No.58モン・サン・ミッシェルへの道が橋だけになりました
フランス、モン・サン・ミシェルといえば、フランスでパリの次に訪れる観光客の数が多いと言われる名所。UNESCO世界文化遺産にも登録されており、行ったことはなくても、写真や映像でご覧になった方も多いことでしょう。
もともとは、小島で、そこに築かれたサンミシェル僧院を中心に取り巻くように建物が増えて出来たのが今の形。内部の路地や通路は複雑に入り組んでおり、島全体が迷路のようにも思えます。人が多い時期には、一旦入り込むと出口にたどり着くのも一苦労で、頑丈な要塞としての機能も備えているのがよく分かるつくりです。実際、歴史の中では、牢獄として用いられた時期もありました。
そのモンサンミシェルですが、19世紀終わりに作られた堤防で陸地と結ばれていました。10年ほど前までは、堤防の上の一部は駐車場にもなっていて、車で島の入り口近くまでいけるようになっていました。潮が満ちてくると、一部は海に浸かってしまう場所で、時間を確認し忘れたのか、観光客の車が海に浸かってしまうのを目にすることもありました。
モンサンミシェルを陸と結んでいた堤防
この堤防があることで、潮が運ぶ砂が堆積するようになり、モンサンミシェルの陸地化が進むことを懸念して、2006年より、1億8500万ユーロを掛けて工事が始まりました。
これにより、堤防の手前に大きなパーキングが出来、観光客は誰もがそこで車を降りて、徒歩でモンサンミシェルまで行くか、ミニバスで、堤防の向こうまで運んでもらうという形式になりました。
今年7月22日には、モンサンミシェルと駐車場を結ぶ橋が出来ました。オーストリア人建築家Dietmar Feichtingerによるもので、幅11メートル、長さ760メートルのものです。
そうして、この金曜12/12より、徒歩でモンサンミシェルに向かう観光客だけでなく、バスも馬車もすべてこの橋を通ることになりました。
堤防は、2015年中に完全に取り壊される予定です。
上から見た堤防
2015年の2月20日と3月21日は、1999年以来の高さの満潮が予測されています。同じ高さのものは、このあと、2073年まで見られないとか。
この日のモンサンミシェル行きを予定の方は、満潮時に合わせて行かれると圧巻の景色が見られるかもしれません。
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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