No.42 最も身体を温めるポトフの正しい!? 食し方:フランス北部
ポトフというと、もう日本でも大抵の方がご存知の料理となりました。要するにフランス風おでんとでも言いましょうか。基本的に、いろんな部位の牛肉を、冬野菜と一緒にことこと煮込んだものです。味付けは、塩コショウ以外、ブーケガルニと丁子。供するときに、お好みでグロセル(gros sel)と呼ばれる粗塩やマスタードを加えてもらいます。
骨付き肉は外せない材料の一つ。特にすね肉は大切で、その骨髄も食するのが本来の形です。イタリアのオッソブコの材料と言ったほうが、通りがいいでしょうか。
左側が牛のすね肉
冬野菜は、何でもいいですが、例えば、人参、蕪、ポロねぎ、玉ねぎ、キャベツ、セロリなど。煮るときには、玉ねぎに丁子を突き刺します。
玉ねぎと丁子
圧力鍋があれば、そのほうが早いでしょうが、普通のお鍋でも簡単にできます。出汁に重きをおくのであれば、最初からお肉を入れますが、お肉の味も重視するなら、沸騰してから加えましょう。
ラルース料理事典によれば、食べる順番は、次の通り。
1.まずブイヨン(スープ)。お好みで、クルトンや削ったチーズを振り掛けます。
2.骨髄をトーストしたパンに乗せ、塩を振って。
3.肉と野菜。塩コショウ、またお好みでピクルスや酢漬け玉ねぎ、甘酸っぱいジャムなどを加えて。
でも、本当はもっと自由で良いと思います。
ということで、今日は、寒い寒い冬の日に、ポトフをご馳走になった家で教わった、ラルース料理事典にも載っていない、ポトフの正しい?食し方をお教えしましょう。
まずは、煮込んだポトフの具、野菜お肉、お好きなものをお皿に取って、塩なりマスタードなりをつけて召し上がってください。ヴィネガーを垂らす人もいます。それも身体に良さそうですね。
そうして、スープを最後に、大き目のおわんでいただくのですが、ここで或るものを加えます。
それは、なんと赤ワイン!
お好みによるでしょうが、大体の目安は、おわんの四分の一から三分の一くらいが赤ワインでしょうか。
色はこの通り少し赤黒くなります。
正直言って、最初は半信半疑で口をつけたのですが、これがまた、なんとも美味。
もちろん、身体も文句なく温まります。
ご馳走してくれた人の話によると、昔は、これを朝食(!?)に飲んで、野良作業に出かけたとか。
その辺りは、半分冗談だったような気もしますが、この意外な取り合わせ、一回飲むと病みつきになるほど、この季節にぴったりなお味。
ワインは、もちろん安物でOK。ポトフと限らず、冬野菜とソーセージの煮込みスープなどにも応用できそうですね。冷え性の方、是非一度お試しあれ。
(11月お題"スープ")
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。