No.178フランス北部を代表するスペキュロス風味のアイスクリーム
スペキュロス(spéculoos)は、今でこそフランスの他の地方でも見かけるようになりましたが、私が初めてヨーロッパに足を踏み入れた80年代には、ベルギーと、フランスの最北部でしか知られていないお菓子でした。
スペキュロス
シナモンと丁子をたっぷり含んだ薄い茶色のクッキーで、この地方でカソナード(cassonade)と呼ばれる、ビーツ(赤砂糖カブ)で作った砂糖が使われています。
カソナード
生姜を入れるレシピもあるようで、スパイスが多いあたり、パンデピス(pain d'épice)やジンジャーブレッド、ポーランドのピエルニック(piernik)とも似ているように思います。
ポーランドのピエルニック
こういうスパイス味は、ヨーロッパでは冬の味です。例えば、クリスマス・ビールも、ほのかにスパイシーな味が特徴だったりします。
スペキュロスも、もともとは、冬のもので、聖ニコラ(No.48参照)のお菓子として有名でした。形も聖ニコラをかたどったものが普通だったようです。
ベルギーでは、昔から、コーヒーを頼むと当然のようにスペキュロスがついてきて、非常にメジャーなクッキーです。
最近では、スペキュロス風味のジャムというかピーナツバターのような形状のものが売られていたり、お菓子のトッピング用にスペキュロスの粉が売られていたりもします。
粉末スペキュロス
そうして、ここからようやく本題ですが、スペキュロス風味のアイスクリームもあるのです。
味も、かなりお薦めです。
スペキュロス風味のアイスクリーム
蓋を開けると...
今回は、家庭用アイスクリームの紹介ということで、オーシャン(Auchan)マークのものを選んでみました。
なぜオーシャンか。
なぜなら、オーシャンはここノール県が発祥の地だからです。1961年に最初のスーパーマーケットを開いたオーシャン。今ではフランス国内でカルフールと1,2位を争うチェーンとなっています。
オーシャングループを立ち上げたのは、フランス人でその名を知らない人はいないくらい有名なジェラール・ミュリエーズ(Gérard Mulliez)。先見のそのまた先を見抜くような素晴らしい哲学と商法で、ミュリエーズ・グループを作り上げ、またその組織がうまく動くシステムを作り上げた人です。
ということで、北を代表するスペキュロス・アイスクリーム。オーシャン・ブランドで更にノール(北)イメージを強調してみました。
スペキュロス・アイスクリーム
スペキュロス風味のデザートは、レストランなどでも多く取り入れられ始めています。ぜひフランス・ノールへいらしたら、スペキュロスとスペキュロス・アイスクリームをご賞味ください。
(冠ゆき)
(6月お題"アイスクリーム")
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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