人口当たりの店舗数世界第3位!? テルアビブの寿司事情

公開日 : 2016年01月24日
最終更新 :

移民国であるイスラエルは、バラエティー豊かな食文化が自慢です。こうした背景と新しいもの好きな国民性も手伝って、イスラエルでは「アジアン料理」のカテゴリは非常に人気が高く、その中でも突出して人気を集めているのが「寿司」です。テルアビブでは、スシをサーブするレストラン数は100軒を上回り、人口当たりの店舗数では東京、ニューヨークに次いで世界第3位の都市と言われています。 今回は、そんなテルアビブのお寿司事情に迫ります。

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テルアビブの街を歩いていると、「Sushi Bar」の看板を掲げているレストランや、ファーストフードスタイルの小さなスシ屋の数の多さに驚かされます。大型ショッピングモールの中にも必ず一店は入居しているほどの普及ぶりです。有名なチェーン店としては国内でそれぞれ20店舗以上展開しているHasushiaJapanica等があり、高い知名度を誇っています。またイスラエルのウエディングのレセプションでもスシはお馴染みのメニューとなっていて、先日出席した結婚式でもスシのカウンターが出ており、参加者が行列を作っていたのを見かけました。

なお、テルアビブのごく少数派の数件の日本人オーナーのお店を除いては、ほぼすべてイスラエル人オーナー、すし職人さんもイスラエル人か日本人以外のアジア人というのが経営実態です。

テルアビブで普及しているおすしは、カルフォルニアスタイルの「スシロール」が主流。メニュー上では「Maki」や「Roll」と表現され、文字通り巻き寿司です。そしてこうした巻物のなかでも特筆すべきは、ノリでまかずに外側がしゃりになっているもので「Inside Out」と呼ばれています。具は、サーモン+アボガド+クリームチーズといった正統派のカルフォルニア巻きのコンビネーションの他、マグロ+キュウリの千切り、ベジタリアンメニューではサツマイモ+アボガド+卵焼きといったものがあります。その他、太巻き一本ごと衣をつけて揚げたおすしや、アボガドをふんだんに使い、ピーナッツフレークとテリヤキソースでトッピングしたクリエイティブなスシロールに遭遇したこともあります。なお、日本で主流の握り寿司は認知度、人気度ともに低く、メニューの種類もあまりありません。

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(チェーン店Oshi Oshiのデリバリーメニューの一部)

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<食べ方>

特筆すべきは、ソースです。どこの店でも、しょうゆのほかに「テリヤキソース」と「スパイシーマヨネーズ(マヨネーズに唐辛子パウダーを混ぜたもの」の必ず3点セットのソールが出されます。特筆すべきは、多くのイスラエル人が醤油よりテリヤキとマヨネーズの方を好むという点です。ソースの量も皆これでもかというほどたっぷりつけて食べます。そのほか、ほぼすべてのすしやで日本同様に「ガリ」が出されますが、これもイスラエル人は大好きです。概して、強めの味や風味を好むイスラエルの食文化を反映していると言えます。

このように日本とは全く異なる形で調理、サーブされ食べられているお寿司ですが、フランチャイズ店が展開するヘルシーなファーストフードとしての位置づけと、高級アジアンフュージョンレストランがプロデュースする「特別な食事」としての位置づけに大きく2分化されています。ただこれらの両方に共通するのは、お寿司をたべに出かけることは「おしゃれ」であり、「ファッションナブル」であるとみなされていることです。 後者のお店の店内は、ぐっとお洒落したお客で賑わい、照明や音響に工夫がされた大人のためのバーさながらの雰囲気が特徴です。

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一方でテルアビブの一部の若者の間では、初デートではスシレストランは避けるべきとの共通認識があるとのこと。なぜかというと、人によって箸づかいのレベルに差があり、場合によっては相手に恥をかかせたり自分が恥ずかしい思いをする可能性があるからだそう。 お寿司がおしゃれな食事とみなされているからこそ生まれる認識ですね。

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