オーストリアの病院で入院ってどうなの?

公開日 : 2015年10月09日
最終更新 :
筆者 : Obi

ゼアブス!今回はオーストリアの病院での入院についてです。オーストリアに住み始めてこれまで健康診断や風邪で病院には行ったものの、入院まではしたことがなくオーストリアで入院するのはどんな感じなんだろう?と思っていた矢先...。急遽主人が入院することになり実際に体験する機会があったので、オーストリアでの入院事情についてご紹介したいと思います。(※あくまで私達の場合なので全てのオーストリアの病院が同じ環境とは限りません。主人はおできの切除で簡単な手術だったので翌日うすぐに退院しました・笑)

まず、こちらではそれぞれの家庭にホームドクターがいて初めはそちらに行って診察を受けます。そこで済むならここで終わりですが、転院が必要と判断されるとこのホームドクターから症状に応じた科への紹介状を書いてもらい、それを持って別の病院へ行きます。(今回主人が行ったのはハル・イン・チロル(※インスブルック市内以外に住む人が搬送されるのは大抵ここだそうです)の州立病院でした)

ここは入り口。入って向かうのは受付のような窓口。

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窓口にはホームドクターからの紹介状を持って行き、いくつかの質問に答えた後にどの科へ向かうのか説明を受けます。今回は手術だったので外科でした。

診察室では問診が行われます。これは日本も同じだと思いますが、アレルギーの有無、以前も同じ病気になったか、手術においてのリスク、注意事項、切除する部位、生まれた場所...などなど、難しい医療用語もドイツ語で次々に質問をされるのでいざ自分がなったらドイツ語、もしくは英語でも的確に理解して答えられるだろうか...と不安になりました...。ただお医者さんや病院のスタッフはとてもフレンドリーで親切、診察や処置も素早く安心して任せられる雰囲気でした。

そして問診の後は手術同意書にサインをして病室へ。今回は6人部屋でしたが、日本と違うと思ったのは隣のベッドの仕切りが無いこと、テレビは共用というところ。テレビはともかく、仕切りが無いのは不便ですよね。プライバシーに関しては日本よりもうるさいと思っていたのでここは意外でした。横には鍵付きの棚がありましたが隣の方の棚とくっついて並んでいるので狭く感じました。しかし部屋自体はかなり広く、3つずつベッドが並んでいる部屋の中央にはテーブルと椅子があり患者さん達が自由に過ごせるスペースがありました。携帯電話も院内で使え、患者さん達向けのWi-Fiも繋がっているようでした。(本当は駄目なのか分かりませんが、院内には携帯禁止の注意事項もなく、スタッフがいる前で通話をしていた患者さんも何も言われていませんでした)

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また、寝衣も日本とは違い、生地が薄くスモックのような形で前から羽織り数カ所を後ろでヒモで結ぶというもの。つまり背中も下着も丸見え状態!このため出歩く際はこの上からガウンやパジャマを羽織って院内を歩いている患者さんが多くいました。しかも他の患者さんもいる場でその場で着替えてください~と服をあっという間に脱がされ着替えさせられるという大雑把ぶり...。

ちなみに病院食はこちら。

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これは手術後と翌日の夕ご飯でにんじんスープとヨーグルトだったそうです。通常の病院食を目にする機会がなかったのが残念ですが、こちらは2種類から選べるそうで他の患者さんの話を聞くと様々なケーキが日替わり(恐らくおやつ?)で出たそう。ある患者さんはお昼にアプリコットのKnödel(中にアプリコットが入った小麦粉の団子。砂糖やシナモンをかけて食べます)、その後ザッハトルテを食べたそうですが胃もたれしそうな組み合わせです(笑)

病室の前。ちょうど夕ご飯の時間帯だったので、左側に患者さん達用の飲み物が入った水筒が置かれています。

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あと、なんとなくオーストリアらしいなと思ったのが病棟あちこちにコーヒーとチョコレートの自販機、カフェがいくつもあったところ(笑)

ここは入り口にある自販機ですが、患者さんや家族、お医者さんなどひっきりなしにやって来ていました。

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私達の行ったハルの病院には院内に売店がありませんでしたが、そんな時のためにも日用品などは忘れないように注意が必要です。飲み物やお菓子は自販機の他に病院の外には美容院やパン屋さんもあるので食べ物に関しては困らないと思いました。

左がパン屋さんで右が美容院。美容院ではお見舞い用の花も売られていました。

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海外の病院というと言葉の問題はもちろんどんな治療をされてどんな環境なんだろう?と不安になってしまいますが、日本より不便な点、慣れない点はあるものの特に問題があるようには感じない環境でした。

最後に持ち物に関してですが、着替え、洗面用具、タオル、スリッパなど日本とほぼ変わりませんが、寝衣が後ろが丸見え状態なのでその上に羽織るものか代わりに着るパジャマは必須です!日本だと恐らく入院に必要な持ち物についても説明がされると思うのですが、私達にはそれもなく少し戸惑いました。(※こちらでは質問をすれば詳しく教えてくれますが、聞かなければ分かっていると判断される事が多いので不安ならスタッフに質問しましょう!)

いかがでしたでしょうか。日本もですが、海外で入院は滅多にない事なので私のように気になる方もいらっしゃると思います。場所が場所なので病室の写真や院内の写真を詳しく撮影が出来ず分かりにくいところもあったかもしれませんが少しでも参考になれば幸いです。

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