No.165無形文化遺産ベルギー・モンスのお祭りDoudouは5月28日夜から6月7日まで!

公開日 : 2015年05月28日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 ベルギー、モンスは、ベルギーのワロン地方、つまりフランス語地域に位置する町。人口10万人に満ちませんが、起こりは古く、7世紀には、既に立派な礼拝堂が建てられていたことが知られています。10世紀にはエノー伯領の中心地となりました。

 その後、ブルゴーニュ公やスペイン、オーストリア、フランス、ネーデルランドの統治を受ける中、フランス北部同様独特の文化が育ちました。二度の大戦で害を被ったとはいえ、歴史的建築物も多く残っています。

165-1.JPG

モンスのグラン・プラス

No.82に書いたように、今年は、欧州文化首都に選ばれ、モンスでは多くの文化行事が開かれています。

 また、4月には、博物館もいくつか新しく開きました。

 そのうちの一つが、Musée du Doudou(ドゥドゥ博物館)です。ドゥドゥ(Doudou)というのは、1349年から行われているモンスの古いお祭りで、毎年三位一体の祝日に行われます。

 三位一体の祝日は、聖霊降臨祭(フランス語でパントコートNo.151参照)の翌週に当たります。今年は聖霊降臨祭が5月24日でしたので、5月31日が三位一体の祝日です。

165-2.JPG

ドゥドゥ祭りの様子(拡大してご覧ください)

 2005年に、UNESCOの無形文化遺産として登録されたこのお祭りドゥドゥ。大きな盛り上がりは5/30(土)と5/31(日)の次の四つのポイント。

1)土曜夜:聖ウォードリュの聖遺物箱をおろす。聖ウォードリュは、モンスの町の創立者と知られる貴婦人です。モンスの一番大きな教会は、聖ウォードリュ教会で、普段は、その中の高い梁の上に、聖ウォードリュの聖遺物箱が置かれています。ドゥドゥ祭りのために、この聖遺物箱を下ろす儀式は土曜夜行われます。

165-3.JPG

堂々たる聖ウォードリュ教会

165-4.JPG

聖ウォードリュ聖遺物箱

2)日曜朝:聖遺物箱を「金の車」に乗せて、お神輿のように町を練り歩きます。中世の衣装を身につけた人々も、行列を作り、見ものです。

165-5.JPG

金の車

3)2)の行列の終わりに、教会脇の急な坂道を一気に「金の車」が乗り越えるよう、皆が「金の車」に手を添えます。ここを一気に乗り越えることで、町は災厄から逃れられると信じられています。

4)聖遺物箱が教会に戻るころ、伝説にある聖ジョルジュ(聖ジョージあるいは聖ゲオルギオスとも呼ぶ)の龍退治が始まります。大体12時半ごろで、場所はモンスのグランプラス。この戦いは、リュムソン(Lumeçon)と呼ばれ、聖ジョルジュのほか、40数体の参加者のいるこの戦いは30分ほど続き、最後は聖ジョルジュの勝利となります。

 これに先立ち、28日16時には開会イベント、29日夕方以降と30日も予行演習や、カリヨンコンサート、行列などが行われます。また、最も盛り上がる5月31日以降も、6/1(月)6/2(火)と、音楽やパレードが続きます。

165-6.JPG

モンスの鐘楼

 そうして、翌週6/6(土)には、子供のリュムソン用の行列。6/7(日)には、再びグランプラスで、子供リュムソンが行われます。

 詳しいプログラムはこちらをご覧ください。

 また、上述のドゥドゥ博物館は、この祭り中、特別に開かれます。5/31は14時から18時。6/1は10時から18時開館の予定。

住所:Jardin du Mayeur, Grand'Place, Mons

開館日(普段):火曜―日曜の10時―18時

入館料:大人9ユーロ

 モンス駅は、元城壁のすぐ外側にあり、内側は、歩いて周ることのできる距離です。

鐘楼は現在工事中ですが、この夏には公開予定。また教会や博物館も複数あり、町自体も歴史を感じさせる素敵な場所で、欧州文化首都に選ばれたのも納得できます。

 今年ベルギーへ来られる方はぜひ寄ってみることをご検討ください。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。