No.33カミーユ・クローデル生誕150年記念展:ルーベ・ラピシーヌ工芸美術館

公開日 : 2014年11月14日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 類稀な才能を持つ彫刻家として名高いカミーユ・クローデル(1864-1943)の生誕150年を記念して、ルーベ・ラピシーヌ工芸美術館で、カミーユ・クローデル展が開かれています。

 開催期間は今月8日から、2015年2月8日までの予定。

11-3.jpg

 この展覧会では、150年を記念して、150の作品が展示されています。カミーユ・クローデルの作品がほとんどですが、同時代の芸術家の作品も含まれます。彼女の初期から時代を追って、ロダンとの出会いとその影響を受けた時期など、作品の変遷を見ることができます。

 イザベル・アジャーニ主演による1987年の映画『カミーユ・クローデル』をご覧になった方は、その強烈な個性と、悲劇的な人生を覚えていらっしゃることでしょう。実際、ロダンとの出会いと別れは、カミーユに大きな影響を与えました。特に、ロダンとの別れは、精神錯乱をもたらすほど、彼女を追い詰めました。

 ラピシーヌ工芸美術館は、カミーユの1896年の傑作「La Petite Châtelaine(小さな女主人)」を所蔵しており、今回も、この作品は、カミーユが「作品を通して光りを研究した」ことがよく分かるようにと、通路の真ん中に展示されています。

33-1.JPG
33-2.JPG

 そのほかの作品は、オルセー美術館、ロダン美術館、ポワティエの聖十字美術館、また未来のカミーユ・クローデル美術館(ノジャン・シュル・セーヌに2015年内に創設される予定)の協賛によるものです。

 ついでに言及すれば、カミーユの四つ年下の弟ポール・クローデルは文筆家でもありましたが、外交官としても活躍しました。日本へもフランス大使として、五年以上滞在しており、親日家であったことで知られています。ポールは精神的、経済的にカミーユを支えており、ポールをモデルにした作品もカミーユは何点か残しています。

 これだけの作品が一堂に会することはなかなかありませんから、脚を運んでご覧になる価値も充分あるかと思います。

 なお、ラピシーヌ工芸美術館については、拙稿No.14フランス人のお気に入り:ラピシーヌ工芸美術館へ行こう!をご参照ください。

《住所》23 rue de l'Espérance, 59100 Roubaix

《行き方》リール駅より地下鉄2番線でジャンルバ駅あるいはグランプラス駅で下車。徒歩七分。

《入館料》

10ユーロ/7ユーロ(18歳未満無料)

《開館時間》

火曜-木曜:11時―18時

金曜:11時―20時

土曜-日曜:13時―18時

【追記】詳しいレポートはNo.73

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。