スペインでも再度増え続けるコロナ感染者と欧州諸国の対応

公開日 : 2020年07月30日
最終更新 :

スペインでは、またじわじわとコロナ感染者が増え続けています。

バレンシア州でも、社会的距離に関わらず6歳以上は屋外でもマスクの着用が義務づけられました。違反者には罰金が科せられます。例外として認められるのは、

・ビーチ、プール

・海山川など自然のある場所や町から離れた場所(屋外)

・飲食店における飲食中(席に着いていても飲食の前後はマスク着用)

・呼吸器官に問題のある人

・運動中

となっています。

スペイン全体では、本日2020年7月30日に新たに約1200人の新規感染者が確認されました。これは過去3ヵ月でもっとも多い人数になります。

ここ数日の間、スペインでの第二波を不安視する欧州各国はスペインに対する措置を決定しました。以下、7月28日にバルセロナの日本国総領事館から届いたメールから一部抜粋します。

【スペインに対する各国の措置】

英国

7月26日から、スペインからの渡航者に対し14日間の隔離措置を適用。

ノルウェー

7月25日から、スペインからの渡航者に対し10日間の隔離措置を適用。

ベルギー

カタルーニャ州等からの渡航者に対し自主的な隔離を要請中。

アイルランド

スペインからの渡航者に対し14日間の隔離措置を現在適用中。

オランダ

カタルーニャ州リェイダ(Lleida)県セグリア(Segria)地域からの渡航者に対し14日間の自主的な隔離を要請中。

また、一昨日28日にはドイツの外務大臣がスペインのカタルーニャ州、アラゴン州、ナバーラ州への渡航自粛をドイツ国民に呼びかけたというニュースがありました。

スペインはイギリス人のバケーション先で、セカンドハウスを持つ人も多くいます。イギリスの報道機関の発表によると、8月末までに180万人のイギリス人がスペイン渡航を計画中とのこと。イギリスに帰ったあとに14日間の自主隔離があるとなると、渡航を諦める人も大勢いることでしょう。スペインのサンチェス首相は、特にイギリス人観光客が経済に大きな影響を及ぼすイビサ島やアンダルシア州などを帰国後の隔離措置対象から外してほしいと申し入れましたが、イギリス政府は認めてくれませんでした。

このように欧州の国々がスペインの状況を懸念していることがよくわかります。

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〈新型コロナウイルスは怖いと思いつつも、集まるところには人は集まる。日曜の夕方のアルテアにて〉

また、スペイン国内でも、昨日29日からガリシア州が対象地域とみなす国や地域に滞在していた人が州内に入る際には、到着後24時間以内に所定用紙か電話を使って氏名や身分証明書番号、滞在期間や場所、連絡先を知らせる必要があると発表しましたが、対象地域には感染者の多いカタルーニャ州が含まれています。

長いロックダウンに耐えた反動で緊張が緩んだことが、再び感染者が増えている原因なのでしょうか。日本同様に夜のシーンでの若者の感染も問題視されています。あのつらいロックダウンに戻りたくないならば、一人ひとりが感染防止をしっかり自覚しないといけないと思います。これだとスペインと日本の間を自由に行き来できる日が戻ってくるのは、まだまだ先になりそうですね。

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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