No.615フランス北部ほか16県の再ロックダウンについて

公開日 : 2021年03月20日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

書くのも読むのもうれしくないニュースですが、大切なことですのでまとめておきます。2021年3月18日カステックス首相がフランスの3度目のロックダウンを発表しました。

615.JPG

3月のすみれ ©Kanmuri Yuki

理由は、なによりも感染拡大のスピードが上がっていること。実際、発表のあった18日には1日に3万5000もの新規感染を記録しており、1週間で24%近く感染者が増えています。影を落としているのはイギリス変異株で、感染者に占める割合は増加の一途をたどり、現在すでに4分の3が英国変異株による感染とされています。

今回のロックダウンについてわかっていることを下に整頓します。先に書いておくと、基本的に1年前のものほど厳しい内容ではありません。

【どこで?】

対象となるのは16県。

まず首都パリと、パリを取り巻くイルドフランス地方の7県すべて:

• パリ(75)

• オー・ドセーヌ県(92)

• セーヌ・サンドニ県(93)

• ヴァル・ド・マルヌ県(94)

• エソンヌ県(91)

• ヴァル・ドワーズ県(95)

• セーヌ・エ・マルヌ県(77)

• イヴリーヌ県(78)

パリ北方のオー・ド・フランス地方の5県すべて:

• エーヌ県(02)

• ノール県(59)

• オワーズ県(60)

• パ・ド・カレ県(62)

• ソンム県(80)

イルドフランスの西方、オー・ド・フランス地方にも接するノルマンディ地方の中の2県:

• セーヌ・マリティム県(76)

• ウール県(27)

南東コートダジュールのプロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方の中の1県:

• アルプ・マリティム県(06) (県庁所在地はニース)

【いつからいつまで?】

3月19日と20日の間の真夜中から始まり4週間を予定しています。

【その内容は?】

移動の制限はありますが、今回は時間制限はありません。

前回まで同様、外出理由を記した証明書を持ち歩く必要があります。

散歩や体を動かすのに出ていい場所は自宅から半径10km以内。

それ以外の理由で出かけるのも同じ県内であれば半径30kmまでならば許されますが、必ず理由書の携帯が必要です。

県を越える移動は、仕事上や家族にかかわるやむをえない事情があるときのみで、証明書の所持が必要です。

【営業できる商店】

食料品店やスーパーのほか、本屋、美容院、花屋、チョコレートショップ、靴修理店、自動車販売店、不動産会社なども営業できます。また、この1年で発展したClick and Collect(ネットで注文しておいて、商品をピックアップする購入方法)でなら、そのほかの商品を扱う商店も営業可能です。

ただし、これらの商品を扱う店でも大きなショッピングセンターは、これまで通り閉鎖が続きますので、閉店のままです。

レストランやバーは閉店継続です。

【学校は?】

幼稚園から中学校まではこれまで通り対面授業を続けますが、高校については半数ずつの授業となります。

【仕事】

最大限のリモートワークが推奨されます。

【証明書】

こちら下の内容は3月20日に変更となりました!詳しくは No.616をお読みください!

証明書は、国務省のウェブサイトにあります。いま見たところ、デジタル版はまだ公開されていませんが、紙版(PDF, DOCX, TXT)はこちらのサイトからダウンロードできます。

URLを開くとダウンロードへのリンクが書式ごとに並んでいます。

1番上のものが移動時必須の証明書です。仕事に行くとき、医者に行くとき、病気の家族などの世話をしに行くとき、行政的な理由で出かけるとき、ペットの散歩、買い物、運動などの理由のうちあてはまるものにしるしをつけて携帯してください。

2番目のものは「職業上の移動証明書」で、雇用主に書いてもらう必要があります。

3番目は「学校関連の移動証明書」で、学校の送迎に行く必要があるとき必要です。

なお、16県以外の地域では夜間外出禁止令の施行が継続されますが、日が長くなり近々夏時間に移行することもあり、18時ではなく19時からの外出禁止に変わります。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。