行きはよいよい帰りは恐い。日本人観光客のスペイン入国はOKになったものの......

公開日 : 2021年05月30日
最終更新 :

スペインでは、2021年5月24日より日本からの渡航者はPCR検査の陰性証明書も隔離もなしで入国できることになりました。この発表があったときに、SNSで「やったー!!」「これでスペインに行ける!!」などの喜びの声を多々見かけたのですが、いえいえ、そんなに甘くはないのです。

確かに、スペインにはノービザで入国できるようになりました。でも久々の海外旅行をスペインで思い切り楽しんで、日本に帰るときがたいへんなのです。

今日現在での話になりますが、スペイン出国前72時間以内にPCR検査を受け、医師に日本政府指定の陰性証明書に記入をしてもらわないといけないのです。一見簡単そうに思えるかもしれませんが、在住者でも必死です。たいてい検査結果が出るのは翌日、それから証明書に記入してくれる医師のところに持って行かなければいけません。検査も医師も事前に予約が必要。また、医師には前もってしっかり説明をしておかないといけないのです。証明書には医療機関のスタンプが必要ですが、スペインでは持っていないところもあるとも聞きました。もし帰りのフライトが月曜日だったりしたら、土日にことは進みませんよね。観光で来た方がこれをクリアすることは、かなり難しいと思います。実際、家庭の事情で急遽日本に帰らないといけなくなった友人は、知り合いの医師に頼んで証明書を書いてもらうしか方法がなかったそうです。

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また、イベリア航空の直行便が運休中のいま、日本とスペイン間の移動には乗り継ぎが必要です。となると、乗り継ぎ国でなにかコロナ絡みの書類を求められるのかといった情報も調べなけばいけません。

運よくこの難関を突破し日本に着いたら、3日間の強制隔離が待っています。政府指定のホテルに連れて行かれ、部屋から一歩たりとも出ることができないのです。3日後にPCRを受けて陰性だったら解放されるものの、日本到着から14日間は公共の交通機関を使うことはできません。誰かに迎えに来てもらうかレンタカーをして家に帰るしかないのです。また、日本入国時には政府が指定するいくつかのアプリが携帯電話にインストールされている必要があり、3日間の強制隔離後11日間の自主隔離期間は遠隔で管理されることになります。毎日連絡がくるとかこないとか。

というわけで、残念ですが日本入国時の規制が緩和されない限りは、まだまだスペイン旅行はお預けにしておいた方がいいと思います。

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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