イスラエルへの玄関口、ベングリオン空港での出入国事情について

公開日 : 2016年05月17日
最終更新 :

今回は、ベングリオン空港での出入国事情についてよく聞かれるポイントをまとめてみました。下記は全て2016年5月現在の状況です。また、個人的体験が多く含まれており、これらの事情はその時々の国際情勢に左右されますので、本記事はご参考情報として読んでいただければ幸いです。

ベングリオン空港 

<ベングリオン空港について>

ベングリオン空港は、82の航空会社が就航しているイスラエル最大の国際空港で、日本を含め多くの海外旅行客にとってはイスラエルへの玄関口。テルアビブから南に約19キロの場所にある、小規模、小綺麗でモダンな空港です。名前の由来は、1958年5月14日、イスラエルの建国を宣言し、その後初代イスラエル首相となったダビッド・ベングリオンです。

ベングリオン空港
ベングリオン空港

<比較的簡素な入国審査>

厳しいことで悪名高いイスラエルの入国検査ですが、2013年5月以降ここ3年間で8回ほど出入国してきた中での個人的な印象としては、非常に簡素であると言えます。それよりも出国時の方がはるかにチェックが厳しい印象です。

滞在期間が3ヶ月以内のイスラエルへの出張、観光には日本パスポートであればビザは必要ではありません。また、入国カードなどの書類の記入の必要もなく、入国審査でパスポートを提示するのみです。入国審査では渡航理由などについての簡素な質問のやりとりのみで、簡単に通されることが多いです。私の場合、過去数回は質問さえも聞かれず、審査員沈黙のまま入国処理を進め、パスポートを提示してから滞在許可証をもらって審査を終えるまで、1分以内ということがよくありました。なお、検査官は女性の男性も一見強面で無愛想な印象の人が多いですが、淡々と対応すれば全く問題はありません。パスポートを提示する時に元気な明るい声でハロー!とかシャローム!(ヘブライ語でこんにちは、の意味)と声をかければ、一気に場が和むので、このテクニックはオススメです。

現在ベングリオン空港ではパスポートにイスラエルの入国スタンプは一切押されません。発行される名刺大の大きさの入国許可証がスタンプの代わりです。この入国許可証はホテルでのチェックイン時や出国時に提示する必要があるので、無くさないように大切に保管しましょう。

一方で、パスポートに中東諸国に入国した形跡があると、この入国審査に時間がかかり、場合によっては別室で詳細な入国審査を受けることなあるようです。以前に私の日本人の友人で当時よく中東諸国に出張をたくさんしていた人がイスラエルに遊びに来てくれたのですが、それらの国の入国スタンプを不審に思われ、別室での詳細な入国審査を受けることになったことがあります。この場合でも時間はかかりましたが無事にイスラエルへ入国することができました。

<空港から市内への移動はタクシーが便利>

無事入国出来たら、次は市内への移動です。多くの方がまずテルアビブかエルサレムへ向かうと思いますが、これらの都市への移動手段はダントツでタクシーをオススメします。タクシー乗り場は1箇所のみで、わかりやすく表示されているので、迷うことはないでしょう。多くのアジアの国のように、高価なプライベートタクシーやぼったくりタクシーの案内人が到着ホールで待ち伏せしているということはありませんので、安心です。タクシー乗り場にはブースがあり、そこで係員に行き先を伝えると、正規運賃を計算し紙に書き、これをドライバーに渡してくれるので、タクシー代をぼったくられることもありません。この正規運賃も高く設定されているということもなく、街でタクシーを拾いメーター料金を払う時となじレートです。また、イスラエルのドライバーはGPSを利用しますので、行き先のホテル名と住所は、前もって紙に書いておき、ドライバーにそのまま渡してしまうのがオススメです。おおよその目安としてはテルアビブ市内中心市まで所要時間30分、運賃は100シェケル(3000円)ほどです。

<空港ーテルアビブへの電車移動>

テルアビブへの移動は電車でも可能です。ベングリオン空港〜テルアビブまで乗車時間は15分、運賃が13.5シェケル(400円ほど)なので、安くて早い、というメリットがあります。一方で、電車の本数が少ないこと(1時間に1〜2本)、電車は安息日に当たる金曜日夕刻から土曜日夕刻まで運行していないこと、鉄道駅は市内中心から少し離れており結局駅からホテルまでは結局タクシーを利用することになることから、実はあまり便利ではありません。電車を利用する場合はダイヤをイスラエル国鉄ホームページ(英語)から確認できるので、事前に調べておくことをオススメします。

なお、エルサレムは、鉄道駅が市内郊外に位置しており、鉄道駅にもあまりタクシーがいないため、利用する価値はほとんどありません。イスラエルの鉄道の旅についても過去記事で紹介していますので、ご参考ください。

