No.432猛暑のフランス注意点と過ごし方+パリ、メトロの冷房事情

公開日 : 2018年07月26日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

世界的に酷暑の今夏。ヨーロッパも例外ではなく、特に今週は、前代未聞の気温があちこちで観測されています。

私の住むフランス北部も、明日の予測気温は37℃と、初めて聞く数値!

昨日から、パリとその近郊、イルドフランスと並んで、北部ノール県にも、高温オレンジ注意報が出ています。

一般的な話ですが、この時期の気温や過ごし方の注意点について、日本との違いを踏まえてピックアップしてみますので、参考にしてみてください。

1.まず、基本的に、日本とは、一番暑い時間帯や、涼しくなる時間が微妙に異なります。

北フランスの場合、一番涼しいのは早朝。そうして正午まではまだ「朝」という感覚です。最も暑いのは午後になってから。そうして、その午後は、日本で言うところの夜まで続きます。日の長い今の時期の特徴で、20時、21時はまだまだ日中の暑さが残りますから、日本のような「夕涼み」は期待できません。

2.ホテル、レストランには、冷房がないところが多くあります。暑い時期に重なる場合は、エアコンの有無をしっかり確かめてから予約しましょう。

3.確実に冷房があるのは、ショッピングセンター。大型スーパーマーケットなど。実際、そういうところで涼をとるフランス人も多くいます。

4.もう一つの涼しいスポットのおすすめは、大聖堂や教会です。分厚い石で外気と隔てられていますから、ひんやりとした空気が保たれています。

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ひんやり涼しい教会の中

5.反対に注意が必要なのは交通機関です。日本では冷房のない地下鉄など考えられないかもしれませんが、フランス北部では、地下鉄、バス、トラムに冷房がついていないことがほとんどです。パリの地下鉄も例外ではありません。

パリの地下鉄については、昨日Le Parisien紙の記者が、気温測定を行った記事がありましたので下に要点を紹介しましょう。

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パリのメトロ

記者が、昨日気温測定した時間帯のパリの外気温は、31.2℃。

結論から言えば、最も暑いラインは6番線の33.4℃だったそうです。6番線は、地上を走る距離の長いラインで、良い季節には、パリの景色を見られるという利点があるのですが、この季節は、熱帯温室状態になってしまうのです。冷房がないのですから、当然と言えば当然の話。

外気を取り入れる換気システムが付いている4番線、7番線、8番線、13番線の社内温度は、31.6~32℃。

もう少し進んだシステム、外気を冷やしてから車内に取り入れる換気システムを備えているのは、1番線、2番線、5番線、9番線、14番線。こちらは31.4℃。

最新のシステム、ミストシステムを備えているのは2番線だそうで、こちらの車両は29℃。ただし、故障していることもままあり、その場合は、やはり外気より高い温度になるようです。

同記事によれば、パリの地下鉄を運営するRATP社は、環境を考慮して、今後も地下鉄に冷房をつけるつもりはないそうですが、猛暑が例外的なものでなくなる日がくれば、そうも言ってられないのでは、という気もします。

東京オリンピックの次はパリオリンピックですが、6年後の夏の気温は、どうなっていることでしょうか。

この暑さ、まだ今週末まで続きます。ご旅行の方は、無理をせず、適度に休みながらゆっくり旅をされますように。くれぐれもお気を付けください。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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