No.274ノールで本屋と言えばFNACじゃなく......?
フランスで本屋と言えば、誰でも最初に挙げるのがFNAC(フナック)でしょう。本だけでなく、CDやDVD、電化製品、コンサートや劇のチケットなども扱っていて、フランス全国に展開しています。
ところがしかし、ここ北のノールでは、本を探すとき一番あてになるのは、FNACではなく、Furet du Nord(フュレ・デュ・ノール)なのです。
赤い旗の出ている店がFuret du Nord
フュレ・デュ・ノールは、「北のフェレット」という意味。1936年書店を開く時、毛皮屋のあった場所に、その店の名前をそのまま使って開店したのが名前の由来だそうです。
最初の書店員となったPaul Callens(ポール・カランス)は、トゥルコアンの肉屋の息子でしたが、書籍へ並々ならぬ熱情を持っていて、とうとう1950年に友人の協力を得て、この書店を買い取ります。
FNACの誕生より数年早い時代の話です。
カランス氏は、1959年には、競争率の高かったリールのグラン・プラスの敷地を手に入れ、そこに200平方メートルの店を開きました。フランスにできた自由に本を選ぶことのできる本屋第一号だったといわれています。
この200平方メートルで始まったグラン・プラスのフュレ・デュ・ノールは、その後ぐんぐんと成長し、今では、8000平方メートルの規模、一日の来店数は1万人以上を数えます。
リールのグラン・プラスのすぐ近くにはFNACもあるので、本を探すときは両方見て回ることもよくありますが、やはり本の選択や品ぞろえは、フュレ・デュ・ノールに軍配が上がるというのが私の印象です。
フュレは、ノール・パドカレー地方に十数店の支店を出していますが、リールのグラン・プラス店がなんといっても一番です。本の他、ディスクや、文房具なども良く揃っています。
リールにいらしたら、ぜひ一度はフュレ・デュ・ノールののれん(?)をくぐってみてください。
(冠ゆき)
(11月お題"図書館・本屋")
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。