速報&注意! ベネチアは高潮(アクアアルタ)の時期が到来!

公開日 : 2019年11月13日
最終更新 :

みなさん、こんにちは! パドゥーラ恵です。

ベネチアではこの時期、高潮で町が浸水してしまうことがあります。

イタリア語ではアクアアルタ(acqua alta) といいます。一般的に秋から冬にかけて、10月頃から3月頃といわれています。

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ベネチアに今年の夏に引っ越ししてきて、「初体験」の高潮(アクアアルタ)なので、色々情報収集して心の準備はしてましたが、今年の高潮シーズンは先週末から始まりました。自分自身もちょっとドキドキしつつ、慌てず冷静に過ごしていきたいと思います。

またこの特派員ブログを通じて、この時期にベネチアに旅行する方々に、最新の高潮情報をお伝えしたいと思います。

町が浸水してしまうといいましたが、ベネチアすべてが水浸しになるというわけではありません。

運河からの距離や下水道、排水管の設置の問題、ベネチアの町はエリアによって標高が若干違うので、一番低いとされているサンマルコ広場付近から浸水が始まるそうです。また時間帯によって浸水の状況も違います。

私が住んでいるリアルト橋近くと、サンマルコ広場では浸水の状況が違います。例えばサンマルコ広場が浸水していても、リアルト橋の運河付近以外はあまり浸水していないので、普通に歩けるといった具合です。この時期にベネチア旅行する方は、高潮情報を把握して、賢く行動しましょう。

高潮情報は、ベネチアのホームページから詳細がみられます。

https://www.comune.venezia.it/it

携帯のアプリでもいくつ情報が得られるものがあります。私が使っているのが「High Tide Venice - Hi!Tide」というアプリです。

https://play.google.com/store/apps/details?id=venice.amphitrite&hl=en_US

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黄色、オレンジ色、赤色で警戒レベルがわかります。赤色になるほど水位が上がり、注意が必要です。午前と午後の一番水位が上がる時間(11月12日は10:00に145㎝、22:45に145㎝と表記)がわかります。

90㎝以上になると低いところでは浸水が始まり、120㎝過ぎるとサンマルコ広場をはじめ、場所によっては長靴を履かないと歩くのが困難な状況になります。

また、早朝若しくは夜に警戒サイレンがなります。警戒レベルによって、サイレンの音と高さが違います。

・110㎝~ ドレミファのドーーーと低音が響きます

・120㎝~ ドレミファのドーーー、ミーーー と二音が響きます。

・130㎝~ ドレミファのドーーー、ミーーー、ソーーー、と三音が響きます。

・140㎝~ ドレミファのドーーー、ミーーー、ソーーー、ラーーー、と四音が響きます。

このサイレンの音でもその日の潮位が把握できます。

それでも高潮の時期にサンマルコ広場へ行く予定の方には、お昼過ぎ~午後に行くことをおすすめします。てこの時期、ベネチア島内で浸水しやすいヴァポレット乗り場付近、サンマルコ広場、サンマルコ寺院、ドゥカーレ宮殿へ簡易的な「遊歩橋」が設置されるので、たどり着くことが可能です。ただし、あまりにも浸水がひどい場合には、一時的にサンマルコ寺院やドゥカーレ宮殿、美術館なども閉鎖されますので、注意してください。

水位が上がる時間帯、特に午前中はサンマルコ広場周辺のカフェや店も閉まっていることが多いです(水位が下がる午後から営業)。

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長靴をわざわざ日本から持って来るのは面倒なので、この時期は土産屋さんやなどでは簡易長靴が8~10ユーロで売られています。履いている自分の靴の上から履けます。とても便利ですが、普通の長靴に比べてそこまで頑丈ではないので、2・3日履くと穴が開いてしまうそうです。

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ただし、先ほども書いたように、島全体が一気に浸水するわけではありません。高潮だからといってホテルで一日中過ごすのはもったいないので、午前中はサンマルコ広場付近を避けて

・リアルト付近、サンタルチア駅周辺などのエリア

・ベネチア島をちょっと離れて郊外(メストレ、トレヴィーゾ、パドォバなど)

に行ってみるのもいいですよね。

とにかく、高潮情報を上手に入手し、限られた滞在時間を有効に使いましょう。

ちなみにこの高潮で、11月8日(雨)の朝9時頃の息子の幼稚園の入口付近は浸水してました。それでも長靴で登校。

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ヴァポレットの乗り場は浸水のため、簡易橋を利用しました。ヴァポレット、トラゲット共に通常運行していました。

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11月8日(曇)昼頃のサンタルチア駅付近。全く問題ありません。

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11月10日(晴)週末の昼過ぎ(12時半頃)のサンマルコ広場。一部は浸水していますが、最大水深10㎝程度。

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子供は親の心配をよそに、「巨大な水たまり」を歩くのが楽しそうでした(笑)

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11月10日(晴)週末の午後(15時頃)のサンマルコ広場。ほとんど水が引いていました。

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11月11日(曇)午前中(10時頃)のサンマルコ広場。簡易歩道はありますが、長靴がないと濡れてしまう状況。広場に面している店はほとんど閉まっていました。

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数件のカフェ、土産屋さんと、両替所はかろうじて開いていました。私の感覚ですが、15㎝は浸水していたと思います。

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サンマルコ広場入口付近には、簡易の長靴を売っている屋台があるので、傘やビニールコートなど、いざという時には役立ちます。

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11月11日(小雨)午前中のリアルト橋付近。ヴァポレット駅付近やリアルトメルカート付近は少し浸水していますが、ほかは普通に歩けました。店も通常営業していました。

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この高潮対策として、「MOSE」モーゼプロジェクトという可動式の防波堤を建設して、ベネチアの町を守ろうという計画があるそうです。早く実現すればよいですよね。

以上、最新の高潮(アクアアルタ)情報をお伝えしました。この時期ベネチアに旅行に来る方々に少しでもお役にたてますように!

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