10月9日はバレンシアの日。そしてバレンシア版バレンタインデー

公開日 : 2021年10月06日
最終更新 :

今年2021年は土曜日にあたりましたが、10月9日はバレンシアの日で州の祝日になっています。

バレンシアの日を語るとなると、歴史が深く関わってきます。711年にイスラム教徒がイベリア半島に侵入。西ゴート王国を倒し、あっという間に北部のアストゥリア地方を除く半島のほぼ全域を支配することになりました。その後、11世紀の半ばから北部のキリスト教徒達による国土回復運動(レコンキスタ)が盛んになり、イスラム教徒に征服された土地は徐々に再征服されていきました。バレンシアは1238年にアラゴン王ハイメ1世の指揮よってキリスト教徒の手に戻ります。このハイメ1世が城壁に囲まれていたバレンシアに入城したのが10月9日だと言われており、それ以来この日がバレンシアの日となったわけです。

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〈バレンシア市内にあるハイメ1世王の銅像〉

©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com

昨年はコロナウイルスの影響で祝賀イベントも縮小されましたが、今年は花火大会やモロス・イ・クリスティアーノス(イスラム教徒とキリスト教徒の意味)の入城パレード、民族舞踊ショーなどが開催されます。2013年の記事に写真を何枚か掲載してあるのでご覧ください ⇒ https://tokuhain.arukikata.co.jp/valencia/2013/10/post_117.html

同時にこの日はLa Mocadorà(※バレンシア語)と呼ばれるバレンシア版のバレンタインデーでもあるのです。日本のバレンタインデーとの大きな違いは、男性が女性にプレゼントをすること。野菜やフルーツを模ったカラフルなマジパン(アーモンド粉と砂糖を練り合わせたお菓子。スペイン語ではマサパン)をスカーフに包んで贈るのです。いまちょうど町のお菓子屋さんのウィンドウに並んでいます。

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この理由ははっきりしていないようなのですが、イスラム教徒を追い出したハイメ1世王がバレンシアに入城した際に、農家の女性たちが地元の野菜やフルーツを捧げたことに由来するという話もあります(バレンシアは昔から野菜やフルーツの産地です)。

カトリック教会では10月9日を聖ドニの日(バレンシア語でSant Donís、スペイン語ではSan Dionisio)ですが、バレンシアではこの聖ドニは恋人たちの守護聖人と崇められています。

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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