No.533仏北部アルマンティエール、中世に起源をもつニユール祭!

公開日 : 2019年08月31日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

フランス北部では、9月以降さまざまな伝統のお祭りが開かれます。

この地方(フランス北部からベルギーにかけて)の祭りの特徴には、大まかに言って、下の2点がよく見られます。

1)街頭でパレード(しばしば土地の「巨人」が参加)を見学する

2)高い位置(多くの場合、鐘楼)から投げたものをこぞって観客がキャッチする

投げるものは、人形、おたま、猫、魚など、さまざま。

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UNESCOにも登録されているアルマンティエール(Armentières)市庁舎の鐘楼 © ville d'Armentières

【ワットルローのベルルーフ祭】

開催時期:毎年9月第2週末

【コミーヌのおたま歴史祭】

開催時期:10月第2週末

【ベルギー、イープルの猫行列祭】

開催時期:3年に一度の5月第2週末(次は2021年)

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アルマンティエール市庁舎前に立つ鼓笛隊© ville d'Armentières

さて、フランス北部の町アルマンティエールの市庁舎のバルコニーから、毎年9月第2日曜に投げられるのは、ニユールと呼ばれるクッキーです。

一説によれば、1510年ごろ、アルマンティエールの領主であったリュクサンブール伯ジャック三世の時代、宴のデザートとして作られた小さなクッキーを民衆に配ったのが起源だとというこの祭り。そのまま Fête des Nieulles(ニユール祭)と呼ばれています。

フランス革命や、コレラの流行、また世界大戦などが理由で、そのたび数年ずつ中断されることはありましたが、いまもなお毎年市民が楽しみにしているお祭りです。

大まかな流れは、金曜日のニユール祭の女王選びに始まり、土曜日は、朝からフリーマーケット。夜は大規模な無料屋外コンサートが開かれます。そうして、すっかり盛り上がった日曜は、大道芸人を交えたパレードが町を練り歩き、夕刻、待ちに待ったニユールが、市庁舎のバルコニーから投げられるというもの。

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大道芸人も活躍するパレード© ville d'Armentières

同市観光局のホームページには、傘をさかさまに持って、ニユール・キャッチを図る人々の写真が載っていて、なるほど、こうやれば、クッキーも割れずに受け止められるのか、と納得しました。その写真はこちらから

今年の開催は、9月14-15日の週末。

2019年度版の主なプログラムは下の通り。

9月14日(土)

8時~17時:Jean Jaurès通り、Lille通り、Dunkerque通りにて。

ブラッドリー(フリーマーケット)

13時15分~16時:St Vaast広場にて。

公開オーディション

16時:Général de Gaulle広場にて。

ニユール祭の女王の戴冠式

20時~:St Vaast広場にて。

野外コンサート

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ニユール祭の女王たち© ville d'Armentières

9月15日(日)

14時半~:町の中心を14時半ごろ出て、Général de Gaulle広場が終点。

大パレード(*今年は、Lille3000エルドラドに合わせたテーマで行います)

18時頃:市庁舎にて

ニユール・キャッチ

パレードの見物、ニユールキャッチへの参加などはすべて無料です。お近くの方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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