45. タシケント市内のバス事情。市バスとマルシュルートカ乗車方法

公開日 : 2022年05月25日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

地下鉄と同じく安価で乗れるタシケント市民の足としてよく利用されている市バス。地下鉄は現在4路線42駅しかなく、市内には地下鉄駅がない地域もまだまだ多いため、市バスに頼る市民も多いのです。もちろん旅行者にとっても、使いこなせば観光の心強い見方にもなります。

人口200万を超える都会だけあってタシケントの市バス路線網は複雑。タシケント市内だけで完結するバスでも100路線以上あるのです。すべての路線を暗記している人はまずいないでしょう。日本にいるようなバスマニアのウズベク人もたぶん皆無。

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バスには番号の他経路が書かれていますが、とにかく文字が小さくて読みづらいのです......

そこで頼りになるのがルート検索アプリです。Googleマップも対応していますが、私が重宝しているのはロシア語圏で有名な地図アプリ、ヤンデックスマップ。Google Play、アップルストアともYandex Maps & Navigator の名で入っています。

このヤンデックスマップではルート検索はもちろん、マップ下部のアイコンをクリックしてTransportモードにすると、バスの位置がリアルタイムで分かるのです(一部のバスは対応不可)。つまり乗る予定のバスはいつ来るか?とか、今やって来たバスは果たして自分が行きたい場所に行くのか?といったことが一瞬で分かるわけです。バスに乗る予定がないときでも、市内を縦横無尽にうごめくバスをマップ上で見るのはなかなか楽しいもの(と思うのは私だけでしょうか......)。


それではバスに乗車してみましょう。バス停はたいてい屋根が付いているので雨の日も安心。商店やカフェスタンド併設のバス停もあり、便利です。
が、時刻表などないですし、それどころかどのバスが停まるか全く書かれていないバス停もざらなので、外国人や旅行者にとっては不便と言わざるをえません。先ほどご紹介した検索アプリを駆使して、乗車するバスを見つけ出しましょう。

なおバスの運行時間は路線によって異なりますが、おおむね6時から22時まで。地下鉄より少し運行時間が短くなります。

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ウズベキスタンらしいこんなオシャレなバス停も

バス停にいると必ず停まってくれる日本とは違い、ボーッとしていると乗ろうと思っていたバスがあっけなく通過してしまうこともあるので、乗りたいバスが来たら右手を水平に出して止めます。以前はどのドアからも乗ってよかったのですが、最近乗車は前のドアから、降車は車体中央のドアからと決められることになったとのニュースが出ていたのでご注意。といっても交通マナーには無頓着な人が多いウズベク人、いくら決められたとはいえこの乗り方が全く定着しない気もしますが......。

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静かでエコな電気バスも増加中

支払い方法について。車内を巡回している車掌さんがいれば車掌さんに、車掌さんがいない小型バスなどでは運転手に直接一律運賃の2000スム(2023年現在のレートで約24円)を支払うことになり、小さいチケットをもらいます(2023年夏に1400スムから値上げ)。このチケットがまたレトロで風情があるのです。

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または地下鉄駅で買える(18. タシケントメトロ徹底解説!乗り方は?料金は?【2022年最新情報】)、ICカードのATTOカードはバスでも利用可能。このATTOカードで支払った場合のみ、1600スムと割安になります。さらに便利なことに、VISA・Mastercardといった一般クレジットカードでも支払いが可能です。大型バスなら車内に支払機が付いているのでピッとしたくなりますが、乗客はたいてい車掌にカードを渡してピッとしてもらっているのでそれに従いましょう(日本の感覚ではよく分からない利用方法ですが......)。

車掌さんが見つからなかった場合は降車時に自分でピッと払って降りればOK。支払機がない小型バスや、カード残高が足りなかった場合は上記の方法で切符を買いましょう。

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降車時は上記写真にもある赤いSTOPボタンを押して降ります。車内の案内放送がないバスがほとんどなので、地図アプリとにらめっこしつつ降りるバス停を探すのがいいでしょう。

なおタシケントでは市バスのほか、マルシュルートカと呼ばれるミニバス(日本語では乗り合いバンともいう)も走っています。先述のヤンデックスマップの経路検索画面では、緑カラーの市バスに対し紫カラーで表示されるのがこのマルシュルートカ。
こちらは車内がとにかく窮屈、降りるときは運転手に自己申告しないといけない(ロシア語でОстановите アスタナヴィーチェ:停まってください)、など市バスよりさらにハードルが高い乗り物ですが、スムーズに乗れたらこれであなたも立派なタシケント市民。

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また路線ごとに運賃が違い(市内移動ならたいてい2000~3000スム)、車内に料金が書かれていることもありますが、なければСколько стоит?(スコーリカ ストーイト?:いくらですか?)と尋ねましょう。運賃は運転手に直接支払いますが、後方座席にいるなら前方の乗客に頼んでバケツリレー方式で運賃を渡してもらいます。

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お札が行き交うマルシュルートカ車内

乗り方を知れば行動範囲がグンと広がり、お金の節約にもなる市バス。地下鉄やタクシーと比べるとちょっと難易度が高い交通機関ですが、タシケント観光の際はぜひチャレンジしてみてくださいね!
なおサマルカンドのバス情報を紹介した記事も執筆し(88. サマルカンド市内タクシー・バス・トラム乗車方法紹介!自作バス路線図も掲載)、自作の路線図も掲載しましたのでサマルカンドにも行かれる方はぜひご覧ください。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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