No.267パリ・テロ事件後の週末明け:近隣諸国の様子、フランス観光施設の状況など

公開日 : 2015年11月17日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

フランスのテロ事件(No.265266)。昨日日曜から三日間の服喪期間に入っているフランスです。

服喪期間、普段との違いはというと、公共の施設では、弔意を示す半旗あるいは弔旗が揚げられること。半旗とは、普通の高さの半ばまでの高さに揚げられた国旗で、弔旗は、黒いリボンを結んだ国旗です。

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テロ事件の起こった金曜夜以来、「緊急事態(état d'urgence)」が宣言されているフランス。この緊急事態においては、大きな集会などは制限されます。また、通常の手続きを経ずに家宅捜索を行うことが可能になります。

功を奏して、夕べ日曜夜までに、168の家宅捜索が行われ、23人が勾留されました。また31の武器を押収したというニュースも流れています。

パリのテロリスムと関係して、ベルギー・ブリュッセルのMolenbeek地区でも7人の逮捕者が出ました(その後5人は釈放)。また、アルプスを越えたイタリアでも、テロ関連者と見られる容疑者をトリノのあたりで捜索中です。

上記「緊急事態(état d'urgence)」は、12日しか効力をもたず、それ以上の期間続けるには、議会の承認が必要となります。オランド大統領は、これを三か月に伸ばしたいと考えており、そのため、12日後には、議会で投票が行われると考えられます。

また、国内の取り締まりは強化されています。パリの地下鉄を含め、フランス国鉄もほぼすべて平常の運行を、テロ後すぐに取り戻しましたが、セキュリティチェックは厳しいものとなっています。空の便も同様。

また、国境を通る車の取り締まりも行われています。シェンゲン協定を結んだ国の間を動く場合でも、パスポートは必ず携帯するようにしてください。

大きな集会は、オフィシャルには禁止されていますが、追悼の意を表す人々が、フランスを代表する名を持つ各町の「レピュブリック(共和国)広場」や、惨事のあった場所などに、花やろうそくを手向ける行動が多く見られます。

日曜夜は、パリ・ノートルダム寺院で追悼ミサがあり、多くの人が集まりました。中に入れたのは1500人のみ。入れなかった人々も推定2000人ほどいたとされています。

パリ・ノートルダム寺院追悼ミサの様子

今日16日正午には、フランス全国で1分間の黙祷が捧げられました。パリではメトロ・トラム・バスともに交通を1分間停めての黙祷。ラジオなども沈黙の1分間を流しました。

週末の間、パリの文化施設はほぼすべて閉まっていましたが、私の住むノール・パドカレー地方は、通常通り開館。

パリでも、日曜午後は映画館が開き、今日月曜からは通常の開館時間に従って開館が予定されています。パリのマルシェ・ド・ノエルは、テロの直前開幕したところでしたが、今のところ休業状態。18日(水)より再開される予定です。

パリのユーロディズニーも、18日(水)より開園します。

町の様子はほぼ平常通りながら、週末からこの方、笑顔の人を見たような覚えがありません。ちょうど天気も悪くなり、気温も5度ほど落ちたこととも関係あるかもしれません。

ネット上では早い時期から、SNSなどで、パリに寄り添う発言や画像が投稿され、それらはフランスでも大きく取り上げられています。

喪に服して明かりの消されていたエッフェル塔でも、今晩から水曜夜までは、トリコロールに染まることになりました。

テロ事件に関する続報や、観光施設の開館閉館情報などは、その都度twitterで流していますので、よろしければ、そちらもご覧ください。

またNo.262でも触れましたが、海外へ出られる方、すでに海外にいらっしゃる方は、ぜひ外務省サービス「たびレジ」にご登録ください。

外務省 海外安全ホームページ

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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