芸術に造詣の深かったオイゲン公、彼の過ごした冬の宮殿とは?
ドイツ語ではPrinz Euten(プリンツ・オイゲン)の名で親しまれているオイゲン公ことオイゲン・フォン・サヴォイエン。
彼はフランスの貴族サヴォイア家出身の公子で、対オスマントルコのウィーン包囲をかわぎりに、ハプスブルク家の下で華々しい軍歴を重ねた人物として有名ですが、実は熱心な美術品や芸術の庇護者としての面も併せ持っていました。
彼が夏の離宮として過ごしたベルヴェデーレ宮殿(ウィーン3区)はよく知られていますが、数年前にリノベーションを経てオープンしたのが旧市街にある彼の冬の宮殿、"Winterplais"。
一昨日、息子がタイミング良くお昼寝をしたのをきっかけに、初めてこちらを見学してみました!
馬車が乗り付けられるエントランス右手の荘厳ならせん階段を上がると、2階にチケットオフィス兼お土産ショップがあります。
(ベビーカーや車椅子の訪問者のためにエレベーターも完備!)
オイゲン公が暮らしを営んだ建物の2階部分を見学できるようになっているのですが、私が訪れた際にはロス・アンジェラス出身のアーティスト、Sterling Ruby氏の作品とのコラボレーション展示がなされていました。
足を中に踏み入れると、バロックとモダンアートの融合といった体で、面白い・・・というか、荘厳華麗な宮殿内にジーンズや洗濯粉が吊り下げられているなど、コンサバな私にはアイディアが少々奇抜すぎて、ちぐはぐ感が否めず・・・。
この展示が終了したら、純粋なバロック芸術を味わいに再訪したいと思います。
こちらは黄金のキャビネット。モダンアートに侵食されていない(失礼!)、美しい空間でした。
天井までゴールドで煌びやかに飾り立てられた様が圧巻で、そのあまりの美しさに私も何度も何度も戻って見学してしまったほど。
このキャビネットの他にも、オイゲン公の個人用チャペルやロイヤルブルーに統一された寝室、彼の輝かしい軍歴の描かれた部屋に、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間を彷彿とさせるような眩いサロンなど、小ぶりな住居ながら非常に見ごたえのあるスポットでした。
Winterpalastはケルントナー通りからも歩いて2分ほどの立地と、アクセスも抜群。
個人的にはかなりお勧めですので、バロック宮殿に興味のある方はぜひ訪れてみて下さいね!
Winterpalais
住所:Himmelpfortgasse 8, 1010 Wien
開館時間:毎日10:00~18:00
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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