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No.565仏ブルターニュ謎の文字解読作戦、結果発表!

カテゴリー:文化・芸術・美術 / 自然・風景 投稿日:2020年3月 6日

フランス、ブルターニュの小さな町プルガステル=ダウラスに残る、謎の文字が刻まれた岩々。2019年春始まったその意味を探るキャンペーンの結果が、このほど発表されました。


565-1.jpg

Plougastel-Daoulasに残る岩に刻まれた文字


キャンペーンを開催したのは、プルガステル=ダウラスの町。そのあたりについては下の記事に書きましたので、ぜひお読みください

No.506現代のシャンポリオン募集!仏ブルターニュ岩に刻まれた謎の文字

No.564 仏ブルターニュの浜辺に残る謎の文字、解読大作戦の行方


つまりこの記事は、上の記事の続編となります。

プルガステル=ダウラスの謎の文字解読キャンペーンとは


さて、プルガステル=ダウラスが、解読者を募ったのは、2019年5月のこと。
同市によれば、このキャンペーンは200以上のメディアに取り上げられたそうです。フランス語はもちろん、英語やスペイン語、ノルウェー語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、日本語の記事が書かれ国際的にも注目を浴びました。
問い合わせも多く、2ヵ月で2000件を超え、583人が解読チャレンジャーとして登録。2019年11月30日の解読結果提出期限までに、解読案が61案提出されました。


国別の内訳はといえば、やはりフランスからの応募者が一番多く45件。続いて、スペイン、アメリカからが各3件。あとは、ベルギーとイタリア、ノルウェー、チェコなどの西欧の国々とロシア、ウクライナ、ハンガリーといった東欧の国々、またアラブ首長国連邦、ブラジル、タイからも、それぞれ1件ずつの応募があったそうです。


受賞したのは?!


審査員は、ブルターニュの歴史専門家らも交えた7人。合計1500ページにおよぶ61件の書類をそれぞれが検討し、まず1月20日までに6候補に絞り込んだのち、さらに分析を重ね、2月10日選ばれたのが、入賞者2候補です。


甲乙つけがたく、揃って入賞となったその2候補の詳細は下の通り:


かたや、ケルト学を修めた英語教師トゥディク氏
かたや、歴史に関する著作を持つファリゴ氏とイラストレーターのロベ氏のコンビ


3人ともフランス、ブルターニュ地方在住の人物です。


謎の文字とその内容は?


さて、肝心の謎の文字ですが、結果として、やはりブルトン語だということが判明。1787年、1786年という、おそらく文字が彫られたでろう年代が記述されていることも分かりました。


写真で見ても分かるように、文字が刻まれている岩はひとつだけではなく、複数あり、それも完全な形ではなく断片です。これらの岩をどういう順序で読むかによっても解釈はかなり変わってくるようです。


トゥディク氏案、ファリゴ氏+ロベ氏案、双方に共通するのは、誰かの死を悼む内容だというものですが、微妙に解釈は異なります。


トゥディク氏は、
嵐の日に海で遭難し亡くなった兵士「セルジュ」に向けた言葉であると解釈しており、この文章を書いた人の名はアロトー・グレゴワール。文字が刻まれた日は1786年5月8日と読み取っています。


ファリゴ氏+ロベ氏は、
友人を亡くした人が、その死を悼み、また友人の死の原因となった者たちへの恨みを綴った文章であると解釈しています。


古今東西、人の死は、もっとも人の心を動かす出来事であることは間違いありません。250年近く前、おそらく海で亡くなったひとりの人物。
一度は浜辺に忘れ去られたその人物への哀悼の言葉が、今こうしてよみがえったのを見るのは、なかなか感慨深いものです。


まずはなにより、プルガステル=ダウラス市のキャンペーンの成功に乾杯しましょう!


(冠ゆき)

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冠ゆき

山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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