カナダ建国150年を、鉄道の歴史から考える

公開日 : 2015年05月21日
最終更新 :
筆者 : MAKOTO
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再来年の2017年7月1日に、カナダは建国150周年を迎えます(これを書いているのは、2015年5月20日)。

カナダには、国としての標語(モットー)というものがあります。多文化主義のカナダですが、原点にはヨーロッパのキリスト教文化があり、標語はキリスト教の聖書から選ばれた言葉となっています。

それはラテン語で「A Mari Usque Ad Mare」。日本語では「海から海へ」と訳されますが、東は大西洋、西は太平洋、北は北極海に面する世界第2位(第1位はロシア、第3位は中国)の面積を持つ雄大な国土を象徴する言葉です。

150年に渡る歴史を見てゆくと、この国は独特なプロセスを経て独立国家となったことに気づかされます。建国を宣言してから独自の憲法を持つ独立国家になるまで、約100年の時間がかかったということが一つ。大変興味深いプロセスです。

歴史はどちらかというと、苦手です

カナダの「150年に渡る歴史を見る」と自分で書きましたが、2年ほど前に調べ始めた時、手元に資料と呼べるようなものがほとんどありませんでした。というより、何から調べたら良いのかがわからず、ただただトロントの古い建物を回っては、その歴史を調べていく、ということがそもそもの始まりでした。

その後、カナダ史の重要な鍵を握るファーストネーションズの歴史を理解する必要に気づかされます。これがまた、今から1万年以上も前に遡る考古学的な知識が必要と知り、世界史も日本史も考古学も、授業の際にはマンガを読みふけっていた学生時代を今頃になって悔やんでみたりしてもあとの祭りでした。

実感のわかない歴史のキーワードの数々と、意味がよく分からない英文資料と格闘する日々が続き、日本語で読むことができるカナダ史を探すものの、どれもピンとくるわけがなく、苦労が続きました。

最近ようやく書店でどの本を手に取ったら良いのかがわかるようになったのは、カナダを巡る歴史のおおまかな部分が見えてきたからなのでしょうか。

あきらめない、ということは大事なんだと思います。

カナダ史を学ぶ場合、どこから何を読み始めたら良いのか? この疑問自体が一つのテーマになるほどでした。これについては別な機会でまとめて見るのも良いかと思っています。

カナダ建国の鍵

カナダ史の、特に建国にたどり着くテーマはいくつかありますが、今回このブログで書いてみたいと思っているのは、いわゆる教科書的な年表でははく、「旅をしながら学ぶことができる」ものをと、選んでみました。

冒頭にご紹介したカナダのモットーである「海から海へ」ということば。具体的にこのモットーを表したものがカナダには一つだけあります。それが、太平洋と大西洋を結ぶ「カナダの大陸横断鉄道」。

これまで学んできたことの中から、頭の整理をしながら、「海から海」を結ぶ大陸横断鉄道からカナダの建国の歴史を眺めると、どんな風景が見えてくるでしょうか。

ごくごく普通の人間が真面目にカナダ史を学ぶといったいどういうことになるのか? という風に読んでいただければ幸いです。カナダに住んでいるという地の利を生かして現場を訪れた時に、何を感じるのか。そんな自分なりの感想も交えてみたいと考えています。

前置きが長くなりましたが、もう一つだけ

一昨年のこと。バンクーバーからトロントまで、大陸横断鉄道として世界的に有名なVIA鉄道「カナディアン号」に乗り、10日間かけてカナダを横断する旅を経験しました。カナダ観光局が企画したもので、旅のタイトルは「Blogger Train」。世界各国のブロガーやソーシャルネットワークで有名な方々が選抜され、カナダの魅力をそれぞれの立場で発信するというチームの中に、なぜか偶然加えてもらうという、今考えても「まさかの幸運」な旅でした。

雄大な大地を誇るカナダ横断鉄道が完成したのは1885年のこと。建国時から今も同じレールの上を列車が走っているということ自体が驚きです。

これについて書くと、これまたテーマが広がりすぎてしまうので、興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

今回は、この時とは別な2つの場所を訪れる旅を計画しました。旅の出発点は、トロント。最初の目的地は、モントリオールにあるカナダ最大の鉄道博物館「Exporail」です。

今日はここまで。これからしばらく、この旅の様子について、書いてみたいと思います。

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