ついに!台湾でQRコードによる実名登録制度廃止へ
約1年前の2021年5月中旬から台湾で開始された実名登録制度。店頭のQRコードをスマホに読み込み、入店記録を1922衛生福利部(厚生労働省にあたる)へショートメッセージを送らなければなりませんでした。その制度が2022年4月27日をもって廃止とのニュースが報道されました。
実名登録制度とは
実名登録制度とは「誰がどこへ何時に行ったかという情報を送信する制度」です。スーパーマーケットに限らず、カフェやドラッグストア、図書館、警察署、バスなど公共エリアを利用する際この実名登録が必要になります。その情報をもとに、同じ日時に陽性者がいると政府からこちらにも連絡が来るというものでした。QRコードの読み込みができない場合は店頭の紙に名前と電話番号を記載します。
正直な話をしますと、「実名登録を行ったおかげで政府から陽性者に関する連絡が来た」という話は一度も聞いたことがありません。この制度は入店の記録は行っても、退店の記録はしません。つまり、政府としても客の滞在時間までは把握しきれないので、陽性者と接触があったかまでは不明であり、連絡のしようがないのではないでしょうか。
実名登録制度廃止
以前は陽性者の足取りを公開しており、市民はそれを見て自分も同じ日時に滞在していたか確認していました。しかし、2022年4月27日現在、陽性者は8,800人以上に増え、政府は全てを公開しきれず。市民も全ての陽性者の足取りを見るのは現実的ではありません。そのため、足取り公開を終了しました。ほどなくして実名登録制度も廃止。
その代わりに政府は「台湾社交距離アプリ」をインストールするよう呼びかけています。これは陽性登録者と接触した可能性がある場合に通知が来るシステムです。ただ、どのくらいの陽性者が登録するのかという疑問も残ります。
withコロナになるのか
政府はまだはっきり「withコロナ」とは公言していません。ですが、ここ最近軽症者の人数をアピールする資料も政府から送られてくるようになりました。重症化しにくいことを伝えているのでしょう。withコロナへと舵を切っているようにも感じます。まだ油断はできないと思う一方、政府としてはコロナとのあらたな付き合い方も考え始めているよう見受けられます。
濃厚接触者隔離期間短縮
以前、台湾国内での濃厚接触者は隔離期間10日間+自主健康管理7日間でした。4月26日からは隔離期間3日間+自主健康管理4日間に。1週間分短くなりました。ただし、これは台湾国内でのことですので、日本から台湾への入国は従来通り10日間+自主健康管理7日間の隔離期間のままです。
実名登録制度が廃止され、しばらくは店頭で立ち止まってスマホを開きそうです。1年も行っていると完全に習慣化されてしまいました。一日も早く平穏な日が訪れますように。
(ライター:地球の歩き方特派員みみ)
筆者
台湾特派員
みみ
2020年7月より台湾生活開始。ライター・ブロガー・日本語教師として活動中。
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