No.427フランス北部の港町カレーの特産品は、繊細なアレ!

公開日 : 2018年06月11日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

ドーバー海峡の海底トンネルの入り口があることで有名なフランス北部の港町カレー。

歴史の中では、イギリスやスペインの領土だったこともある町で、国の歴史的建造物指定を受けている建物やモニュメントが複数残ります。

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カレー市庁舎

カレーの市庁舎は、20世紀はじめに建てられたものながら、写真の通り人目を引く外観で、その鐘楼は2005年にユネスコ世界遺産の指定を受けています。

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ロダン作「カレーの市民」

この市庁舎のすぐ近くには有名なロダンの彫刻『カレーの市民(Les bourgeois de Calais)』が見られます。これは14世紀の百年戦争中、イギリス軍がカレーを包囲した際の史実に基づいて作られたものです。

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オート・ダンテル展から、シャネル2016年春夏コレクションのドレスに使われたリバーレースアップ。レースに更に手で刺繍が施されています。©Robin

さて、この町カレーには、もう一つ忘れてはならない特産品があります。それは、非常に緻密で繊細なモチーフを可能としたリバーレースです。

フランス北部は、良質なリバーレースの生産で知られています。特にカレーとコードリー(Caudry)のレースは、高級プレタポルテや、オートクーチュールでは引っ張りだことなる品物。例えば、英国キャサリン妃のウェディングドレスに使われたのも、コードリー産のリバーレースでした。

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レース・モードセンターのファサード一部

こういう背景ですから、カレーに、レースをテーマにした博物館、レース・モードセンター(Cité de la dentelle et de la mode)が存在するのも、当然のことと言えます。

住所:135, quai du Commerce, 62100 Calais

開館時間:4/1~10/31:10時~18時、11/1~3/31:10時~17時

定休日:火曜日

入場料:特別展のみは4€。常設展+特別展で7€。

常設展では、レースの歴史を振り返ることができ、また、実際にリバーレースを作る機械のデモンストレーションを見ることができます。

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貴重なリバーレース機

このレース・モードセンターで、この週末始まったのがHaute Dentelle(オート・ダンテル)展です。会期は、来年2019年1月6日まで。

詳しくは、こちらの記事に書いたので、よろしければ、そちらもご覧ください。

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オート・ダンテル展から、Alberta Ferretti 2016年春夏コレクションのドレス©Robin

素材のレースが、どういう変遷を経て、ドレスを形作るにいたったのかを辿ることのできる、稀有な機会となっています。

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オート・ダンテル展から、Alberta Ferrettiドレスのアップ©Robin

カレーは、リールから列車で 30分から 1時間半の距離。片道 20ユーロ未満です。日帰りも可能ですので、リールの滞在が長い方、フランスからイギリスへ行く予定の方は、ぜひ立ち寄ってみてください。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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