ベルヴェデーレ宮殿にあるクリムト名画《接吻》

公開日 : 2020年02月11日
最終更新 :

正面階段を上がり、大広間をたっぷりと堪能したあとに向かったのが、今回の主目的であるクリムト絵画。久々に名画と対面すべく、こちらまで直行しました。

Klimt-kuss-2020-800.JPG

センシュアルながらも、なぜか神々しい名画は未だ健在でした!!!

この写真では、金箔のまばゆい煌めきがまったく伝わらないのが残念でなりません。

シェーンブルン宮殿同様こちらの入館料も値上がりし、上宮は現在16ユーロとなっていますがこの絵を見られただけでも十分です。

あと、久しぶりだったので驚いたのですが、最近は写真撮影が許可されているのですね。

以前はたしか禁止だったような気がするのですが。

そのお陰で今回こうして写真に収めることができましたが、入口から一緒になったアジア人団体(日本人ではありません)の写真撮影がすさまじかったです。私が順番を待ってようやく中央を陣取ったのに、そのポジションをすぐにでも譲ってほしい人々に前後左右からどつかれたり、足で蹴られたりして散々な目に遭いました......。

気を取り直して、ほかのクリムト作品を見学に行きます。

Klimt-Judith-2020-640.JPG

こちらも代表的な作品、《Judith(ユディット)》。

ユディットは旧約聖書に登場する人物で、彼女の町を侵攻した敵国の軍司令官ホロフェルネスを誘惑したのち、寝首を掻いたことからファム・ファタールの原型となったそうです。一見どこまでもゴージャスな絵画なのですが、よく見るとユディットの手には生首が描かれており、彼女の恍惚とした勝利宣言ともいえる表情と相まってかなり不気味です。

また照明の当たり具合のせいなのか、こちらの写真ではなぜか《接吻》よりもゴールド使いが大胆に感じられます。実際は《接吻》の方がずっと大きくて迫力があるのですけれどね。

Klimt-Fritza-Riedler-800.JPG

こちらはゴールドではなくシルバーが多用されたクリムト絵画《フリッツァ・リートラー夫人の肖像画》。柔らかな雰囲気の作品ですが、パンチの効いたクリムトの代表作品群と比べると、人物・配色ともにかなり地味目な仕上がりとなっています。

ほかにもクリムト作品が多く展示されていたので、クリムトファンであれば訪問必須の美術館です。エゴン・シーレの絵画もいくつか見かけましたが、退廃的な雰囲気・官能度合いともにクリムトをはるかに上回り、個人的には少々苦手な画家なので今回はスルーしました。

(エゴン・シーレが気になる方は、過去記事もどうぞ)↓

以前は《接吻》と双璧をなしたクリムトの《アデッレ・ブロッホバウアー夫人の肖像画》がベルヴェデーレ宮殿から姿を消したのはやはりショックでしたが、それでも見ごたえたっぷりの美術館であることには相違ありません。ウィーンには見どころたっぷりの美術館が目白押しですが、こちらのベルヴェデーレ宮殿もぜひお見逃しなく!

ほかにもクリムト関連の記事を過去に書いているので、ご参考までにどうぞ。

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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