No.501フランス労働祭に湧く社会宮殿ファミリステール
5月1日は、労働祭。この日はフランスでは祝日です。
商店や美術館のほか、地下鉄やバスなど公共交通機関もお休みのところが多いので、ご旅行中の方は、どうぞお気を付けください。
すずらん売り
誰も働いていないかと思いきや、この日だけあちこちに出没するのが、スズランの花束やさん。この日だけは、許可なくして、誰でも町角でスズランを売ることができます。5月1日のスズランは幸せを運んでくると言われているので、自分のため、大切な人のために小さなブーケを買い求める人が必ず足を止めるのも、毎年恒例の光景です。
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フランス労働祭の先駆け
さて、フランスで労働祭が祝日となったのは、比較的最近で、20世紀に入ってからのことでした。けれども、それより前の世紀から、文字通りの「労働祭り」をはじめた人がいます。
それは、自ら傾倒する社会思想の理想郷を作り上げたギーズのジャン・バティスト アンドレ ゴダンです。
一番近い高速道路からも30キロメートル離れた静かな町ギーズには、城かと見紛う立派な建物があり、通りかかった人々を驚かせます。これが、ゴダンの作り上げた社会宮殿、ファミリステールです。ゴダンは、このファミリステールのガラス張りの天井を持つ中庭で、労働祭を祝う習慣を作ったのです。
1870年当時、ファミリステール中庭で開かれた労働祭
まさに先駆的イベントだったファミリステールの労働祭!
2019年度版ファミリステールの5月1日
これを記念し、21世紀に入ってから、ファミリステールで、5月1日のお祭りが復活しました!今年の5月1日も様々なイベントが予定されています。
La Spire ©Jean-Louis Fernandez
屋内外で、展示やサーカスのような大胆なパフォーマンスが繰り広げられ、まるでビエンナーレの賑わいです。ゴダンが築いた劇場でも、劇が演じられます。
Transumante©David Dubost
入場料3ユーロは、ファミリステールの見学料も含みますから、もし、初めてファミリステールを訪れるなら、社会宮殿ミュージアムもしっかり見て回る機会です。この日は特別にガイド付きのツアーも複数組まれています。例えば、普段は見ることのできない修復工事中の社会宮殿左翼部分も特別公開されます。
祭りに集うファミリステール前の広場©Lucie Nicolas
住所:Place du Familistère 02120 Guise
日時:2019年5月1日10:00~18:00
入場料:3ユーロ、12歳未満は無料
5月1日は、フランス国鉄のSt-Quentin駅から無料の送迎バスが出ます。
行きは11時45分St-Quentin駅発。
帰りは17時30分発。
無料ですが、席数に限りがあるので、要予約です。(予約は電話03 23 61 35 36)
より詳しくは、是非こちらの記事を!
なお、ゴダンの一生と、彼の築いたファミリステールについては、以前、下の記事に詳しくまとめましたので、合わせて読んでいただけると、様子がよりよく分かるかと思います!
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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