では次に、出国時の事情についてお伝えします。

<空港到着はフライト出発の3時間前を守って>

上記にも触れたように、イスラエルは出国時のほうが手続きが厳しく、時間がかかります。そのため、出発時間の3時間前には空港に到着することが要請されています。場合によっては航空券に2時間前チェックインということが表記されていますが、ベングリオン空港の規定の3時間前到着が優先されますので、注意が必要です。私は過去に航空券に書かれた内容の方を信頼し、2時間前にチェックインしましたが、係員に怒られたことがあります。

まず空港に到着すると、空港の入り口に係員が立っており、パスポートの提示が求められ、どこに飛ぶのか簡単な質問があります。これは大したことはないので、淡々と対応しましょう。

<チェックイン前のセキュリティチェック>

空港内では、チェックインカウンターの前にセキュリティーチェックが設置してありますので、まずここに並びます。自分の番が来るとパスポートと航空券の提示が求められ、係員が「これから複数の質問をしますが、これは全てセキュリテー上の理由によるものです。協力をお願いします」という丁寧な断りを述べた上で、質問を開始します。内容としては、イスラエル滞在の理由、期間、どこに滞在したかなどの基本的な質問のほか、たまにいくらお金を使ったか、などです。私はパスポートにインドネシアとマレーシア、トルコなどのイスラム教国に渡航したスタンプがあるので、これについても毎回必ず詳細(渡航理由、期間、友人はいるか、友人とは密に連絡を取っているのかなど)を聞かれました。これら一連の質疑応答はおそよ5分以内で終わります。

このセキュリティーチェックの一環として、数名に1人の割合で、チェックイン予定のスーツケースを開けて見せるよう指示されることがあります。過去に私もこのスーツケース検査に当たってしまい、中に入っていたワインボトルを出されたことがあります。理由はわかりませんが、このワインボトルはその場で丁寧にラッピングされ別の箱に入れられ、成田空港で受け取ることができる旨説明されました。この別送されたワインボトルは無事ちゃんと成田で受け取ることができました。

<パスポートコントロールの出国手続きは超簡素>

セキュリティーチェックが終わるとパスポートコントロールで出国手続きとなります。ここでの手続きはいたって簡素です。ほぼ無言で手続きが行われます。なお、正面向かって左側に手続き自動化のための機械が並んでおり、日本人でもICチップ内蔵のパスポートを持っていれば、利用することができます。とても簡単に使えるので、有人カウンターが混んでいるときは、活用してみましょう。

<時間がかかる手荷物検査>

出国手続きが終われば、残るは手荷物検査のみです。ここで時間がかかることが多く、3時間前チェックインが要請されている意義を実感します。手順は、成田空港での手荷物検査とほとんど変わらないのですが、(コートは脱ぐ、液体類、電子機器は取り出す、など)カウンターの数が少ないせいなのか、とにかく待たされます。また、この手荷物検査には通常レーン(中央)と、より厳しいレーン(両脇に1列づつ)の2種類があり、後者はおそらく割合が決められた抜き打ち制度になっているようで、手荷物検査場到着時に係員により振り分けられます。私は過去に7回出国したうち、2回はこの厳しいレーンの方に振り分けられてしまいました。2016年4月末の出国でこの厳しい方のレーンに並んだ際は、完了するまでに40分ほどかかりました。

<ショッピング天国とは言えない免税店>

数々の検査を乗り越え、搭乗ゲートのエリアまで辿り着ければもう安心です。免税店で最後にイスラエルのお土産を買っていきたいところですが、、、。実はベングリオン空港の免税店は日本人にとってはあまり充実していないので、日本向けのお土産はできるだけ市内で買ってしまうことをお勧めします。意外なのが、SABON(サボン)やLaline(ラリン)などの日本でも人気でイスラエルを代表するコスメブランドは免税店で売っていません。シャネルなどの外資の化粧品などは豊富な品揃えがありますが、価格設定が日本や欧州より高いため、ベングリオン空港の免税店で購入するメリットはありません。また、免税店にはもちろんイスラエルワインの専門店がありますが、経由便の場合100ML以上の液体を携帯することができませんので、注意が必要です。イスラエルワインを日本へ持ち帰りたい場合は必ず市内で購入し、預け入れ荷物の中に入れましょう。

ベングリオン空港

ベングリオン航空の免税店で購入するメリットがあるものといえば、日本へも輸入されている死海コスメブランド「AHAVA(アハバ)」や、絶大な人気を誇っているヘアケアブランド「Moroccan Oil(モロッカンオイル)」です。後者は、イスラエル発のブランドであることがあまり知られていないようですが、話題になっているにもかかわらず日本国内で希少でかつ偽造品も多く出回っている話を聞きます。確かな正規品を免税で購入できるのは嬉しいところです。なお、主力商品のオイルトリートメント100mlは34ドルで売られていました。また、免税店での同ブランドのヘアケアラインの品揃えが非常に豊富でしたので、ファンの方にとってはとてもお勧めです。

いかがでしたでしょうか。イスラエルでは気温が30度を超える日が増えてきて、これから地中海リゾートとしての観光シーズンを迎えます。今年こそはとイスラエル観光を計画されている方の参考となれば幸いです。

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