No.563新型コロナウイルスCovid-19、フランスの現況
フランスでは、昨日2020年2月17日に辞任したアニエス・ビュザン保健相に代わり、オリヴィエ・ヴェランが新しく保健大臣に就任しました。
それを機に、新型コロナウイルスのフランスでの現状を発表しましたので、ここに紹介しておきましょう。発表によれば、今のところ感染ルートのわからないケースは報告されていません。
©Kanmuri Yuki
フランスでの感染者数は12名
フランスでは、2020年1月25日に最初の新型コロナウイルス感染が明らかになって以来、これまでに12名の感染が報告されていて、そのうち6名が入院中。1名が死亡。5名が治癒しています。
2020年2月15日に亡くなったのは、80歳の湖北省出身中国人観光客で、1月25日パリのビシャ病院に入院。同病院によれば、入院したときはすでにかなり症状が悪化していたそうです。
その娘である50代女性は2020年1月29日に感染が判明し、ビシャ病院に入院しましたが、完治が確認されたので、近いうちに退院する予定です。
入院中の6名のうち4名は、2020年1月末、感染源となったシンガポール帰りの英国人(本人はフランスから英国に帰国後発症)と同じ建物内のアパートに滞在した英国人たちです。場所は、アルプスのスキー場オートサヴォワのコンタミヌーモンジョワ。この集団感染が明らかになったのは2020年2月8日のことでした。
同じつながりから、2020年2月15日に、もう1名感染が確認されています。
退院したのは5名
退院した患者5名は下記の通り。
武漢出身の30代のカップルは、2020年2月12日に退院。
2020年1月22日にフランスに入国した48歳中国人男性は、24日に感染が判明。ボルドーで22日間入院したのち完治して退院。
50代の医師1名は、台湾へ発つ前の中国人患者から感染し、2020年1月30日から2月14日までパリのピティエ・サルペトリエール病院で治療を受けました。
アルプスのスキー場で感染した5名のうちの児童1名も、グルノーブルのCHU病院で治療を受けていましたが、完治して退院しています。
中国への渡航を見直すよう勧告
フランス外務省は、やむをえない事情がない限り、中国への渡航を見直すように勧告しており、すでに中国にいる自国民にも帰国をすすめています。
フランスの航空会社エールフランスは、2020年1月30日、北京、上海行きの便を2月9日まで欠航とすることを決めました。そのあと期間が延長され、現在のところ2020年3月15日まで中国大陸への便は欠航となっています。
同社は、2020年3月16日から運航を再開した場合でも、通常通りの運航に戻るのは、2020年3月29日頃と考えています。(エールフランスサイト)
武漢からの帰国者と国外のフランス人感染者
武漢からフランスへ2020年1月31日に戻った第1グループ181名は、南仏のキャリー・ル・ルエ(Carry-le-Rouet)での2週間の隔離期間を終え帰宅しましたし、2020年2月2日に帰国した第2グループの120名も隔離期間を終えて、それぞれ帰宅の移動をはじめています。
2020年2月9日英国の飛行機で中国湖北から帰国した35名は、まだ、エクサンプロヴァンスで隔離生活を送っています。
また、フランス国内ではありませんが、日本に停泊しているダイヤモンドプリンセス号の乗客であるフランス人1名の感染が、2020年2月13日に判明しました。同クルーズ船には、合計4名のフランス人が乗っています。
中国からフランスに入国する人への注意
中国からフランスに入る人には、フランス入国後14日間は、人の多い場所や集まり(レストランや映画、病院など)に行かない、医療用マスクをつける、日に2度体温を測る、頻繁に手を洗う、年寄りや体力のない人との接触を避ける、などを推奨しています。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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