No.475スマホ必携でマーラーを聞く型破りコンサート!Youtube経由の参加も可!

公開日 : 2019年01月29日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

いまだ敷居が高いもののように思われがちなクラシックコンサート。けれども、革新的な試みも、よく見られるようになりました。

オーケストラを動員したレクチャーコンサート

例えば、昨年聞いた、ピアニスト、クレール=マリ・ル・ゲ(Claire-Marie Le Guay)のコンサート。リル国立オーケストラとシューマンのピアノコンチェルトを演じるにあたり、インタラクティブなレクチャーを行ってから臨むという面白いアプローチを披露してくれました。

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演奏後寛いだ様子のクレール=マリ・ル・ゲ。写真の使用はご本人の了承を得ています。©Kanmuri Yuki

自ら弾くピアノの音、オーケストラの楽器の音色をひとつひとつ紹介しながら、曲の聴きどころを解説。また観客を指揮者に見立て、息を吸って吐くタイミングに合わせて、オーケストラが出だしを演奏するという体験をさせてくれたり。

コンサートの後言葉を交わす機会がありましたが、非常に気さくな人で、「観客と通じ合う何かを感じるのが好きなの」と話してくれました。

演奏の技術や解釈のすばらしさに加えて、フィーリングを言語化して伝える教師的センスも備えているからこそ、こういう交流を提案できるのだろうと感じ入りました。

ちなみに、クレール=マリ・ル・ゲは、2019年1月に日本でもコンサートをいくつか演じたところ。3月22-23日には、再び新日本フィルハーモニー交響楽団とラヴェルのコンチェルトを弾きに来日するそうですから、興味のある方は是非チェックしてみてください。

スマートフォンを活用したスマートフォニーコンサート

さて、現代において、コンサート場での常識のひとつに「携帯電話をオフにする」というものがあります。

この常識を覆すコンサートを提案するのは、リル国立オーケストラの若きマエストロ、アレクサンドル・ブロック(Alexandre Bloch)です。2016年9月リール国立オーケストラのディレクターに就任したばかりのアレクサンドル・ブロックは、1985年生まれの、いわゆるジェネレーションY(Y世代)。ハイテクとともに成長し、スマートフォンを含むテクノロジーは生活の一部と、自分でも認めています。

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アレクサンドル・ブロックとリール国立オーケストラ©Ugo Ponte

そんなマエストロがWaigéoに開発してもらったアプリがスマートフォニー(Smartphony)です。(こちらはiTunes上のスマートフォニー

2018年スマートフォニーを使った最初のコンサートでは、ストラヴィンスキーを披露し話題になりました。

ゲーム感覚でコンサートを楽しむ

そうして、いよいよ今週末2月2日(土)には、二度目となるスマートフォニーコンサートが演じられます。

観客は、あらかじめ自分のスマホにスマートフォニーをダウンロードしておき、コンサート中に、曲に関するクイズやゲームをインタラクティブに楽しんだり、曲のテンポやニュアンスのリクエストをスマホから送ったりするのです。マエストロは、観客のリクエストに応じて、オンタイムで演奏を変化させるという難しい役目も果たします。

スマホに付き物(?)のセルフィ―も推奨されていて、コンサート後半には、投票で選ばれたセルフィ―をアップした観客が舞台の上に招待されるという特典までついています。

Youtube経由での参加も可能に!

いうなれば、演奏とゲームを一体化したようなスマートフォニーコンサート。今回演じられるのは、マーラーの交響曲第一番「巨人」です。

場所はリールのヌーヴォーシエークル(Nouveau Siècle)

日時は、2月2日(土)18:30~

チケットは、5~55ユーロ。予約はこちらのサイトから

えー、今からなんて行けやしない!という方、ご安心ください。

今回は、同時にYoutubeでもコンサートに参加できます。リール国立オーケストラのチャンネル、あるいは、France 3 のサイトをご利用ください。英語の字幕付きです。

日本時間だと、2月3日(日)朝2時15分からになりますので、ちょっと眠いですが、スマートフォニーコンサートを体験する機会です!

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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