ワイン天国オーストラリアの“クリーン・スキン・ワイン”
昨年暮れの時点で、オーストラリアは世界第5位のワイン生産国となりました。2007年8月までの年間輸出量は前年比9%増の8億リットルを超え、最高記録を更新。英国では、フランス、イタリア、ドイツのワイン御三家を超える最大のワイン供給国の地位を維持し、米国でもトップのイタリアに続いて第2位のワイン供給国となっています。現在、ワインメーカーの数は、全国で2,000を超えるそうです。
豊作続きで、オーストラリア・ワインの値段は数年前と比べると、全体的にずいぶん安くなりました。そんな中で値崩れ防止のため、ラベルなし、もしくはラベルにワイナリー名が入っていない状態で販売されている「クリーン・スキン・ワイン」が人気を博しています。値段は1本A$5〜7(500〜700円)前後が中心で、とってもお手頃。高くでもA$10(1000円)超くらい、中にはA$4(400円)を切るものもあり、ヘタをすればソフトドリンクの方が高くなっちゃうくらいです。
ラベルがついていても表示は最小限だから、ウンチクだとか、評判だとか、賞を取ったとかにこだわらずに飲むことができます。たとえば、「Clare Valley 2006 Riesling 12.6%」という感じで、明記されているのは生産地と収穫年、ブドウの種類くらい。その数少ない情報プラス味から銘柄を推測する輩もいますが、コルクから判断できる場合を除いて、ウラを取ることはほぼ不可能でしょう。
それでも、あっと驚くような大ヒットのクリーン・スキンに遭遇すると、「あれにそっくりじゃない!」なんて話になりがち。もし実際に飲み比べてみて、そのプレミアムワインとほぼ同じだと思えれば、ホントめっけものですよね!
クリーン・スキン・ワインは低価格で流通することによってブランド・イメージが損なわれるのを避けるためにワイナリー名を伏せているわけで、品質が悪いわけではありません。その証拠に、最近はクリーン・スキン・ワインが試飲できる店も登場しています。たとえば、シドニーだったら、グリーブにあるCleanskin Cellarsで、いつでも試飲が可能。高品質のクリーン・スキン・ワインをセレクションしていて、同じワイナリーでできたラベルのついているワインと比べると、最大で70%オフなのだとか。
ただし、この状況がいつまで続くかはちょっと分かりません。深刻な干ばつの影響で、2008年のオーストラリア・ワイン生産量は例年の190万トンの半分以下に減少することが予想されているからです。今のうちにワイン天国を楽しんでおくのがいいのかも!
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