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No.499フランス北部の巨人ガイヤン、ハリウッドデビュー!

カテゴリー:イベント・行事・お祭り / エンターテイメント・音楽・ショー / 文化・芸術・美術 投稿日:2019年4月23日

フランス北部の町ドゥエ(Douai)の鐘楼とカリヨン


フランス北部の町ドゥエは、リル(リール)から30kmほど南方に位置します。


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美しいドゥエの鐘楼©Kanmuri Yuki


その歴史は古く、1188年以前にはすでに自由都市としての地位を獲得していたことが知られています。自由都市の象徴であった鐘楼は、1380年から1475年までほぼ一世紀を掛けて完成したもので、UNESCO世界遺産「ベルギーとフランス北部の鐘楼群 」の一つでもあります。


ドゥエの鐘楼には、1391年からカリヨンが設置されています。カリヨンというのは、音色の違う鐘を打ち鳴らして弾くもので、ドゥエのカリヨンの鐘の数は62と、フランス国内では5番目の規模を誇ります。すべての鐘を合わせると18トンというとてつもなく重い楽器です。ドゥエのカリヨンの一番大きな鐘にはジョワイユーズという名がつけられていて、その重さは5.5トンだそうです。


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ドゥエの鐘楼内にあるカリヨン©Kanmuri Yuki


カリヨンのある多くの町がそうであるように、ドゥエでも、15分おきにそれぞれ異なるカリヨンの自動演奏が聞かれます。カリヨンって、どんな音?という方!
こちらのドゥエ市のサイト から、試聴ができます!


また、土曜日10時45分には、カリヨン奏者の生の演奏が約20分ドゥエの町に鳴り響きます。土曜日ドゥエにお越しの方は、是非耳を澄ませてみてください。

ドゥエの巨人、ガイヤン


さて、前置きが長くなりましたが、ここからいよいよ本題です。
このドゥエの魂ともいえるのが、巨人(ジェアン)、ガイヤンです。


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フランス北部のジェアンたち(*注*ガイヤンではありません)©Kanmuri Yuki


フランス北部に特徴的なジェアン。この地方では、多くの自治体が、それぞれの巨人(ジェアン)を有していて、伝統的な祭りや、何か町を挙げての行事があると、担ぎ出すのを常としています。普段は市庁舎や大きなホールにしまわれたり飾られたりしているジェアンたちは、一見、日本の神輿のような役割に見えます。とはいっても宗教的な意味合いはなく、あたかも実在する人のように話に上るのを聞くと、「おらが町のスター」という位置づけなんだろうなと感じます。


フランス北部からベルギーにかけてジェアンは数多く存在しますが、ドゥエのジェアン、ガイヤン(Gayant)は、最も有名なジェアンのひとりです。なんといってもその誕生は1530年と、500年近く前のこと。家族も増えて、今では、ガイヤン夫妻に子どもが3人います。


他の町のフェスティバルに出現するジェアンも多い中、ガイヤン一家のお目見えは一年に一度だけ。7月5日以降の最初の日曜日がその日にあたります。
夏の暑い盛り、8.5メートルの高さに370キログラムあるガイヤンを動かして町を練り歩く担い手は6人。マダムは、幾分小柄で6.25メートル250キログラムですが、やはり担い手は6人です。
3人の子どもたちは、更に小さく2.4~3.4メートル、45~80キログラム。しかしながら、子どもの担い手はそれぞれたった一人ずつ!というのですから、これまた重労働です。


担い手となる家は決まっており、その家の子孫がずっと引き継いできているそうです。


500年続く伝統、ガイヤン祭が映画に!


フランス北部ではかなり有名なこのガイヤン祭り(Fêtes de Gayant)ですが、500年間、商業目的に使われたことがないこともあり、フランスでも他の地方ではそれほど知られていません。


ところが、今年2019年の3月、このガイヤンがハリウッドでデビューを飾りました!
というのも、ハリウッドの国際独立ドキュメンタリーコンテストで、ガイヤン祭りを扱った映画『Géant(ジェアン)!』(英語名『Giant!(ジャイアント!)』が賞を取ったのです。
制作したのは、フランス人監督トーマ・デエ(Thomas Deshays)氏。ドゥエ出身のデエ監督は、ニューヨークに住んで7年になるそうですが、最近になって故郷が懐かしくてたまらなくなり、このドキュメンタリー映画製作に踏み切ったのだそうです。


内容は、アメリカ人の友人二人を連れて、ドゥエのガイヤン祭りを訪れ、町や人々に分け入り触れ、発見していくというもの。


下は予告編ですが、これを見るだけでも、ジェアンやガイヤン祭りへの人々の愛情が伝わってきませんか?



ジェアンに出会えるフランス北部の祭


ジェアンの登場する祭りについては、これまでもあちこちで紹介してきました。下に主なものをまとめてみましたので、参考にしてください。


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ワットルローのジェアンたち©KanmuriYuki


【ワットルローのベルルーフ祭】
開催時期:毎年9月第2週末
関連記事:フランス北部のローカルなお祭り!フランドルの庶民性を楽しむ「ベルルーフ祭」


【トゥルコアンの巨人の週末】
開催時期:フランスBゾーン冬休みの週末(大体2月から3月にかけての週末にあたります)
関連記事:巨人たちがズラリと並ぶ!フランス北部の「巨人の週末」


【コミーヌのおたま歴史祭】
開催時期:10月第2週末
関連記事:おたまをキャッチして幸運をゲット!「コミーヌのおたま歴史祭」


【アラスのアンドゥイエット祭】
開催時期:8月最後の週末
関連記事:No.221今週末はフランス北部アラスでアンドゥイエット・フリット!


【シュテンヴォルドの夏のカーニヴァル】
開催時期:4月末(2019年は4月27-28日)
関連記事:No.143フランドル地方シュテンヴォルド(Steenvoorde)夏のカーニヴァル


【ドゥエのガイヤン祭り】
開催時期:毎年7月5日以降の最初の日曜
関連記事:No.198フランス北部ドゥエで、世界遺産の巨人、ガイヤンファミリーに会おう!


(冠ゆき)

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名前:冠ゆき

冠ゆき

山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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