【ジョージア】初夏のウダブノ村②~ウダブノナイリ・ゲストハウス
サイトで予約を入れておいた「ウダブノナイリ・ゲストハウス」のチャイムを鳴らします。
ゲストが来たということで、ちょっとした騒ぎに。
現在、ウダブノ村を訪れるツーリストは多くありません。
どうやら、予約サイトの確認をしていなかったよう。
↑ウダブノナイリ・ゲストハウス。
私が予約した部屋が使えないとのことで、同じ価格のままで、ひとつ上のランクの部屋に移してもらいます。
予想外の来客に、慌ててベッドメイキングを始める女性。
洗面所を借りようと思ったら、赤ちゃんがたらいに入って水浴びしていました。
↑同価格でツインルームに移してもらいました。
まあ、こちらも急ぐ理由はありません。
「急がなくていいよ」と念を押し、この時間を利用して周辺の散策に出かけます。
↑裏手のニワトリ小屋。
↑庭にあるハンモック。
ウダブノ村からは主に、サガレジョへ続く一本道と、ダヴィドガレジへ続く一本道があります。
いずれも、大草原を貫く一本道。
ダヴィドガレジ方面への道を約1時間歩いてみます。
↑一本道(ダヴィドガレジ方面を臨む)。
宿へ戻ろうと振り返ると、左側には傾く太陽。
草原を渡る涼しい風がやたらと心地よい夕暮れです。
↑一本道(ウダブノ方面を臨む)。
6月初旬のウダブノ村は、夜間は長袖が必要なくらいの寒さでした。
しかし、冬はそれほど寒くないとのこと。
↑ウダブノナイリ・ゲストハウスの朝食。
ウダブノナイリ・ゲストハウスは朝食付き。
一食20ラリの別料金で夕食も付けてもらいました。
冷たい水しか出ないシャワーが難点ですが、ジョージアの片田舎でそれを求めるのはそもそも贅沢と言えるでしょう。
↑ウダブノ村。
ウダブノには、ごく小さな個人商店以外には、買い出しをする場所もありません。
食事で出される牛乳、バター、チーズ、マツォニ(ヨーグルト)などの乳製品はすべて自家製。
↑搾りたての牛乳。
↑自家製のバター。
搾りたての牛乳を飲むのは初めてである気がしますが、まるでココアのような甘さがあります。
ほかの乳製品もすこぶる美味。
↑ペットボトルに入った自家製ぶどうジュースは砂糖不使用。
↑ざくろジュースはほろ苦い味が特徴。
オーナーの老婆はメスティアにも住んでいたそうで、スヴァネティの名物パイである豚肉のクブダリは特にお気に入りの一品となりました。
10頭飼っているという牛が、まったく見当たりません。
↑牛は必ず見つめてくるので、私はたまに会釈してしまいます。
どこにいるのかたずねてみると、日中は勝手に平原の草を食んで回り、夜になると自力で戻ってくるそう。
確かに、草原で出会う家畜の群れには、人間がついていない場合がありました。
↑ウダブノ村で出会う家畜たち。
やはり、コロナ禍でのツーリズムへの打撃は甚大で、現在もほとんど客は来ないとのこと。
こういう地元の宿に泊まると、「日本人ツーリストにもぜひ来て欲しい」とよく言われます。
私もこういった、知られていない穴場スポットを取り上げてみたいと思っています。
↑このほかにはブタなどもいました。
帰りの車の話をしてみたら、日曜日にトビリシに行く予定があるので、一緒に乗せていってくれるとのこと。
一泊延長で帰りの予定が決まりました。
↑ウダブノの大草原と牛たちの群れ。
【マルシュ情報】
ウダブノ村→トビリシ
・日時: 月、水、金、日 8:30発
・運賃: 6ラリ(運賃には交渉が必要な場合があります)
・情報元: 村の女性
【追記】2022年4月訪問時には10ラリに値上がり。
マルシュは宿から電話で呼んでもらいました。
↑ウダブノの大草原。
【注釈】
マルシュの時間はわかりましたが、このマルシュに乗るには、現地でのジョージア語またはロシア語での交渉が必要になると思われます。
なぜなら、現地の人々がこのマルシュを利用しないので、そもそもの存在を知らなかったりするのです。
時間までは情報としてわかりましたが、出発場所の情報はついにわかりませんでした。
つまり、現地でマルシュの日時を伝え、それに乗れるように手配してもらう必要があります。
↑ウダブノ村。
それ以外では、ヒッチハイクに抵抗がない人であれば、一本道上でのサガレジョまでのヒッチハイクは比較的しやすいでしょう。
一本道上を歩いていると、手を挙げていなくても停まってくれる車は頻繁に見かけます。
↑ウダブノの一本道。
また、こういったジョージアのローカルな宿では、ジョージア語とロシア語以外はまず通じないと思ったほうがよいでしょう。
例外的に通じる場合もありますが、あまり期待しないほうがよいと言えます。
そのために、できる限りジョージア語を覚えてみるのもよいでしょう。
↑ウダブノ村。
また、言葉がわからない状態であえて挑戦してみようという手もあります。
私自身、初めてジョージアを訪れた際にそれを試しました。
その際には、筆談ノートと筆記具があるとよいでしょう。
↑ウダブノ村。
役に立ちそうなジョージア語の言い回しをいくつか載せておきます。
いずれにせよ、こういった場所へ行く際は、日程と金銭に余裕を持ち、延泊も視野にいれて行くとよいでしょう。
