アラル海を見に行こう@カラカルパクスタン自治共和国

公開日 : 2016年02月06日
最終更新 :

 Assalom alaykum! みなさんこんにちは!タシケント特派員の齋藤です。

 今回は、アラル海キャンプについてお話したいと思います。

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 と、その前に、アラル海について説明します。

 カラカルパクスタン自治共和国とカザフスタンの領土をまたぐアラル海は、かつて世界第4位の湖面面積を誇る湖、だったのですが、現在ではソ連期にアラル海に流入するアム川(アムダリヤとも)とシル川(同、シルダリヤ)の流域で発展した灌漑農業のために水量が減少し、現在では消滅の危機に瀕している湖です。このアラル海縮小問題は「20世紀最大の環境破壊」とも呼ばれ、その様子を一目見ようと、世界各地から旅行者が、かつての漁村に遺棄された漁船の群れ、通称「舟の墓場」などを訪れます。

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 今年、2015年は水量が多いらしい、との情報を得、特派員と留学生4人、タシケント駐在員の計6人は、アラル海を見に行くだけでなく、泳ぎに行こうという計画を立てました。

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 だいぶ前の話になりますが、2015年6月某日、我々6人はホテル「ジペックジョリ」を出発しました。ここからアラル海まで長い道程となります。

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 中央アジアの大河、アム川を越えました。

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 途中、木陰で運転手さんが用意してくれたピロシキ(ロシアの揚げ饅頭)や、カツレツで昼食を取ります。この地点以降は日影がある場所は全くないそうです。

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 カラカルパクスタン自治共和国は砂漠地帯のど真ん中にあるため、車窓からは荒涼とした景色が広がります。

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 かつてアラル海の湖底だった地域に入りました。

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 かつては湖岸だったところが、今ではこのように絶壁となっています。水による浸食で地層のようになっているのがわかります。

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 かれこれ車を飛ばすこと6時間、ようやく水面が見えてきました。ランドクルーザーの車内はテンションだだ上がりです。何せウズベキスタンは周囲を内陸国に囲まれた二重内陸国。海なんて到底望めないのです。

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 水着に着替えて喜び勇んで湖岸に駆け寄ると、足を泥にとられます。何かが堆積しているか、もともとの地質かはわかりませんが、砂というより粘土質といったほうが近いです。

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 なぎさは、湖水の塩分濃度が高いせいか、波打ち際が泡立っています。

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 思い切って飛び込んでみると、ものすごい浮力が全身を下から支えます。塩分濃度が高いという死海に浮かんで本を読む人の写真をよく見かけますが、まさにあんな感じです。身体のどこかに傷とかがあるとしみて痛くなりそうです。

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 思う存分海水を堪能した後、ランドクルーザーに大量に積み込んだ真水で塩水を流して、夕食の準備です。運転手さんがプロフを作ってくれました。

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 ビールで乾杯して、この日はテントで早めに就寝。翌朝、アラル海から上る朝日を見るためです。

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 普段タシケントにいると、ウズベキスタンが広大な国土を持つ国であることをあまり意識しないのですが、こういう場所に出てくると、やはり「ユーラシア」だとか、「大陸」といった雄大なイメージが掻き立てられますね。

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 アラル海のうち、カザフスタン側の部分は国際機関などの援助による堰建設事業により水量が確保されていますが、その堰によって流入水量が減少したこと、沿岸の灌漑農業が活発であること、またそもそも遠浅であることなどから、アラル海のウズベキスタン側は、もはや水位のかつてほどの回復は不可能であると言われています。人間の営みがどのような結果をもたらし得るかを認識する場としての観光地、エコツーリズムの一環として、アラル海とカラカルパクスタンは活路を見いだせるかもしれません。

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 今回のキャンプはヌクスのホテル「ジペックジョリ」に依頼して企画してもらいました。

 2015年に訊いた限りでは、必要なものとそれを準備するのにかかる費用は以下の通りです:

 ・ランドクルーザー(運転手込み):一台あたり450ドル

 ・夕食一回、朝食2回で40ドル

 ・ガイド(英語):1日100ドル

 ・テントレンタル:3ドル

 ・テントレンタル(ラージサイズ):10ドル

 ただし、季節によって価格等は変化しますので、正確なところは直接問い合わせる等したほうがいいでしょう。なお、冬季のツアーは行っていないそうです。

 では、Ko'rshamiz! (またお会いしましょう!)

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