路地を抜けると、そこは...? 旧市街の歩き方
Assalom alaykum! みなさんこんにちは!タシケント特派員の齋藤です。
ウズベキスタン旅行というと、多くの旅行者の方は、サマルカンドやブハラ、ヒヴァなどに注目されるかと思います。しかし、タシケントはウズベキスタンの首都であり、玄関口。ただ素通りするだけではもったいないと、特派員は思うのです。
多くの旅行者がウズベキスタンに対して持っているであろう、「シルクロードの風情ある街並み」というイメージに応えるべく、今回は、旧市街(エスキ シャハル)のおすすめの散策ルートをご紹介したいと思います。
まず、チョルスーバザールの裏側にまわりましょう。『地球の歩き方』本誌にも載っているレストラン「シャルク」の脇の、サグバン通り(サグバン コチャシ)を、チョルスーバザールとは逆方向に上っていきます。
そうすると、特派員もよく利用する安宿、「Mirzo Guest House」の向かい、進行方向右手にオルチャ通り(オルチャ コチャシ)が見えてくるので、そこに入ります。
奥に進むにつれて、せまーい、しかし風情のある路地になっていきますが、恐れず進みましょう。
最初の突当りを左に進みます。ウズベク人のちびっ子たちに絡まれるかもしれませんが、日本語でいいので、にこやかに話しかけてみてもいいかもしれません。彼らは異邦人くらいにビビるタマではありません。
さらに進むと、ザルカイナル通り(ザルカイナル コチャシ)との突当りに出ます。今度も左へ。
するとやや広めの道路に出ます。左手に出窓だけの商店などがあったりします。
何か見えてきました。
到着するのは、旧市街の中にある、ハズラッディ・イマーム広場。ここには、バラク・ハン・メドレセ(16世紀に建てられた神学校)や、ハズラティ・イマーム・モスク(同じく16世紀に建てられたモスク。いずれも2007年に修復作業が終了)などの見どころが集中しています。それぞれの説明については『地球の歩き方』本誌にゆずりますが、旧市街の狭い路地を抜けた先に急に開ける開放的な空間、そしてそこに立つ青い屋根のモスク。異世界に到着したような、不思議な感覚を感じるのではないでしょうか。
ハズラッディ・イマーム広場は旧市街の住宅街の真ん中だけあって、広場は市民の憩いの場となっています。観光客にまじって、ごく普通の市民が散歩していたり、スケート靴を履いて滑ったり三輪車に乗ったりして子どもたちが遊びまわったりしています。
先日特派員が行ったときは、ハズラティ・イマーム・モスクの前で、ぎゃあぎゃあとウズベク人の子どもたち6-7人(おそらくいずれも10歳以下)に取り囲まれました。どうなるかと思ったら、そのうちの一人が「これ!」と何かを握った手を突き出してきました。こちらも手を出して受け取ってみると、渡されたのはひまわりの種。「こうして食べるんだよ!カリッ」と、外側の固い殻を歯で割って中の白い身を食べるのを実演してくれたのはありがたかったのですが、自分の歯で割って取り出した中身をこちらに「はい」と渡してきたときにはいささか閉口しました。
この旧市街は、よく「マハッラ(街路)地区」と呼ばれます。余談ですが、共同体という意味でもよく使われるこの「マハッラ」という単語は、同じテュルク系言語のトルコ語でも使われているのですが、ヨーロッパのロマ(ジプシー)の間でも、同じような意味で使われているそうです。関口義人氏著『ロマ・素描』(東京書籍刊、2003年)によると、かつて北インドの住人であったロマたちが、ユーラシア大陸を渡ってヨーロッパへ渡る途中、アジアとヨーロッパの境に位置するトルコでこの「マハッラ」という単語を吸収したのではないか、とのことです。
最近、旧市街の裏手に、ヌラフション通り(ヌラフション コチャシ)という、4年前の留学のときにはなかった広い道路が開通していました。9月、留学して間もないころ、留学先大学の国際部職員の車に乗せてもらったとき、「新しい道路です」と自国の発展を誇るかのように見せてもらいました。オリエンタルな雰囲気漂う旧市街を貫通する新しい道路を前に、いち外国人としては、「なんでもきれいにすればいいというものでもないと思うけど...」とも思ったのですが、実際に住んでいる人たちにとっては、より便利に、を求めるのは当たり前なのかもしれません。
ハズラッディ・イマーム広場からの帰りは、もと来た道を戻りましょう。サグバン通りからチョルスーバザール方面への帰り道はゆるゆる下り道なので、来るときよりは楽かと思います。
おなかがすいたら、チョルスーバザールが見えてきたころに左手に見えてくるウイグルレストラン「ビンケット」で食事するのもいいかもしれません。お値段は、ラグマンとノン(パン)、お茶を頼んで一万数千スムくらい。
それでは、Ko'rshamiz!(またお会いしましょう!)
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