No.596再ロックダウンのフランス、ハロウィーンにはブルームーンを

公開日 : 2020年10月29日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

昨晩2020年10月28日、フランスは全国の再ロックダウンを決めました。発表は昨夜20時のこと、マクロン大統領による約20分間のスピーチです。スピーチ全容は、こちらから視聴できます。

10月28日マクロン大統領のスピーチ

その大まかな内容は次のとおり。

まず現在の新型コロナ感染再拡大の様子。過去2週間で感染者が倍増したこと、集中治療室に3000人近くが入院しており、病床の半分以上を占めている計算になること、11月半ばには集中治療室入院患者は9000人になると見込まれることなどが語られました。

第二波は、これまで想定してきた最悪のケースよりもさらにひどい速さで進んでおり、フランスのみでなくヨーロッパ全体にかかわることだと何度か繰り返しており、間違いなく第一波よりも感染者、死者とも厳しいものになるであろうと予測しています。

続いて考えられる対抗策、すでに実施している対策を複数挙げ、ただし、それらでは不十分であることを説明。

10月30日~12月1日ロックダウン

スピーチの12分あたりで、10月30日金曜より全国的にロックダウンを行う旨を述べました。ただし、春と異なり、学校は閉校せず、経済活動もできるだけ最大限に続けていく方向です。

具体的には、市民が家の外に出るには、医療施設訪問や生活必需品の買い物、散歩などの理由が必要で、春と同様、外出理由を説明する証明書を持ち歩く必要があります。また、親族友人らとの集まりは控え、公共の場での集会は禁止となります。

現在フランスは全聖人の祝日休暇中で、移動先にいる人もいるため、この週末までは、もとの居住地に戻る移動は問題なくできますが、それ以降は、居住している地方から他地方への移動はできなくなります。

バーやレストランは閉店。それぞれ政府から補助金が準備されます。

EU圏内の国境は開いたままですが、EU圏外の国境は基本閉鎖されます。

当面は少なくとも12月1日までとされていますが、今後2週間おきに感染状況を検討し、政策の見直しを行います。目標は、入院者数、集中治療必要者数の減少。新規感染者数でいえば、1日4万人から5000人に減らすことを目指しています。

また、フランスは、接触追跡アプリの新しいバージョンを10月22日にリリースしました。名称は TousAntiCovidというもの。こちらのダウンロードと使用も強く推奨されています。

細かな点については、今日10月29日18時半から、ジャン・カステックス首相が発表する予定となっています。

静かなハロウィーンには満月鑑賞

596.JPG

ちょっと青くしてみました :) ©Kanmuri Yuki

上のような緊迫した状況で、週末もハロウィーンどころではなくなってしまいましたが、実は2020年の10月31日は満月です。ハロウィーンと満月が重なるのは、実に1944年以来のことだそうです。

また、今月は2日も満月だったので、31日は今月2度目の満月となります。ひと月に2回満月が見られるのもそうそうない話。この2度目の満月は青いわけではないけれど「ブルームーン」と呼ばれます。

静かなハロウィーンの夜、どうぞ自宅からブルームーンを鑑賞してみてください。いまのところ、10月31日のパリは快晴。フランス北部も晴れと曇りの予報ですから、くっきり満月が見えることでしょう。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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