ブッシュ・ファイヤーの季節

公開日 : 2007年02月08日
最終更新 :
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……というと、何だかとっても大変なことが起こったように聞こえますが、実際の状況は「淡々と」という描写がぴったり。ブッシュ・ファイヤーが原因となって道路や鉄道が閉鎖される区間や時間、避難勧告が出される対象地域はごく限られている、ということを誰もが知っているからかもしれません。逆にいえば、その必要があると判断された場合には、本当に危険に迫られた必然性があるに違いないのです。

初日深夜にF3の閉鎖解除を待ちきれずに、パシフィック・ハイウェイを通り抜けたときには、よくぞまあココが通行可能だと思えるほどの火柱が近くで上がっていて、付近の住宅地への飛び火が心配される状況でしたが、ブッシュ・ファイヤーに慣れっこのオージーは決して大騒ぎしたりしません。不幸にも当事者になり、たとえファイヤー・フロント、つまり前線がすぐそこまで来ていたとしても、ギリギリまで黙々とホースによる放水を続け、家を守ろうとするのがフツウなのです。

近頃は自然発火ばかりでなく、放火など人為的な原因によるブッシュ・ファイヤーが増えているのが案じられるところですが、そもそもオーストラリアの植物には、バンクシアのように山火事の熱によって種子を包んでいる実がはじけて発芽する植物もあり、言ってみればブッシュ・ファイヤーは生態系のサイクルに盛り込まれた自然現象のひとつ。広大な森林地帯が燃えることは、ある程度仕方がないと考えられているようにも見受けられます。消火作業では人家の被害を防ぐことが最優先で、天候条件によっては、燃え広がる前に先回りして周囲の木々や下草を燃やすことにより空き地を作り出して火を封じ込めてしまう「バック・バーニング」も積極的に実施されています。

消火活動において重要な役割を果たしているのは、NSW州の95%をカバーするRFS(NSW Rural Fire Service)と呼ばれる消防機関のメンバー。有給スタッフ600人に加え、約7万人のボランティアが活躍しています。ビーチを守るライフ・セーバーもそうですが、オーストラリアでは現場でカラダを張って人々を助ける任務に就いている人たちが、非常に尊敬されているところがとってもマトモな感じがします。

(画像は閉鎖解除後の高速道路F3。今回のブッシュファイヤーは高速道路を越えて反対側にも燃え広がったのでした……)

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