えませんが、清潔で庭も広い。ここからコンロー洞窟入り口まで7キロの往復ボートも手配してくれます。ビエンチャンで売られている欧米ツーリスト用のパッケージツアーにはこのサラ・ヒンブンをセットしたものもあります。

コンロー洞窟バンガロー.jpg

もうひとつのサラ系ロッジがサラ・コンローです。同じくヒンブン川に面していますが、こちらは洞窟の入り口まで3キロと近い。バック・パッカー向きの小さなバンガローが4棟、9部屋で宿泊費もヒンブンより安い(8ドル~18ドル)です。

このほかに、8号線上のナ・ヒン村には2009年7月現在、ナ・ヒン村のゲストハウスは3軒だが、すでにナ・ヒン村に2軒のゲストハウスが建設中でした。

◎トレッキング・ツアー情報

コンロー洞窟のアドベンチャー・ツアーは道路がよくなったおかげで雨季でもツーリストが来るようになったので、一年中実施しています。乾季の11月から4月頃までは水位が低くなり途中で浅瀬に乗り上げてしまうので、舟に乗ったり降りたりしなければ進めない部分があります。川の中のトレッキングだと思えばいいでしょう。

コンロー洞窟を含む地域はプー・ヒンブン自然保護区(Phou Hin Boun National Protected Area)で、グリーン・ディスカバリー旅行社などがトレッキング、サイクリング、カヌーイングを組み合わせた2泊3日のツアーを販売しています。

8号線上のナ・ヒンには立派なツーリスト・インフォメーション・センターがあり、洞窟トレッキングとホームステイまたはゲストハウスをセットしたツアーを出しています。

◎コンロー村へのバス

-ビエンチャン南バスターミナルからサバナケットやパクセー行きに乗り、

ビエンカムへ250キロ、4時間、55000キープ。

-乗り合いトラック(ソンテウ)でナ・ヒン村へ70キロ、1時間30分、25000キープ程度。

(ビエンチャンからラクサオ行きに乗ればナ・ヒン村に直行できる。55000キープ)

-ナ・ヒンからは客待ちのソンテウで50キロ、1時間、2~30000キープ程度。

つまり公共交通を使ってもビエンチャンからは片道7時間、10万キープ程度でたどり着ける。

(値段はすべて2009年のデータです)

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。