宇宙を旅するマックノート彗星

公開日 : 2007年01月19日
最終更新 :

話題になっている“ほうき星”を見ました! 「1965年の池谷・関彗星の再来」と騒がれているマックノート彗星(C/2006 P1)です。あっという間に沈むのかと思ったら、ずいぶん長い間ゆっくりと黄昏時の空に輝いていました。たいていの彗星は、望遠鏡でしか見られませんが、この明るい大彗星は、今なら南半球で誰でも肉眼ではっきり見ることができるのです。

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(c) Middy Nakajima

昨年8月に発見されたときは17等級で、3等級くらいまでは明るくなるかも……と予測されていたのが、宇宙を旅して太陽に近づくにつれてぐんぐん増光し、今週初めにはとうとう最大でマイナス6等級に到達。NASAの天文学者トニー・フィリップス氏の談話によると、1997年のヘール・ボップ彗星の6倍、1986年のハレー彗星の100倍も明るいのだそうです。金星よりも明るく見えるなんて、すごくないですか?

見事な尾を引く彗星の映像がニュースで流れたためか、わたしが行った展望ポイントには天体望遠鏡持参の親子連れやワインを手にしたカップルらが三々五々に集まってきて、日が沈むと地平線を指差して「あのあたりじゃない?」とワイワイがやがや。彗星が現れると、ちょっぴり厳かなムードに包まれました。昔の人は、突如として夜空に現れる彗星を不吉な前兆と恐れたといいますが、戻ってくるとしたら数百万年後といわれる現代の大彗星を眺めていると、壮大な宇宙のドラマに遭遇したような感動を覚えると同時に、何とも心安らかでハッピーな気持ちになりました。

マックノート彗星はこれから少しずつ太陽から遠ざかり、今月末には3等級、2月9日頃には6等級くらいになるようです。肉眼で見える期間はあとわずか。でも、双眼鏡があれば、まだしばらくの間はOKのはず。たとえ天文マニアじゃなくても、シドニーにいらしたら、チャンスがあれば夕暮れ時の茜色の空に輝くほうき星を探してみてはいかがでしょうか?

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(c) Steve Quirk (2007)

↑毎晩こんなふうに見えています

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