No.551フランス12月5日からのストについて最新情報
再び12月5日のスト関連の話題です。
パリ、シャルル・ド・ゴール空港のTGV駅 ©Kanmuri Yuki
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拡がる悲観的観測
フランス国鉄(SNCF)と、RATP(パリの交通網)のストは、12月5日に始まり継続され得るものですが、実際に数日続くものなのか、そうであれば、いつまで続くのかは今のところ全く不明です。
とはいえ、ストまで一週間となった今現在、すでにかなり悲観的な見方が広まっています。
それを裏付けるかのように、フランス国鉄も12月5日~8日までの、すべてのTGVと一部のインターシティ(Intercités)の予約をブロックしました。
また、フランス北部オー・ド・フランス地方議会の交通部門を担当しているフランク・デルサン氏は、12月5日~9日の間、オードフランス地方にはTERもTERGVもTGVもEurostarも一両も走らないという観測をtwitterで流しています。
フランス国鉄(SNCF)の運行状況は、12月3日の17時以降発表。その後は、毎日17時に更新されることとが決まっています。それを前にして、フランス国鉄はすでに12月5日から8日の間に運休になりえる列車の乗客15万人に連絡をとったと発表しています。
12月5日フランスで飛行機に乗る方へ
空の便であるエールフランス航空でも、地上職員の11労働組合がストへの参加を呼び掛けていますが、パイロットやキャビンアテンダントの労働組合はスト参加しませんので、鉄道と比べれば混乱は少ないと予想されています。
とはいえ、飛行機に乗るためには空港へ行く必要があり、パリであれば、RATP社のRER B線や、またTGV利用予定の乗客も多いはず。
飛行機の便がキャンセルになった場合は、もちろん、払い戻しや変更ができますし、場合によっては、補償を請求することもできます(詳しくはこちらの記事をごらんください)。
けれども、列車のストが理由で、空港にたどり着けない場合は、この限りではありません。
つまり、なんとかして空港へたどり着く、あるいはスト前に空港近くへ移動しておく必要があります。
ちなみに、パリ市内からシャルル・ド・ゴール空港と、オルリー空港への交通について以前まとめた記事は以下の通りです。
また、上の過去記事を書いたころからUBERやシェアカーのシステムも発達しました。Le Figaro記事が挙げているように、代替交通手段としては、タクシーのほかに、Uber 、marcel 、 Kapten 、また、シェアカーシステムBlablalines 、Klaxit などが考えられます。
パリ市内と空港をバスで結ぶル・ビュス・ディレクト(Le Bus direct) は、12月5日も通常運行を行うことをサイトで表明しています。ただし、前回9月13日のRATPの大きなストの際には、イル・ド・フランスで計380kmの渋滞が発生しました。タクシーやバスで移動の際は、通常よりかなり時間の余裕を見て予定をたてるようにしてください。
TGV Airチケットを予約した場合
行き先がパリではなく地方都市の場合、飛行機のチケット+TGVのチケットがセットになっているTGV Air(テージェーヴェー・エール)で予約をしている方も多いでしょう。(TGV Airについては、こちらの記事にまとめたのでご覧ください)
こちらのTGV Airで予約した場合は、列車のストも考慮されます。今回もすでに12月5日のチケットをもつ人は、飛行機が飛ぶ飛ばないにかかわらず、チケット日程変更ができるようになっています。
ただし、TGV Airのチケットを持つ方は、(列車の切符を使わず)タクシーやバスで空港に移動すると、列車に乗らなかった時点で、飛行機に乗る意思がないとみなされる可能性があるので要注意です。
エールフランス以外でTGV Airチケットを扱っている航空会社の中には、予約をブロックしたところも多くあります。例えば、Air Transatは、12月5日・6日のTGV Airチケット販売を取りやめていますし、Air Caraïbesにいたっては、12月12日までTGV Airチケットの販売をブロックしています。
デモ予定はどこ?
多くの場合ストにつき物なのが、フランス語でマニフェスタシオン(manifestation)と呼ばれるデモです。
パリでのデモの出発点はまだ公表されていませんが、Place d'Italie になる可能性が高いという声が上がっています。
リヨンのデモについてはすでに届け出がされていて、10時半に8区のmanufacture des Tabacsから出発することが決まっています。
マルセイユでは、10時半にCanebièreからデモ出発と労働組合CGTが発表しています。
デモの行われる周辺では、交通規制が敷かれることになるので、タクシーで近くを通る予定の方はご注意ください。
なお、基本的に、デモ隊は暴力行為をふるう団体ではありません。
ただし、昨年より続く黄色いベスト運動のデモで見られたように、デモ隊に混じって、破壊行為を行う者がいないとも限りません。
デモの見物中に、万が一緊迫した空気が流れた場合は、速やかにその場を離れるようにしてください。
(冠ゆき)
主な参考記事
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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