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No.605仏エピファニーのお菓子ガレット・デ・ロワ

カテゴリー:イベント・行事・お祭り / レストラン・料理・食材 / 生活・習慣・マナー 投稿日:2021年1月 3日

1月6日は、カトリックではエピファニー(公現祭)と呼ばれる日にあたります。イエズス誕生のあと、東方の三博士が贈り物をもって訪れたとされる日です。(参照:「No.63公現祭(1月6日)のお菓子galette des rois」 )キリスト教徒の多い国では、エピファニーにはそれぞれ行事や伝統がありますが、フランスでは、この日特別なお菓子を食べる伝統があります。


公現祭のガレット・デ・ロワ


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ガレット・デ・ロワ


その名前はガレット・デ・ロワ。直訳すると「王様たちのケーキ」ですが、ここでいう「王様」とは、「東方の三博士」のことを指します。日本語で「東方の三博士」と呼ばれる3人は「賢者」だったわけですが、フランス語では「Rois mages(ロワ・マージュ)」と呼ぶのです。この「ロワ」というフランス語の単語が、英語のKing(キング)にあたります。


イエズス誕生の時代をずっと下ったのち、これらの賢者はペルシアやアラブ、インドの王だったと語られることもありましたが、あくまで後づけの説に過ぎません。ですから、本来ならばガレット・デ・ロワは、「賢者ケーキ」と訳すのが正しいのかもしれません。


南部ではガトー・デ・ロワ


また、以前別所でも書きましたが(「新年を祝うフランスの定番ケーキ「ガレット・デ・ロワ」レシピ」 )、大まかにいうとフランスの北方ではガレット・デ・ロワを食べますが、南方では、ブリオッシュに似ているガトー・デ・ロワを食べるというように、地方による違いもあります。


このガレット・デ・ロワ、もっともオーソドックスなものはパイ生地にアーモンドペーストが入っており、フェーヴと呼ばれる陶製の小さな人形が入っています。この人形が当たった人が「ロワ」となり、王冠をかぶるというところまでが伝統の食べ方です。


フェーヴが誰に当たるか、切った人がわからないように、切り分けたケーキを配るときは同席のうち最年少がテーブルの下にもぐって、次のひと切れは〇〇に!と、決めることになっています。


エリゼ宮ではフェーヴなし


たいてい、この時シャンパーニュも開けて新年の祝いをするのが習慣で、そのため1月6日といわず、例年ならば1月中の週末は毎週ガレット・デ・ロワがそこここで切り分けられるわけです。学校の給食のデザートにも当然のように出てきますし、大統領府のエリゼ宮にもガレット・デ・ロワが納められます。ただし、フランスには王がいないという理由で、エリゼ宮のガレット・デ・ロワには、フェーヴが入れられないそうです。


普通はアーモンドペーストが入っているガレット・デ・ロワですが、リンゴやチョコレートなど他の味のものも最近では普通に見かけるようになりましたし、パティシエの中には洗練されたガレット・デ・ロワを提供するところもあります。


ベル・エレーヌと言えば洋梨


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メゾン・デュ・ショコラのガレット・ベル・エレーヌ©Maison du Chocolat


フランスのショコラティエ、メゾン・デュ・ショコラもそのひとつ。今年は洋梨を用いたその名も「ガレット・ベル・エレーヌ」が売り出されています。ベル・エレーヌというのは、もともとオッフェンバッハのオペレッタの題名で、この舞台発表を機に1864年パリではベル・エレーヌの名を冠した料理が数多く創作されました。そのうち最も有名になり現代にいたっているのが洋梨のデザート「ポワール ベル・エレーヌ」です。そのため、ベル・エレーヌと聞けば、いまでも誰もが洋梨を思い浮かべるという構図ができあがっています。


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メゾン・デュ・ショコラのクロワゾーシェフによるオンライン記者会見


メゾン・デュ・ショコラのガレット・ベル・エレーヌは残念ながら日本では販売されていないようです。画像だけですが、どうぞ洋梨の芳醇な香りと、パイ生地とチョコレートの組み合わさった味を想像してみてください!
上の写真はこのガレット・ベル・エレーヌを作ったメゾン・デュ・ショコラのチョコラティエ長ニコラ・クロワゾー氏がオンライン記者発表でケーキの説明をしてくれたときの映像です。なかなか和やかだったオンライン記者発表。その雰囲気についてはこちらの記事 に書きましたので、よろしければご覧ください。


2021年が皆様にとって、より明るい光に照らされる年となりますように!


(冠ゆき)

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冠ゆき

山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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