No.425ルーベ経済文書センターで見る五月危機のデータ展

公開日 : 2018年06月04日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

以前No.25や、No.14 の記事にも書きましたが、フランス北部は、繊維産業で大いに栄えた歴史を持っています。

今でもルーベ(Roubaix)をはじめ、このあたりには、赤レンガ造りの工場跡が多く残っていて、いくつかは、博物館、美術館、学校、アウトレットのショッピングセンターなどとして活用されています。

そのうち、19世紀半ばに建てられたMotte-Bossut et Cie(モット・ボシュ社)の紡績工場は、現在、フランスの経済関係の文書、映像などを保存管理するセンター、Les Archives nationales du monde du travail(ANMT)が入っています。ANMTは、フランス文化省所属の機関です。

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モット・ボシュ旧紡績工場

うまい訳語が見つかりませんが、このANMTは、言ってみれば、経済文書専門の図書館+視聴覚センターのような場所で、一般人も登録すれば、データ参照が可能です。

住所:78 Boulevard du Général Leclerc, 59100 Roubaix

閲覧室の開館時間:火曜~金曜、9時~17時

最寄り駅:地下鉄2番線 Eurotéléport下車、またはRoubaix行きトラムEurotéléport駅下車

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入り口はこちら

さて、このANMTでは、現在五月危機についてのエキスポ「Usine Mai 68」を開催中です。学生運動に始まり、労働者に波及して、多くの工場、交通機関がマヒした1968年の五月危機。労働者の大半、総勢700万人がストに参加しました。

2018年は、五月危機からちょうど50年ということで、さぞかし話題に上るものと思っていましたが、意外なほど耳にすること少なく、5月も終わってしまった感があります。

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その中で、このルーベのエキスポでは、工場での五月危機に絞った内容ながら、当時の空気が、感じられるよう工夫されています。ただし、展示はすべてフランス語。映像もフランス語のみですので、残念ながら、観光客向けではありません。また、何の前知識もなく行くと、分かりづらいかもしれません。その点どうぞご留意ください。

「Usine Mai 68(工場、五月危機)」展

会期:2018年5月17日~9月16日

時間:月曜の9時~12時、火曜~金曜の9時~17時

入場料:無料

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なお、旧モット・ボシュ紡績工場の建物は、なかなか威容を誇る外見です。

近くを通る機会があれば、ぜひ外からでもご覧になり、当時の繁栄ぶりを偲んでほしい建物のひとつです。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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