あと、以下の持ち物は忘れないでください。
↑ウダブノの大草原。
【必要な持ち物】
・飲料水、または水道水を入れるペットボトル
・日射病/熱射病対策、日焼け止めクリーム
・必要な所持金(村にはATMが1台あるそうですが、見つからなかったので、用意するほうがよいでしょう。)
↑ウダブノ村。
【ほかの注意点】
・ハエが付きまとってくる場合があるので、殺虫剤があるとよいでしょう。
・番犬や放牧犬は怖い存在なので、杖や枝などの護身具は持っているとよいでしょう。
・平原地帯で最も危険なのは落雷なので、天気が怪しいときに遠くに出かけないこと。
特に自動車が通らない未舗装のあぜ道は避けるべき。
自動車が通る一本道であれば、早めに助けを求めれば乗せてくれる可能性は高いでしょう。
↑ウダブノ村。
【ジョージア料理についての簡単な解説】
■アジャルリ・ハチャプリ(აჯარული ხაჭაპური/ajaruli khach'ap'uri)
ジョージアのチーズパン全般をハチャプリと言います。
黒海沿岸のアジャラ地方のアジャルリ・ハチャプリは、まるで目のような形のパン生地の上にチーズ、バター、卵がのっています。
↑アジャルリ・ハチャプリ。
■メグルリ・ハチャプリ(მეგრული ხაჭაპური/megruli khach'ap'uri)
ジョージア西部のサメグレロ地方のメグルリ・ハチャプリは中にチーズが入っているパイ状のパンで、上にもチーズがのっています。
上にチーズをのせないと、イメレティ地方のイメルリ・ハチャプリとなります。
↑メグルリ・ハチャプリ。
■クブダリ(კუბდარი/k'ubdari)
クブダリは、ウシュグリ村などで有名なスヴァネティ地方のパン。
コマ切れの牛肉、豚肉、またはその両方、タマネギ、香草をフィリングにしたパイです。
↑クブダリ。
■チャホフビリ(ჩახოხბილი/chakhokhbili)
チャホフビリはジョージアのシチュー。
鶏肉、トマト、香草などを煮込んだスープです。
↑チャホフビリ。
■チャシュシュリ(ჩაშუშული/chashushuli)
チャシュシュリはジョージア語で「シチュー」を表します。
私が食したチャシュシュリは、チャホフビリよりトマト味が濃く赤っぽいものでした。
↑チャシュシュリ。
■マツォニ(მაწონი/mats'oni)
マツォニはジョージアのヨーグルトです。
↑マツォニ。
【旅で役立つジョージア語の会話集】
■უკვე დაჯავშნული ვარ Booking.com-ზე.(uk've dajavshnuli var bookingcom-ze/ウクヴェ・ダジャヴシュヌリ・ヴァル・ブッキングコムゼ)
「予約サイト(ブッキングドットコム)で先に予約を入れています。」宿で最初にこれを伝えられると話が早くなります。
■მარშრუტკას მინდა დავჯავშნო.(marshrut'k'as minda davjavshno/マルシュルトカス・ミンダ・ダヴジャヴシュノ)
「マルシュルートカを予約したいです。」
■ვახშამი მინდა, თუ შეიძლება.(vakhshams minda tu sheidzleba/ヴァフシャミ・ミンダ・トゥ・シェイヅレバ)
「夕食を付けてください。」「トゥ・シェイヅレバ」は「お願いします」の意味で、これだけでもいろいろと使えます。
■უდაბნოში წამიყვანეთ, თუ შეიძლება.(udabnoshi ts'amiq'vanet tu sheidzleba/ウダブノシ・ツァミクヴァネト・トゥ・シェイヅレバ)
「ウダブノまで連れてって下さい。」ヒッチハイクのときに使える一言。「ウダブノシ?」だけでも言えれば、ウダブノに行きたいことは伝わるでしょう。
■ორშაბათი/ოთხშაბათი/პარასკევი/კვირა(orshabati/otkhshabati/p'arask'evi/k'vira/オルシャバティ/オトフシャバティ/パラスケヴィ/クヴィラ)
順に月曜日/水曜日/金曜日/日曜日です。
1ラリ≒34.9円(2021年6月10日現在)
【追記】ジョージア語表記に誤りがあったので校正しました。(21.06.30)
↑ウダブノ村。
↑地図上にゲストハウスの地図表示がないのですが、この"Mamuka's Guesthouse"の2軒北側(上)の建物です。
【ウダブノ村で宿泊した宿】
■ウダブノナイリ・ゲストハウス(Udabnonaili Guesthouse)
・住所: 3800 Udabno,Georgia
予約した部屋は30ラリのシングルですが、部屋が使えなかったため、同額でダブルルームに移りました。
夕食は別料金で一食20ラリでした。
宿の予約はこちらから。
筆者
ジョージア特派員
fujinee
ジョージアのトビリシに住んでいます。音楽や芸術が好きなので、そのような記事が多くなります。
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