歴史と情緒あふれるユネスコ世界遺産都市アッコ

公開日 : 2016年06月11日
最終更新 :

イスラエルの海岸線の北部、レバノンとの国境の手前に位置する小さな港街、アッコ。

アッコの魅力はくねくねとおり曲がった細い石畳の路地で構成される旧市街が、観光地化されることなく昔のままの状態で残っている点。2002年にはユネスコ世界遺産にも登録されています。ゆっくり観光しても1日で見どころを網羅できる小さな町で、テルアビブから電車で片道1時間半ほどで行けることもあり、日帰り旅行におすすめです。

ユネスコ世界遺産アッコ

アッコの歴史はとても古く、アッコの名が書物に記録されたのは紀元前19世紀エジプトまで遡るほか、ギリシア神話においてはアッコは英雄ヘラクレスが傷を癒した土地とされています。ヨーロッパと中東・アジアの中間地点に位置する重要港であることから歴代の多くの勢力が攻略を試み、この都市に歴史を刻んできました。紀元前3世紀にはギリシャ人の入植が始まり、紀元前333年にはアレクサンダー大王が硬貨の鋳造場を設立。アレクサンダー大王の死後にはエジプト発の勢力、その後にはローマ帝国による統治と続きます。後にはアラブ勢力、十字軍、マムルーク朝、オスマン帝国、イギリスと次々と異なる勢力の支配下に置かれます。なお、1799年には失敗に終わるもナポレオンもアッコの略奪を試みています。

ユネスコ世界遺産アッコ

現存するアッコ旧市街の歴史的建築の多くはオスマン時代に建てられたもので、イスラエル政府の保護政策の下現在も昔ながらの風景を残しているほか、旧市街の人口の95%を占めるアラブ人の生活の場として機能しています。多くの観光地のシューク(市場)ではアーティストのアトリエ兼ギャラリーやお土産屋さんが軒を連ねているのとは対照に、アッコのシュークでは住人の生活のための昔ながらの魚市場や野菜市場が広がり、現地の生活を垣間見ることができることが、アッコ観光の魅力です。

ユネスコ世界遺産アッコ

アッコの観光は海沿いの通りのHaHagana通りを南下しながら散策することをお勧めします。道が綺麗に舗装されており、美しい地中海を臨みながら散歩することができます。そのまま進むと道は旧市街の中に続き、前方右側に城壁が現れ始めまるで中世にタイムスリップしたような感覚を楽しむことができます。

ユネスコ世界遺産アッコ
ユネスコ世界遺産アッコ

一度旧市街の中に入ったら、地図を見るのをやめて好奇心の赴くままに曲がりくねった石畳の道を歩いてみることをオススメします。思いがけないところに色々な発見があり、面白いです。例えば私は狭い路地裏でドアに複数のブーツが吊るしてあるのを発見。なぜそうしてあるかの理由はわかりませんが、オシャレな装飾として古い町並みに溶け込んでいる様子に、思わずカメラのシャツターを押してしまいました。

ユネスコ世界遺産アッコの旧市街
ユネスコ世界遺産アッコの旧市街の様子

アッコの旧市街を取り囲む城壁の上から市街の風景を見渡すのもアッコ観光の楽しみの一つです。特に城壁の上から眺める地中海は最高です。右手にはアッコのマリーナ、左手にはハイファに続く海岸線も見渡すことができます。中央に海に浮かんでいるように見えるものははフライズ・アイランドと呼ばれる石造りの建築で、詳細はわかっていないものの古代にフェキニア人によって建てられたとされ、後に十字軍が増築し、灯台及び旧市街の警備のための砦として活用したものであるということです。

ユネスコ世界遺産アッコの城壁
ユネスコ世界遺産アッコの海岸線
ユネスコ世界遺産アッコの海岸線

アッコへは電車でテルアビブから乗り換えなしで90分で行くことができます(片道運賃は35.5シェケル(1000円程度))。アッコへの路線は、ハイファの駅を過ぎたあたりから海岸線沿いを走るので車窓の眺めが抜群な事も特筆しておきます。アッコの鉄道駅から旧市街へは徒歩20分程度で、比較的アクセスが良いことから、アッコへは電車の旅がオススメです。

列車で手軽に日帰り旅行ができるユネスコ世界遺産都市、アッコ。イスラエルを訪れる際は是非予定に組み込んでみてはいかがでしょうか。

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