No.407リールの町中五つ星ホテルは500年の歴史をもつ施療院
先日のNo.405を読んで、「あれ?回廊のあるホテルって、リールの駅近くじゃなかったっけ?」と思った方。
あなたは相当なリール通です!
それは、エルミタージュ・ガントワホテル(L'Hôtel Hermitage Gantois Lille)。現在リールに三軒ある五つ星ホテルのひとつです。
場所は駅からそう遠くないピエール・モーロワ通り224番地(224 rue Pierre Mauroy)。この通りは、ついこの前までパリ通り(rue de Paris)という名前でした。まだガイドブックの類は変更がされていないかもしれませんので、旅行にいらっしゃる方はご注意ください。
話が飛びますが、ピエール・モーロワは、フランス北部出身の政治家。ミッテラン大統領時代には首相も務めましたが、何よりも長くリール市長を務めたことで知られています。2013年に亡くなってからは、その名前が公的施設に使われることも増え、例えば、ヴィルヌーヴダスクにあるスタジアム(No.36)も、ピエール・モーロワという名前です。
さて、このエルミタージュ・ガントワホテル。なんと500年以上の歴史をもつ建物を使っています。その起こりは、15世紀のブルジョワが建てた、貧しい病人のための施療院。世話をしたのは、聖アウグスチノ修道会の修道女たちでした。
その後、17世紀のチャペルなど、時代を追って、施設は大きくなりました。
複数あった中庭のうち、一番大きなものは、現在、ガラス張りのバーに変身しています。ここの雰囲気が、No.405で紹介したレストランにちょっと似ています。高い吹き抜けのガラス張り天井。開放的な空間に、居心地よいソファが並びます。
バーに揃うアルコールは驚きの充実度!シャンパーニュやワイン、カクテルは当然のこと、ウィスキー一つとっても、世界各国のものが100種類以上!ちなみに、日本のウィスキーも4種並んでいました。
なお、リルの旧施療院博物館協会(Association du musée hospitalier)は、毎週火曜日14時半に、このガントワ元施療院の見学ツアーを開催しています。多分説明はフランス語だけだと思うので、フランス語がわかる人限定ですが、より詳しくこの建物の歴史が知りたい方は参加を検討されてもいいでしょう。
そうでなければ、ホテルに泊まるなり、バーでお茶を飲むなりしたついで、館内を散策されることをお勧めします。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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