No.598フランス11月11日11時 今年も鳴ります!アルミスティスの鐘

公開日 : 2020年11月11日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき
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無名戦士の墓があるパリ凱旋門 ©Kanmuri Yuki

今日11月11日は、1が並ぶことから、中国では光棍节(独身の日)と呼ばれる大大大セールの日。一方日本では、ポッキー&プリッツの日というのどかな日でもあります。

フランスの11月11日とは?

11月11日はフランスでは祝日。けれども日本や中国とはまったく異なる色合いです。というのもこの日は、アルミスティス(Armistice)と呼ばれ、4年という長きにわたる世界大戦の停戦協定を記念する日なのです。

ここでいう大戦とは第一次世界大戦のこと。ですから停戦協定へのサインがされたのは1918年のことになります。この日は、パリをはじめフランス各地の自治体では、戦死者記念碑前で記念行事をするのが常です。

ちょうど100年後だった2018年の11月11日について書いた記事はこちらです。

おもな過去記事リンクも記事内に貼ってありますので、興味のある方はお読みいただけると幸いです。

今日で100年となるパリの無名戦士の墓

さて、上の記事内にも書いたように、この日必ずフランス大統領がパリで花輪を手向けに赴くのが凱旋門の足元にある「無名戦士の墓」ですが、この無名戦士の墓が建てられたのは、ちょうど今日から100年前の1920年11月11日のことでした。

実は、この100周年に合わせて、フランスではモーリス・ジュヌヴォワのパンテオン合祀を予定していました。作家でもあり詩人でもあるモーリス・ジュヌヴォワは、自身も第一次世界大戦中は前線で戦いましたが、負傷し障害を負いました。けれどもそのあとも活動を続け、アカデミー・フランセーズ会員としても活躍しました。心にも身体にも大きな影響を受けた大戦に関する作品も生み出しています。

2020年11月11日の式典予定

コロナ禍にある今年2020年は、すべてが少人数で、一般市民の参加禁止で行われますが、記念行事のかなめはメディアで報道されます。

予定では、今日マクロン仏大統領は、まず大戦中の首相であったジョルジュ・クレマンソーの像に花輪をささげ、シャンゼリゼ通りを通って凱旋門の無名戦士の墓に花輪をささげます。

そのあと11時(日本時間の19時)には、フランス全国の鐘が鳴り響く予定です。

上に書いたモーリス・ジュヌヴォワのパンテオン合祀セレモニーは午後行われます。これもメディアで、16時半(日本時間の11月12日、0時30分)から放送される予定です。

青い花が象徴するもの

映像をご覧になる方は目にされるでしょうが、マクロン大統領をはじめ、皆胸元のボタン穴にブルーの花を挿しているはずです。これは、フランスでは旧戦士、戦争被害者、寡婦、孤児についての記憶と連帯を象徴するものとされています。

ということで今年も11月11日11時の鐘が鳴る時間が近づいてきました。

外出制限中ではありますが、今年もひっそりと、けれどもしっかりと鐘は鳴り響きます。フランスにいらっしゃる方、耳を澄ませてくださいね。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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